いろんな具材が入った客家系の麺料理｜クイッティアオロート

タイの麺料理クイッティアオは国民食と呼ぶにふさわしいほど身近な料理で、バンコクを歩いていると至るところで屋台やら食堂をみかけます。
親近感があるクイッティアオですが麺だけでも10種以上があり、スープの出汁もさまざま。
それらを組み合わせると、どれだけあるんだってぐらいの種類に至ります。

本ブログでも色んなクイッティアオを取り上げてきましたが、いまだかつて紹介したことのないものもございます。
そのひとつがクイッティアオロート（ก๋วยเตี๋ยวหลอด）です。

クイッティアオロート（ก๋วยเตี๋ยวหลอด）とは

「クイッティアオロート」と呼ばれる料理には２つの種類があります。
ひとつは中華料理の腸粉（ちょうふん）が元になっている生春巻きのような料理で、太麺のセンヤイで野菜などを包んで蒸しています。
クイッティアオと名付けられてはいるものの、まったく麺料理っぽくはないクイッティアオです。

そしてもうひとつのクイッティアオロートは、太麺のセンヤイなどを野菜や豆腐、シイタケなどと和えた純然たる麺料理。
今回取り上げるのは後者のクイッティアオロートの屋台です。

BTSサパーンタクシン駅近くの「クイッティアオロート ジェーヤイ（ก๋วยเตี๋ยวหลอดเจ๊ใหญ่）」

クイッティアオロートを扱っている店はかなり少ないのですが、BTSサパーンタクシン駅の近くに扱っている屋台があるんです。
３番出口を出て徒歩１、２分の好立地ですが、壁にへばり付いているかのように営業しているので、見過ごさないように注意してください。

テーブル席は２つほどしかないこじんまりとした屋台ですが、デリバリー業者が常に並んでいるし、昼時になると２つのテーブル席は誰かが必ず座っているほど盛況。
この繁盛店を切り盛りしているのは姉妹のお2人です。

クイッティアオロート ソンクルアンムートゥン／ก๋วยเตี๋ยวหลอดทรงเครื่องหมูตุ๋น

こちらでは２種類のクイッティアオロートを用意しています。
ひとつは煮込んだ豚肉（ムートゥン）をトッピングしたもので、もうひとつが野菜だけをトッピングした「ジェー」です。
麺はセンヤイ（太麺）とセンミー（細麺）がありますが、特に指定しなければ有無も言わさずセンヤイになります。

スープは無くさらりとした甘いタレがかかっている和え麺なので、まずはがっつり混ぜ混ぜ。
具材はもやし、豆腐、豚肉、揚げニンニク、椎茸などです。

甘さのあるタレは中華ハーブも使われているようで、ほんのりと香り、しかもさらりとしているのでしつこくない。
いろんな食材が使われていることで、シャキシャキ感やらもっちり感など、あらゆる食感が楽しめる！
これだけの食材を一皿でいただけるのも嬉しいポイントだなぁ。

ジュイグアイ ソンクルアンムートゥン／จุ๋ยก้วยทรงเครื่องหมูตุ๋น

メニューを見て気になったのがこちらです。
「ジュイグアイ」なんていう料理を見たことがなかったので調べてみると、小麦粉を使った団子のことでした。
具材やタレなどは一緒ですが、柔らかな食感のこの団子がポイントで、太麺のセンヤイとはまったく違った一品です。
ちなみにジュイグアイですが、ググってみるとヤワラートに専門で扱っている屋台がありました。

クイッティアオロートの由来とは

お2人ともお忙しそうだったんですが、なんとか女性店主にお話を伺うことができました。

「創業して40年ほど。最初は私の母親と姉で始めたんですが、10年ほど前から私が継いで姉と２人でやっているんです」

昔ながらのレシピで作られているというクイッティアオロート。
もともとは客家系の料理だそうで、彼女たちも中華系タイ人だといいます。
駅近で珍しいクイッティアオが味わえるので、変わり種のタイ料理を求めているならおすすめです。