路地に佇むクイッティアオ・ナムトック専門店【ソムマイ クイッティアオムーナムトック】

クイッティアオにはいくつも種類があり、それぞれに専門店があるのですが、それらの中で数少ない一つがクイッティア・オナムトック（ก๋วยเตี๋ยวน้ำตก）だと思います。
クイッティアオ・ナムトックとは、スープに豚の血を入れたタイラーメンのことです。

豚の血と聞くだけで敬遠する方がいるでしょうが、臭みは一切なく、血を加えることで得られる独特のコクや深みが魅力です。

クイッティアオの中でも、私が好きなトップ3に入る一品。

そんなクイッティアオ・ナムトックをこよなく愛しているのですが、専門店が少ないのが悩みどころ。
屋台で見かけることもありますが、トムヤムやイエンタフォーのようにどこでも食べられるわけではなく、「ナムトック専門店」となると、ほとんど見かけません。

そんなレアなクイッティアオ・ナムトック専門店を、旧市街地で発見してしまいました。

創業して30年のクイッティアオナムトック専門店

そのお店は、旧市街地の細く薄暗い路地を進んだ先、左手にあります。

店頭で調理している女性店主は、私の顔を見るなり、鳩が豆鉄砲を食ったような表情。
そんなに外国人客が珍しいのだろうか……？

メニューを見ると、クイッティアオ・ナムトックの普通盛り・大盛り、そしてガオラオの普通盛り・大盛りの4種類のみ。
「うちはナムトック一本勝負なんやで！」と言わんばかりの潔いラインナップです。

麺は、センミー（ビーフン）、センレック（細麺）、センヤイ（太麺）、ウンセン（春雨）、バミー（小麦麺）、ママー（即席麺）の6種類。
普段ならセンレックを選ぶところですが、ナムトックの濃厚なスープには即席麺（ママー）も合いそう。

普段ほとんど選ばない即席麺を、今回は試してみることにしました。

しっかりとしたコクが旨いクイッティアオ・ナムトック

運ばれてきた丼には、豚肉やレバー、揚げ豚皮（ケープムー）、空芯菜、もやしがたっぷり入っていて、ボリューム満点。
レンゲで茶色いスープをひと口。

臭みは一切なく、辛さも控えめ。しっかりとコクがあり、これは旨い。
この旨みたっぷりのスープをしっかり吸収してくれるのが、即席麺（ママー）の強みです。

豚の血を使うことで生まれる深みのあるスープは、「食べず嫌い」の方にもぜひチャレンジしてもらいたい味。

私が食べ終わると、女性店主が「美味しかった？」とひと言。
「アロイ・ジンジン（อร่อยจริงๆ）」と答えると、にっこり微笑んでくれました。

タイ語を話す外国人が珍しいのか、そのままおばちゃんとおしゃべりタイムに。
創業して30年ほどのお店で、欧米人のお客さんも時々来るそうです。

そして最後に、驚きのひと言。

「あなたの顔を見てびっくりしたのよ。北タイの友達にそっくりだったから！」

私の顔を見て驚いていたのは、そういう理由だったのねw