私が棲息しているのはスクンビット界隈ではなく、日本人が極端に少ないラマ3というエリアで、近くにはショッピングセンターの『セントラル ラマ3』があったり、子豚の丸焼き(ムーハン)で知られた食堂『ムーハンソンピーノン』があったりと、生活するに不便なことはない場所です。
住み始めて2年以上経ったこともあり、周辺のローカル食堂はだいたい制覇したと思っていました。
ところが、私の知らない名店がまだまだありました!
コンドミニアムから歩いていける距離に、超レアなローストダックを売るタイ中華のレストランがあったんです。
目次
セントラルラマ3の向かい側にあるタイ中華レストラン『ラムルアイ ポーチャナー』
徒歩だと5分ほどの場所にある『ラムルアイ ポーチャナー』。
『ラムルアイ ポーチャナー』の敷地に入ってみると、一般的な店舗の造りをしていないため、日本人だと一瞬迷うかもしれません。
事前にYouTube撮影をさせてもらいたいとのアポイントを入れていたこともあり、話はスムーズだったんですが、オーナーさんは私とお会いするやいきなりどこかへ連れて行こうとする。
「うちのギターダックを作っている工程を見せてあげるよ」
ここ『ラムルアイ ポーチャナー』は、ローストダックを独自の製法で仕上げ”ギターダック”なる奇妙なネーミングを付けて知られたタイ中華レストランなんです。
見た目がギターに見えることが由来なんだとか。
オーナーさんは私にすぐにでも、そのギターダックを見せたかったんでしょう。
私をすぐさま連れて行ってくれたのは、店舗から数十メートルほどのところにある、ギターダックを仕込んでいる場所です。
仕込み要員であるタイ人スタッフが数名が待機。
オーナーは彼らを見ると早口で指示を出し、スタッフはいそいそとアヒルを取り出し仕込みを始めました。
スタッフたちの顔に”やらされている感”が浮かんでいるのは、きっと撮影のためだけにやってくれているからでしょう。
1人がまずアヒルをさばいていきます。
ある程度さばかれると2番手のスタッフに渡り、彼がアヒルを針金製の型にはめ込んでいく。
それが終わると3番手のスタッフが受け取り、湯煎。
湯煎後、赤いタレをかけて3時間天日干しをして、40分ほどかけてグリルすれば出来上がりです。
感動的な皮パリ感と至極のツケダレ
撮影にたいへん協力的な『ラムルアイ ポーチャナー』のオーナーさんは、調理場もご案内してくれました。
オーナー自身がギターダックを揚げるところなども見せてくれ、サービス精神旺盛!
いざ食べようという時もずっと隣で喋っていて、なかなかYouTube撮影を開始できなかったのはご愛嬌でございます。
ひとしきりお話を聞き終え、オーナーさんが立ち去ったところで実食。
まず皮のパリパリ感に感動!
子豚の丸焼き(ムーハン)や北京ダックのような皮パリ感です。
ムーハンや北京ダックだと、肉の部位を別調理するため皮だけを楽しむものですが、ギターダックはパリっとした皮に肉も付いております。
だもんで、食べ応えがあるわけです。
そして特筆しておきたいのが、ツケダレ。
もうこれが旨いのなんの!
甘めのタレなんですが深みがあり、ギターダックのために生まれてきたような相性の良さ。
なんども味わってみましたが、どういった素材を使っているのかがさっぱり分からない。
再度オーナーさんが私の席に来た際に、このタレに何が入っているのか単刀直入に聞いてみました。
「えーとね、ニンニクとパクチーの根をすり潰して、それらを煮込んで……」
さきほどまで滑らかだった喋り口調が、急にトーンダウン。
さすがにトップシークレットであろうレシピですので、口数が減るのも当然でしょう。
この日はギターダックのほか、クラゲサラダの「メンガプルン ヤムタイ(แมงกะพรุนยำไท)」をいただき、ビールのお供にしました。
団体ならコースメニューがお得です
私のようにこの店へ1人で来店しようという方は少ないでしょう。
1人で来店してもいいんですが、複数人でいろんな料理を味わうほうがより楽しめると思います。
そこでおすすめしたいのが、メニューにも載っているコース料理。
1500バーツのコースで4、5人で十分お腹が膨れるほどの量があるのでかなりお得。
ギターダックだけではなく、ムーハンや北京ダックもありコース料理にこれらを組み合わせることも可能です。
ちなみにギターダックは1羽分で600バーツです。
オーナーが考案したギターダックへの矜持
「ギターダックをやっている店が増えたけど、これは私が考案した料理なんだよ」
そう話してくださったオーナーさん。
彼の遍歴を聞くと、昔事業に失敗してしまい、かなりの借金をして『Ramruay Pochana』を開店。
幾度とローストダックを作ってみて、ギターダックにたどり着いたそうです。
これが大ヒットし、数千万バーツあった借金は数年で返済し終えたというのだから、かなり儲けたんでしょう!
彼が話してくださったように、ギターダックを真似する店も出てきたのだとか。
でも彼は胸を張ってこう言います。
「真似している店よりも、ゼッタイにうちの方が美味しいから」
『ラムルアイ ポーチャナー』はYouTubeでもご覧いただけます
ギダーダックの有名店『ラムルアイ ポーチャナー』は、私のYouTubeチャンネル「NISHIO TRAVEL」でもご覧いただけます。
協力的だったオーナーさんの雰囲気と、ギダーダックを食べる私を動画で楽しんでください!
【SHOP DATA】
「ラムルアイポーチャナー(Ramruay Pochana)」
TEL:022945273
OPEN:11:00-14:00,17:00-22:00(基本無休)