昔々、僕が20代前半の頃だったのでかれこれ30年近くになりますが、神戸の北野坂に雑炊専門店があったのを覚えています。
今だと珍しくもないかもしれないですが、当時は雑炊専門店ってあまり聞いたことがなく新しいジャンルの飲食店でした。
その頃の僕はといえばバンド活動をやっていて、神戸でライブをした後は打ち上げをしてしこたま酒を飲み、そして雑炊の店で締める。
そういった流れがあったので、今でも心の奥に思い出が残っています。
昔話を披露したところで、今回紹介するお店について書き始めましょう。
ヤワラートで長年営んでいる、カオトムの食堂『タンギーフアット』です。
プレーンナーム通りのカオトム専門店「タンギーフアット」
場所はヤワラートのプレーンナーム通り。
ここには老舗の食堂が林立していて、ブログで紹介した店だと『クルアポンラマイ』が有名です。
いろんな店があるので僕もよく歩く通りなんですが、ずっと気になっていた店が『タンギーフアット』。
店構えからして味があり、長年営業してまっせ感が滲み出ている。
店頭に漢字で「鴨粥」「猪肚粥」という文字が掲げられていて、その下にタイ語で「カオトムペット」との表記があるので、カオトムの店だというのは分かっていました。
気になりつつもなぜか毎度横目で見るだけでスルーしていたのですが、先日ようやく来店してみました。
店内にはテーブル席が3つほどしかない小じんまりとした造り。
民放放送がテレビから流れていて、胸がキュンとしちゃいほどの食堂感が漂っています。
優しさあふれるカオトムに癒されました
メニューにあるのは2つだけ。
アヒル肉のカオトムと、豚の胃袋ガポームーのカオトム。
ガポームーが入ったカオトムってのも珍しいですが、ここの推しはアヒルだろうとカオトムペットにいたしました。
運ばれてきたピンクの器を見ると、アヒル肉の他にネギや揚げたニンニクだけが入っているシンプルなカオトム。
優しい味のスープにネギと揚げニンニクの風味が合わさり、渋旨い。
臭みのないアヒル肉は柔らかく、さらさらっといただけます。
がっつり食べたい人には物足らないかもしれないですが、ヤワラートを食べ歩いているならさらりと食べられるのでありがたい。
「うちはここで84年営業しているよ」
創業年数を訊くとそう答えてくれたのは女性スタッフです。
何代にも渡り受け継がれているカオトム。
僕は店を出て外観を眺めると、ヤワラートの奥深さをあらためて感じさせられました。
お店情報
タンギーフアット/ตั้งหงีฮวด
TEL:022216457
OPEN:11:00-22:30(基本無休)