数あるタイ料理の中で、日本人にとって耳慣れた料理名といえば、トムヤムクン、カオマンガイ、グリーンカレー、パッタイ、ソムタムなどでしょう。
これまでトムヤムクンやカオマンガイ、パッタイは特集をしたことがあり、バンコクでおすすめのお店を取り上げています。
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これだけ特集を組んでいろんなタイ料理店を取り上げてきましたが、いまだかつて特集をしたことがない1つがソムタムです!
今回は、これまで扱ってこなかったソムタムをフィーチャーし、バンコクでおさえておきたいソムタムが評判のお店を9店舗紹介します。
目次
- 1 種類が豊富にあるソムタム(ส้มตำ)というタイ料理
- 2 バンコクでおさえておきたいソムタム専門店9店舗
- 3 SOMTUM DER|ソムタムダー @BTSシーロム駅
- 4 Hai Somtum Convent|ハイソムタムコンベント @BTSサラデーン駅
- 5 Baan Somtum|バーンソムタム @BTSスラサック駅
- 6 Somtum Bangkok|ソムタムバンコク @BTSアーリー駅
- 7 Somtam Khun Kan|ソムタムクンガー @BTSウドムスック駅
- 8 Madam Somtum|マダムソムタム @BTSプルンチット駅
- 9 Somtum Mahatun|ソムタムマハトゥン @BTSプルンチット駅
- 10 Somtum Je Dang|ソムタムジェーデーン @MRTサムヤーン駅
- 11 Somtam Jay So|ソムタムジェイソー @BTSサラデーン駅
- 12 ソムタムの奥深き世界
種類が豊富にあるソムタム(ส้มตำ)というタイ料理
ソムタムはイサーン料理(タイ東北部料理)の1つで、もともとはラオスからタイに入ってきたと言われています。
一口にソムタムと言っても素材の数だけ種類があり、30種類を超えるバリエーションがあります。
一般的なソムタムは、刻んだ青パパイヤに干しエビやインゲン、ピーナッツなどを入れ、ナンプラー(魚醤)、唐辛子、マナオ、ニンニク、砂糖などで味付け。
これら素材をクロックと呼ばれる木製のすり鉢に入れ、木の棒で叩いて調理します。
タイへ来たことがある方なら、食堂の店先で女性がソムタムを調理している姿を見たことがあるでしょう。
料理名のソム(ส้ม)は酸っぱいを、タム(ตำ)は叩くという意味なのは、酸味あるソムタムの味と、クロックで叩く作業を表した料理名なんです。
青パパイヤを使った一般的なソムタムは「ソムタムタイ(ส้มตำไทย)」と呼ばれていますが、入れる具材によって名前は変わり、塩漬け卵を入れるとソムタムカイケム(ส้มตำไข่เค็ม)、青パパイヤを使わずとうもろこしならばソムタムカオポート(ส้มตำข้าวโพด)、きゅうりならタムテーン(ตำแตง)といった料理名に変化します。
バンコクでおさえておきたいソムタム専門店9店舗
本記事で紹介するのは、バンコクでソムタムが評判の9店舗です。
基準にしたのは、ソムタムが評判であることだけではなく、店名に「ソムタム」を冠していることも重要視しました。
店名にソムタムを冠している店舗は、ソムタムで勝負していることは明らか。
ソムタムに込めている愛や情熱の度合いを表していると思っています。
紹介する店名の後ろに表記したのは最寄駅です。
駅名からお店を探したい方は参考にしてください。
これまであまりソムタムを食したことのない人もいるでしょうし、一般的なソムタムしか食べたことがない方もいると思います。
ここで紹介する9店舗をバンコクの食べ歩きに加えていただき、いろんなソムタムを味ってみてください。
SOMTUM DER|ソムタムダー @BTSシーロム駅
シーロムに店舗を構えるソムタム専門店。ニューヨークに出店した支店はミシュランで星一つ獲得した実力を持つ名店です。
2017年9月、東京の代々木にも出店し話題になったのは記憶に新しいでしょう。
数あるソムタムの中でオススメしたいのが「Tum Pla Too + Kao Mun」。ココナッツ風味のご飯とソムタムとの組み合わせはここだけしか食べられません!
>>過去に書いたソムタムダーの記事はこちらからご覧ください。
Hai Somtum Convent|ハイソムタムコンベント @BTSサラデーン駅
シーロムのソムタム食堂といえば『ハイソムタムコンベント』でしょう。
1店舗目で取り上げた『SOMTUM DER』より営業年数は圧倒的に長く、シーロム界隈で定番のソムタム屋です。
平日の昼どきはいつも満席で、BTSサラデーン駅から徒歩5分ほどと近いこともあり旅行者でもアクセスしやすい立地。
創業して20年以上という老舗のソムタムをぜひ!
>>過去に書いたハイソムタムコンベントの記事はこちらからご覧ください。
Baan Somtum|バーンソムタム @BTSスラサック駅
「ソムタムの家」という意味を持つ『Baan Somtum』。
店名からしてソムタム推しであることを察することができるこちらのお店は、昼時になると駐車場は満車になり、通りにまで車が溢れるぐらいソムタムを求めてタイ人が来店する繁盛店です。
メニューに揃えるソムタムは約30種!
これだけソムタムが揃っているだけに、私は何度も通いつめ、10種は食べたと思います。
そんな私のお気に入りは、牡蠣入りソムタムのタムホイナンロム。
牡蠣好きにはたまらないソムタムです。
>>動画でも紹介しています。
>>過去に書いたバーンソムタムの記事はこちらからご覧ください。
Somtum Bangkok|ソムタムバンコク @BTSアーリー駅
BTSアーリー駅から徒歩5分ほどの場所にある『Somtum Bangkok』は、1999年に創業したソムタム専門店です。
ベーシックなソムタムももちろん一風変わったソムタムもあり、私が食したのはラートナー ソムタム。
ラートナーとは揚げ麺にあんかけをかけた麺料理のことで、ラートナーソムタムとは、揚げた太麺(センヤイ)を混ぜたソムタムです。
こんなソムタム、他では見たことがないので『Somtum Bangkok』のオリジナルなのかも。
さて、太麺のセンヤイは表面をサクっと揚げて、中はもっちりに仕上げています。
このソムタムと一緒に食べていただきたいのは、メニューに「Somtum Bangkok Special Recipe」と表記されたガイヤーン。
しっかりとした薫りが鶏肉から立ち上り、噛むほどにさらに薫りを楽しめる逸品です!
もう1品おすすめしたいのは、ヤムカノムジーン プラトゥー トート(ยำขนมจีนปลาทูทอด)。
出会ったことのない料理だったので注文してみたら、予想以上に美味しい!
揚げたプラトゥー(アジに似た魚)の身がふりかけられたほどよい酸味のカノムジーンといい、ほくほくの塩焼きプラトゥーといい、絶妙なコンビネーションです。
>>過去に書いたソムタムバンコクの記事はこちらからご覧ください。
Somtam Khun Kan|ソムタムクンガー @BTSウドムスック駅
創業して8年ほどというウドムスックの『ソムタムクンガー』。
最寄のウドムスック駅から近いわけでもないのに、昼も夜も空席が目立たないほど賑わっています。
同店がおすすめするメニューはソムタムプーマー(ส้มตำปูม้า)、ガイヤーン、コームーヤーン、グリーンカレー(ゲーンキアオワーン)。
ソムタムは大きめに削った青パパイヤがシャキシャキ感を演出、プーマーの甘い身にうっとりさせられる一皿です。
そしてガイヤーン。ハーブを使い香り付けしているだけに、独特の風味が薫って旨い!
コームーヤーンはナムチム(タレ)の素晴らしさに脱帽。
お腹に余裕があれば香り高いグリーンカレーもいっちゃってください!
【SHOP DATA】
「ソムタムクンガー(ส้มตำ คุณกัญจณ์)」
TEL:02-397-0770
OPEN:10:00-23:00
ADDRESS:No. 6 Soi Wichairatanit 23 Sukhumvit 101/1 Bangchak Prakhanong
PRICE:ソムタムプーマー120B、ガイヤーン90B(半羽)/180B(一羽)、コームーヤーン100B、グリーンカレー120B
Facebook:@PageSomtumKhunkan
Madam Somtum|マダムソムタム @BTSプルンチット駅
BTSプルンチット駅2番出口を降りたところに建つMahatun Plaza Building。
このビルが建つ敷地内に数軒の飲食店があるんですが、その中にソムタム専門店が2軒も営業しています。
その1つが約2年前にオープンした『Madam Somtum』。
店先にはたくさんの野菜が山積みになり、女性がソムタムを叩いているのですぐに見つけられるでしょう。
テーブルや椅子は木製のもの使い、壁はレンガ造り。
表の喧騒が嘘のように、落ち着いた雰囲気に包まれて食事が楽しめます。
こちらでいただいたのはソムタムプー プラーラ(ส้มตำปูปลาร้า)と、おすすめとして紹介されていたガイトートの2品です。
青パパイヤをざっくりと大きめに切ったソムタムは、独特の薫りがあるプラーラの臭みをあまり感じさせず、慣れない人でも食べやすいでしょう。
ナンプラーで下味をつけ揚げた手羽先揚げもグッド。
メニューはタイ語のほか英語メニューもあるので、タイ語が話せなくても指差しで注文できますよ。
【SHOP DATA】
「マダムソムタム(Madam Somtum)」
TEL:095-963-5745
OPEN:11:00-22:00
ADDRESS:888/14 Mahatun plaza, Phloen Chit Rd, Pathum Wan
PRICE:ソムタムプー プラーラ60B、ガイトート60B
Facebook:@madamsomtum
Somtum Mahatun|ソムタムマハトゥン @BTSプルンチット駅
Mahatun Plaza Buildingの敷地内には、先ほど紹介した『Madam Somtum』のほか『Somtum Mahatun』というソムタム専門店も営業しています。
こちらはローカル色の強い食堂で、客入りは『Madam Somtum』よりも多い印象です。
立地は一等地ながら料理の価格は抑えられ、しかもどの料理も旨いので客入りの多さも頷けます。
まずはソムタムホイドーン(ส้มตําหอยดอง)。ホイドーンとは貝の漬物で、他ソムタム専門店でも出会える機会が少ないソムタムです。
赤に染まったソムタムを見て「めちゃくちゃ辛いだろう!」と思ったのですが、意外とそうでもなく、ほどよくスパイシー。
パパイヤには貝の旨味がしっかりと染み、潮の薫りが食を進めてくれます。
『ソムタムマハトゥン』がソムタムの他におすすめしているのは豚肉を揚げたムートート(หมูทอด)。
これとソムタム、そしてカオニャオがあれば幸せ街道まっしぐらです!
【SHOP DATA】
「ソムタムマハトゥン(ส้มตำมหาทุน)」
TEL:087-815-4040
OPEN:11:00-20:00(月曜日〜金曜日)、11:00-14:00(土曜日)
ADDRESS:888/62 Phloen Chit Rd., Khwaeng Lumphini, Khet Pathum Wan, Krung Thep Maha Nakhon 10330
PRICE:ソムタムホイドーン50B、タップワーン65B、ソムタムタイ50B、ムートート65B
Somtum Je Dang|ソムタムジェーデーン @MRTサムヤーン駅
『ソムタムジェーデーン』の店先で、いつもソムタムを叩いているのは店主のデーンさん。
MRTサムヤーン駅から徒歩5分ほどとチュラロンコン大学に近いこともあり、ランチタイムは学生がたくさん来店、12時を超えると満席が続きます。
さて、こちらで私がおすすめしたいのは、厚切りのコームーヤーンが楽しめるソムタムコームーヤーン(ส้มตำคอหมูย่าง)、ほどよい酸味のスープのトムセープグラドゥークムーオーン(ต้มแซ่บกระดูกหมูอ่อน)。
鶏の唐揚げガイトート(ไก่ทอด)です。
ランチタイムは店内が混み合ううえ、宅配の注文が入り乱れデーンさん大忙しなので、出来ることなら12時から13時は外したほうがいいでしょう。
>>過去に書いたソムタムジェーデーンの記事はこちらからご覧ください。
Somtam Jay So|ソムタムジェイソー @BTSサラデーン駅
シーロムのソムタム店といえば、本特集で取り上げた『SOMTUM DER』や『ハイコンベントソムタム』が広く知られた有名店です。
ところがシーロムにあるのは、この2店舗だけではないんです!
知名度では上記2店舗に負けているかもしれませんが、味は負けちゃーいません。
コンベント通りを300メートルほど南へ下り、Soi Phiphat 2を右折。 そのまままっすぐ進み、通りの右手に立地している『Somtam Jay So』です。
ソムタムプープラーラ(ส้มตำปูปลาร้า)は、ほどよいプラーラの臭みと新鮮な野菜の甘みが調和。
クセになる旨さなんですが、辛さは半端なく、辛さを抑えめにしたいならば事前に伝えておくべきです。
とうもろこし入りソムタムのソムタムカオポートは、フルーツまで使った贅沢な一皿。
そして、ソムタムと共に必ずオーダーしてもらいたいのがガイヤーンです。
『ソムタムジェイソー』のガイヤーンは、手羽先、胸肉、もも肉と、部位によって選べるのが特徴。
どの部位も旨いので毎回部位を選ぶのに時間がかかってしまうのは幸せ過ぎる悩みです。
店先でソムタムを叩いている店主の女性は、いつもご陽気でコミニュケーションが大好きなので、話しかければ喜びますよ!
>>動画でも紹介しています。
>>過去に書いたソムタムジェイソーの記事はこちらからご覧ください。
ソムタムの奥深き世界
バンコクにある無数のタイ食堂の中から、本記事では9店舗を取り上げました。
これら9店舗以外にも、バンコクにはもっともっとたくさんの名店と呼ばれるソムタム屋があり、見たことのない独創的なソムタムもあるに違いありません。
これまでタイ国内で500軒以上を食べ歩いてきましたが、私がまだまだ知らない、見たことのない深遠なるソムタムの世界が広がっていると思います。
奥深きソムタムの世界。
本記事がソムタムの魅力に触れるためのお役に立つことが出来れば、執筆者の私は本望です。
どうかたくさんの美味しいソムタムに出会ってください。