パッキーマオ(ผัดขี้เมา)という料理を食べたことがある、または知っているという方はどれぐらいいるのでしょうか。
タイの炒め麺料理といえば「パッタイ一強」といった勢力図で、パッキーマオの認知度はそれほど広まっていないんじゃないだろうかと思っています。
パッキーマオとは「パット(炒める)」と「マオ(酔っ払う)」が合わさった料理名で、「酔っ払い炒め」とも呼ばれている料理です。
料理名の由来は諸説あり、一つは「酔っ払いも目が覚めるほど辛い」。
他には「酒のアテに作りたくなる料理」といったものがあるのですが、私個人的には1つ目の「辛さ」が由来となったのではないかと思っています。
パッキーマオで使われるのは基本的に麺です。
ただし、麺だけではなく、本記事でものちほど紹介しますが、麺ではなくご飯のパッキーマオもあります。
使われる具材は決まっているわけではないようですが、オーソドックスなものだと胡椒の実、バイマックルー(こぶみかんの葉)、ベビーコーン、唐辛子など。
辛さが特徴でもある料理なので、店によっては汗が止まらないほど辛いパッキーマオもありました。
辛い料理を食べたい方なら激推しの一品。
辛い料理が苦手なら、注文前に「辛さは少しで(ペットニッノイ/เผ็ดนิดหน่อย)」と伝えておきましょう。
「辛くしないで(マイペット/ไม่เผ็ด)」と伝えた場合、辛さが特徴の料理なので「ならばパッキーマオ食べるな」と言われる危険性もありますので要注意です。
目次
- 1 パッキーマオの店を探すのは困難?
- 2 パッキーマオ①|ヤワラートの名店【クルアポンラマイ】
- 3 パッキーマオ②|シーロムの隠れ家的な食堂【クルアマハーチャイ シーロム】
- 4 パッキーマオ③|旧市街地のパッタイ専門店にあった!
- 5 パッキーマオ④|シーフードの名店は春雨で勝負
- 6 パッキーマオ⑤|ミシュラン常連のこだわりはスパゲッティー
- 7 パッキーマオ⑥|地元民のみぞ知る穴場食堂【パットヤンカオテン】
- 8 パッキーマオ⑦|ラートナー専門店はスパゲッティーを使用
- 9 パッキーマオ⑧|ローストダック&バミー麺の妙!
- 10 パッキーマオ⑨|ファランポーン駅近くの屋台街でどうぞ
- 11 パッキーマオ⑩|人生初!イカ墨スパゲッティーのパッキーマオ
- 12 パッキーマオ10店舗はYouTubeでも公開中
パッキーマオの店を探すのは困難?
パッキーマオが食べてみたいと思い店をリサーチするも、かなり困難であることを思い知るでしょう。
カオマンガイやパッタイといった専門店があるならば、Google検索やGoogle Map検索で見つけられますが、パッキーマオには専門店がないためです。
今回、私がパッキーマオの特集を組むことができたのは、いままで数百軒ものローカルタイ料理店を食べめくり、ブログ内にデータを蓄積していたから。
つまり、パッキーマオを扱う店を探したいなら、本記事(もしくは私のYouTube)を頼るしか他にないんです!
というわけで、日本語の媒体として初(?)となる、パッキーマオの大特集。
YouTube動画も合わせて、参考にしていろんな店を食べ歩いてください。
各店に掲載しているリンク先ではそれぞれの店舗を個別に紹介しており、全メニューを載せています。
パッキーマオ①|ヤワラートの名店【クルアポンラマイ】
1店舗目としてご登場いただくのは、ヤワラート特集の記事でも取り上げた『クルアポンラマイ』です。
極限にまで熱した鉄板に、さまざまな料理を載せて提供することで知られています。
もっとも人気のメニューはラートナー。
あんかけが鉄板で弾け、「じゅー!」という音を耳にして覚醒し、香りでトリップしてしまう危険な一品です。
こちらのお店では数々の炒め物料理を揃えていますが、パッキーマオもあるんです。
麺はセンヤイの他に、シャンハイという変わった麺もあります。
こちらはセンヤイのパッキーマオ。
鉄板で提供されるため、熱々のパッキーマオを楽しめるのがポイントです。
胡椒の実やこぶみかんの葉が使われていないのは個人的に寂しいのですが、辛さ控えめなので食べやすいですなぁ。
>>【クルアポンラマイ】の記事
店名 | クルアポンラマイ/ครัวพรละมัย |
営業時間 | 17:00-02:00 |
定休日 | 基本無休 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/a53qq8WWaSjgsQAn7 |
パッキーマオ②|シーロムの隠れ家的な食堂【クルアマハーチャイ シーロム】
シーロム界隈で私が推している店舗の一つが『クルアマハーチャイ シーロム』です。
マハーチャイという港町から仕入れた新鮮なシーフードがウリの店で、ほとんどの料理が100バーツ以下で楽しめるとあり、昼時は毎日満席です。
『クルアマハーチャイ シーロム』のパッキーマオにはママー麺が使われ、胡椒の実やこぶみかんの葉を入れたオーソドックスなスタイルに仕上げています。
辛さもあり、個人的には好きなパッキーマオです。
シーフード入りにするとエビやイカが使われ、これで100バーツ以下。
人気があるのも頷ける食堂です。
店名 | クルアマハーチャイ シーロム/ครัวมหาชัย สีลม ซอยละลายทรัพย์ |
営業時間 | 08:30-19:00 |
定休日 | 日曜日 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/pdzKcLpTZiLGRXTw8 |
パッキーマオ③|旧市街地のパッタイ専門店にあった!
サオチンチャー近くで営業するパッタイ専門店『バーンパッタイ サオチンチャー』。
パッタイだけではなく炒め物メニューを豊富に揃えた同店では、パッキーマオもあるんです。
こちらのパッキーマオは麺を使わず、ご飯と一緒に提供する珍しいタイプ。
ご飯パッキーマオに出会ったのは、『バーンパッタイ サオチンチャー』が初めてです。
しかも、しめじを主役にしているのも珍しい。
生姜も効いていてパンチのあるパッキーマオです。
店名 | バーンパッタイ サオチンチャー/บ้านผัดไทเสาชิงช้า |
営業時間 | 08:00-19:00 |
定休日 | 火曜日 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/RoeDVV6LDFEDS2iD7 |
パッキーマオ④|シーフードの名店は春雨で勝負
チャオプラヤー川向こうにある店ですが、私は何度も通っている『アン ターディンデーン』。
ミシュランのビブグルマンにも選ばれたシーフードの店で、何を食べてもハズレなしの激推し店です。
女性店主のアンさんが提供するパッキーマオは、麺にウンセン(春雨)を使用。
スープを染み込ませた春雨は、オイスターソースはほとんど使われていないのか、さっぱりとした仕上がりに。
胡椒の実やこぶみかんの葉も入っていて、私好みの逸品ですが、遠慮なく唐辛子が使われているため辛さも逸品。
ビールを飲みながらいただいても、酔いが覚める一皿です。
店名 | アン ターディンデーン/แอน ท่าดินแดง |
営業時間 | 11:00-22:00 |
定休日 | 月曜日・火曜日 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/UingsHgbpaLEBgcG8 |
パッキーマオ⑤|ミシュラン常連のこだわりはスパゲッティー
毎年のようにミシュランのビブグルマンに選ばれ、ガイドブックにも載る『ノンリムクローン』にもパッキーマオがあります。
使われている麺は定番のママー麺ではなく、スパゲッティーです。
ママー麺を使う料理もあるのですが、あえてスパゲッティーにしているのは店主のこだわりなのでしょう。
シーフードのパッキーマオを選ぶと、麺が見えないほどエビやイカがどっさり!
味はさすが『ノンリムクローン』。
たっぷりのシーフードが出汁となり、スパゲッティーに絡んで絶品!
ただ辛さも半端なく、食べ終わったら汗だくになりました。
店名 | ノンリムクローン/หน่องริมคลอง |
営業時間 | 08:30-15:30 |
定休日 | 日曜日 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/b4zsq9D1Mi17tif56 |
パッキーマオ⑥|地元民のみぞ知る穴場食堂【パットヤンカオテン】
本企画のために探し出したのが、ラチャダーに立地する『パットヤンカオテン』です。
本記事執筆時点で、こちらのお店を紹介した日本語の記事や動画は皆無。
そんな日本人ノーマークの店だったので、あえて10店舗に入れました。
家族経営の小さな食堂で、創業してまだ2、3年という比較的新しい食堂です。
こちらのパッキーマオもご飯に添えられた逸品でした。
豚肉のパッキーマオを選ぶと、胡椒の実やこぶみかんの葉、たまねぎ、トゥアファックヤオといった食材がたっぷり使われている。
半熟の目玉焼きを乗せることができるのは、嬉しいポイント。
ビールもあるので、パッキーマオ&ビールも楽しめます。
外国人が取材に来るのが珍しかったのか、サービスでエビの炒め物を出してくれた、ハートウォームな食堂です。
店名 | パットヤンカオテン/ผัดยันข้าวเต้น |
営業時間 | 10:00-22:00 |
定休日 | 土曜日・日曜日 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/q4HDJVR5rS79iZuUA |
パッキーマオ⑦|ラートナー専門店はスパゲッティーを使用
2年ほど前に取材した『ラートナーパラマウント ヨッセー』にもパッキーマオがありました。
来店は2年ぶりだったのですが、店主は僕のことを覚えていてくれて大歓迎。
麺はスパゲッティーと太麺のセンヤイから選べるのですが、店主のおすすめはスパゲッティー。
胡椒の実やベビーコーンが入っている私好みのパッキーマオです。
辛さはほどよく味付けも絶妙で、新鮮なエビやイカが使われているのも高得点!
「スキーも美味しいから食べてみて」
店主の奥さんから勧められたスープ無しスキーも素晴らしかった!
店名 | ラートナーパラマウント ヨッセー/ราดหน้าพาราเมาท์ ยศเส |
営業時間 | 11:00-21:00 |
定休日 | 日曜日 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/U3YozLB4EdU6exux7 |
パッキーマオ⑧|ローストダック&バミー麺の妙!
ローストダックを使ったガパオライスがあると、以前紹介したお店です。
カオサンから2kmほど北にあるお店で、ダックを専門にしています。
アヒル肉の料理を揃える同店で、まさかのパッキーマオ。
しかも私が好きなバミー麺と組み合わせられるのは、10店舗でここだけです。
こってりとした味付けが特徴で、平麺のバミーに絡み口福度高し!
ちなみに『ラーチャーペット』では、豚足のカームと炒めたパッキーマオも楽しめます。
店名 | ラーチャーペット/ราชาเป็ด |
営業時間 | 07:00-17:00 |
定休日 | 基本無休 |
Google Map | https://goo.gl/maps/X3UA8SPfo3XXoWMm8 |
パッキーマオ⑨|ファランポーン駅近くの屋台街でどうぞ
あまり知られていませんが、MRTファランポーン駅近くに夕方から開く屋台街が広がっています。
こちらで営業しているのが、炒め物料理を出す『ペンポーチャナー ラチャクイッティアオクアガイ』。
クイッティアオクアガイをメインにしている屋台ですが、パッキーマオも推したい一品です。
主役となるのはママー麺。
これに胡椒の実やこぶみかんの葉を具材として迎え入れ、定番のパッキーマオに仕上げています。
エビ入りで65バーツというお手頃価格でいただける点も、声を大にして推したいポイントです。
店名 | ペンポーチャナー ラチャクイッティアオクアガイ/เพ้งโภชนา ราชาก๋วยเตี๋ยวคั่วไก่ |
営業時間 | 16:00-21:00 |
定休日 | 月曜日 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/NEYCCxxHEfHJYcfj6 |
パッキーマオ⑩|人生初!イカ墨スパゲッティーのパッキーマオ
最後に紹介するのは、本企画で初めて来店した『ラートナー アーリウ』です。
店名通りラートナー専門店ですが、とにかくメニューが多い。
それらの中にパッキーマオが潜んでいます。
私がこの店を選んだのは、非常に珍しいパッキーマオがあったためです。
なんと、使われている麺はイカ墨スパゲッティー!
スパゲッティーを使うパッキーマオはありましたが、イカ墨は見たことがありませんでした。
来店前は「奇を衒った料理なのだろう」と思っていたのですが、一口いただき、その考えは一変しました。
絶妙な味付けが素晴らしい!
これだけ秀逸なパッキーマオを出すのなら、きっとラートナーも期待できるだろうと注文。
揚げたセンヤイはサクサク感とモチモチ感が同居し、あんかけの深みも絶品!
どちらも賞賛に値するものでしたが、いかんせんラートナーのサイズが大きいため、2品をいただくと超腹パンになりました。
店名 | ラートナー アーリウ/ราดหน้าอาหลิว |
営業時間 | 24時間 |
定休日 | 基本無休 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/7rvqwCCQTXRefFYH6 |
パッキーマオ10店舗はYouTubeでも公開中
パッキーマオを扱う店ばかりを取り上げるという、世界的に見ても貴重な記事となりました。
本記事で取り上げた店舗は、動画でも撮影し、YouTubeで公開しています。
興味がありましたらそちらも視聴し、コメントなどを残していただければ幸甚です。