ここ数年、ブログで取り上げる店を探すときに、もっとも活用しているのがGoogleマップです。
「どこかに旨そうな店はないか」と、暇さえあればGoogleマップをひたすら眺めている始末。
とはいえ、店探しはGoogleマップだけではありません。
街を歩いているときに気になる店や屋台を見つければ、Googleマップに載っていなくても、とりあえず食べてみることがあります。
今回紹介するのは、そんな街歩きの途中で偶然出会った、名もなき屋台です。
バンランプー博物館の向かいで見つけた屋台
とある店の取材を終え、バンランプー界隈を歩いていたときのこと。
『バンランプー博物館(พิพิธบางลำพู)』なるものを発見。
タイに15年以上住んでいますが、こんな博物館がここに建っていたことを、この日初めて知りました。

カオサン通りからもほど近い場所にある博物館で、バンランプー地区の歴史や、かつてこの地域で暮らしていた人々の生活、商業、文化などを紹介しています。
館内では昔の街並みや庶民の暮らしなどを通して、この地域が歩んできた歴史に触れることができるそうです。
入場料は外国人も30バーツ。
見学は約60分の時間制で、決められた時間帯ごとに入館するシステムになっています。
好きな時間にふらっと入るというより、あらかじめ見学時間を確認してから訪れるのがおすすめです。
そんな『バンランプー博物館』の真向かいで、ふと目に留まったのが一軒の屋台でした。
細い路地を使って営業している、小さな店。

Googleマップにも載っていない、店名すら分からない、名もなき注文食堂のような屋台です。
路地の奥にテーブルが2卓だけ
フライパンを振って調理しているのは、高齢の女性。
その傍らでは、もう1人の女性が料理を手伝っています。


私の勝手な想像ですが、親子なのかなと。
路地の奥を覗いてみると、置かれているテーブルはたったの2卓。
しかも、どちらにも先客が座っている。
「満席やなぁ……」
そう思っていると、娘さんと思われる女性が、
「奥に座るところあるから〜」
と声をかけてくれました。
いや、テーブルがあるのは見えてるんですけど、どう見ても満席なんですけど(笑)。
とはいえ、この店を見つけた時点で、私はすでに「何か食べてみたい」という気持ちでいっぱい。
そこで注文したのは、こういった注文食堂では定番中の定番、豚ひき肉のガパオ炒め「ガパオムーサップ(ผัดกะเพราหมูสับ)」です。
もちろん目玉焼きも付けてもらいました。
お婆ちゃんが作るガパオムーサップ
私のガパオライスより先に、店主のお婆ちゃんが作り始めたのが「ガパオクルック(กะเพราคลุก)」でした。
通常のガパオライスは具材だけを炒めてご飯に添えますが、ガパオクルックは具材とご飯を一緒に炒めるスタイル。

ガパオ味の炒飯と表現すれば分かりやすいかも。
フライパンの中でご飯とガパオが混ざり合っていく様子を見ていると、間違いなく旨そう。
そうこうしているうちに先客の1人が店を後にし、ようやく私の座るテーブルが確保できました。
そして運ばれてきたのが、豚ひき肉のガパオライス。ご飯もガパオもたっぷり。
こういう気取らない盛り付けが、路地裏の食堂らしくていい。

ひと口食べてみると、味付けはしっかり濃いめ。
豚ひき肉の旨みにガパオの香りが重なり、ご飯が進む、進む!

長年にわたってフライパンを振り続けてきたお婆ちゃんの歴史そのものが、この一皿に詰まっているかのようでした。
路地裏に流れる、家族の日常
テーブルが並べられた薄暗い路地の奥には、どうやら彼女たちの家族が暮らしているようです。
食事をしていると、奥からお孫さんらしき子どもも登場!

お婆ちゃんはフライパンを振り、娘さんらしき女性が店を手伝い、その傍らには孫がいる。
営業中でありながら、そこには家族団らんのような、ゆったりとした時間が流れていました。
Googleマップで店を探すのは便利です。
口コミも営業時間も分かるし、目的の店まで迷わず辿り着ける。
でも、街を歩いているからこそ出会える店もあります。
Googleマップにも載っていない。
店名すら分からない。
そんな名もなき屋台で食べた一皿が、不思議と記憶に残ったりするものです。
バンランプーの路地裏で偶然出会った、お婆ちゃんのガパオ。
こういう出会いがあるから、バンコクの街歩きはやめられません。
| 店名 | バンランプー博物館前の名も無き屋台 |
| 営業時間 | 10:30-19:00 |
| 定休日 | 土曜日・日曜日 |
| Googleマップ | https://maps.app.goo.gl/pnPFTW1chwG3dFnn9 |


