ヤワラート(中華街)というエリアは、具体的にはどこからどこまでのことを指しているのか。ヤワラートは通りの名前でもありますので、私の中ではヤワラート通りが走っている範囲を「ヤワラート」の基本エリアという認識にしております。
ヤワラート通りは中華街門が建つところから、西の端は南北に走るマハーチャイ通りとぶつかるところまで。
Googleマップで調べてみると、ヤワラート通りってのは1.8kmほどしかありません。
一般的な概念でいうヤワラートはヤワラート通りだけではなく、通りから伸びる小さな通りやら北に並行して走っているジャルンクルン通りの周辺なんかも「ヤワラート」のエリアに入っているので、実際タイ人がどこからどこまでを「ヤワラート」と呼んでいるのかは、私にもはっきりとは分かっていません。この疑問を解決するため、中華街のカフェ『益生南記(Eak Teng Yu Ki)』で、日々お集まりになっている華僑系の老齢たちに伺ってみたいと思います。
目次
名店が揃うワットトライミット近くのSoi Sukon1
ヤワラート通りの終着点に建っている中華街門。今回私が紹介しようという店はこの中華街門のすぐそばにあります。通り名はSoi Sukon1(ソイスコン1)。数十メートルしかない小さな通りですが、名店と言われるような店が数軒営業しており、しのぎを削っているんです。
この通りにある店で取り上げたことがあるのはカオムーデーン専門店『シーモラコット』、カオマンガイ食堂『ピチャイガイトーン』カオカームーの屋台『マンユーナイ グラタ』などなど。
小さなソイにこれだけの名店が肩を寄せあうように営業しているのは摩訶不思議ですが、食べ歩きを目的にしている方々にとっては非常にありがたい通り。
上記の店々だけでも食べ歩きするには十分ですが、今回はSoi Sukon1で営む名店をさらに1店舗紹介いたします。
敷地内にはクイッティアオ屋やカオマンガイの店も同居
Soi Sukon1の入り口にある『デーンラチャホイトート』。敷地内にはクイッティアオ店やカオマンガイ店なども入居しており、プチフードコードのような呈で営業しています。
ホイトートを焼いているのは職人気質が顔に張り付いたような渋いおじさんです。注文がひっきりなしに入ってくるため、彼はほとんど手を休めることなく鉄板に向かい、ホイトートやオースワンを焼き上げていきます。
私は数日にわたりこの『デーンラチャホイトート』に来店。ホイトートやオースワンなど3品と、敷地内で営業していただクイッティアオ屋のバミーまでいただきました。
デーンラチャホイトートに通って食べたメニューたち
ホイトート/หอยทอด 50B(普通)70B(大)
まずオーダーしたのはホイトート。ホイトートとは貝(ホイメンプー)を卵や小麦粉を溶いたものに混ぜカリカリになるまで炒めた料理です。具材として使われているホイメンプーは多く、脂っこさが極力抑えられており、鉄板の前に立つおじさんの業を見せつけられました。ホイトートはスイートチリソースでいただいくのが一般的ですが、隣の客がナンプラーをかけて食しているのを見かけ、私も真似てみることに。塩味に仕上がったホイトート。スイートチリソースよりもこちらの方が好みかも。
ナンロム オースワン/นางรม ออส่วน 70B(普通)100B(大)
ホイトートに似ていますが、貝は牡蠣を使い、ふわふわに炒めたのがオースワン。70バーツという価格ながらたっぷり牡蠣を使っているのは嬉しい点。とろ〜りとした食感に頬が緩み、表情もとろ〜り。
ナンロム オールワ/นางรม ออรัว 70B(普通)100B(大)
オールワとはホイトートの生地に炒めた牡蠣を乗せたもの。ホイトートとオースワンを足して二で割ったような料理です。カリカリの生地と、ふんわりの食感のダブルを楽しみたいならオールワがおすすめです。
クイッティアオ屋のバミーギアオ
創業して100年以上!超老舗の『デーンラチャホイトート』
「今の場所は50年ほど。前の場所は80年ぐらいやってたから、合わせて100年以上やってるね」
てっきり無愛想なおじさんなのかと思っていた店主。話しかけてみると穏やかな表情で対応してくれる物腰の柔らかい方でした。
創業して130年近いだけに、現オーナーのデーンさんは四代目だとのこと。創業者は華僑であることは間違い無いでしょう。
営業時間は14時までですが、日によってはホイトートの具材が13時ごろで売り切れてしまっていることも。
名店が並ぶSoi Sukon1で50年もの実績を残せているのは、100年以上の歴史で磨かれたホイトートの素晴らしさに他なりません。
【SHOP DATA】
「デーンラチャホイトート(แดง ราชาหอยทอด)」
TEL:081-345-2466
OPEN:09:00-14:00(基本無休)