タイ料理について受ける質問で多い1つが「ジョークとカオトムの違いは何ですか?」というものです。
ジョーク(โจ๊ก)は米粉を使い数時間煮込んだ「お粥」で、カオトム(ข้าวต้ม)はダシで煮込むのですが、米粒を残した程度に仕上げるため「雑炊」が近いと答えています。
この2つ、ジャンル的に似ている料理なのですが、圧倒的に人気なのはジョークです。
その理由としてジョークを扱う店の方が多いことと、旅行者が毎日のようにタイ料理を食べていると胃が疲れ、消化に良いお粥が食べやすいこともあるでしょう。
そんなジョーク人気の影となっている感のあるカオトム。
今回は、ジョーク好きのみなさまにもぜひカオトムの魅力を知ってもらいたく、ヤワラートのカオトムが旨い3店舗を取り上げることにしました。
目次
ヤワラートで50年以上!「ヒアメットカオトムグラドゥークムー」
まず1店舗目に紹介するのは『ヒアメットカオトムグラドゥークムー』。
屋台で営業しているこちら、客席は薄暗い路地に並べられていて、ストリートフード感あふれるカオトム専門店です。
店名の「グラドゥークムー」とは豚骨を意味するタイ語で、こちらのカオトムは豚骨のダシが使われています。
骨つきリブが入った熱々のカオトムを一口。
まず鼻腔に届くのは、スープから立ち上るダシの香り。
こりゃ旨いわ。
熱々のカオトムを無我夢中でかき込んでいると汗が額から流れ落ちてきますが、そんなの気にせず食べていたら瞬く間に完食。
店主にお話を聞くと、お父さんの代から営業しており創業して50年以上だと言います。
『ヒアメットカオトムグラドゥークムー』はカオトムの旨さもさることながら、路地に並べられたテーブルで食すという、路上感あふれる雰囲気も個人的に好きな一面です。
【SHOP DATA】
「ヒアメットカオトムグラドゥークムー(เฮียเมธ ข้าวต้มกระดูกหมู)」
TEL:0841248787
OPEN:10:30-21:00(水曜日休み)
67歳の店主が毎日店頭に立つ「カオトムプラージャオガオプレンナムヤワラート」
2店舗目の『カオトムプラージャオガオプレンナムヤワラート』が立地するのはヤワラート通り沿い。
こちらでは白身魚や貝類などを使ったカオトムプラーが味わえる半屋台です。
店頭で調理しているのは、毎日のように見かける白髪の初老の男性。
いつも元気そうだけど何歳なんだろう?
「いま67歳。お店を始めたのは父親で70年以上やってるよ」
話しかけると優しい笑みをたたえ、そう話してくれました。
ここでオーダーしたのは素材全部を入れたカオトムプラー。
入っているのは白身魚や牡蠣、イカ、エビと豪華な一杯。
スープはゆっくりと時間をかけて作ったのでしょう。
優しく、柔らかな風味で、豚骨ベースのカオトムとはまた違った味わいが楽しめます。
この店でもう1点特筆したいのは、卓上にあるタオチオを使ったタレ。
タオチオとは大豆調味料のことで、カオマンガイのタレなどにも使われる中華調味料です。
このタレが旨いのなんの!
カオトムにたっぷり入れて召し上がってみてください。
【SHOP DATA】
「カオトムプラージャオガオプレンナムヤワラート(ข้าวต้มปลาเจ้าเก่าแปลงนาม เยาวราช)」
TEL:0876812829
OPEN:15:30-22:00
夫婦で営み続けて48年「ラーンカオトムグラドゥークムー」
最後に紹介するのはMRTワットマンゴン駅近くにある『ラーンカオトムグラドゥークムー』。
2番出口から数十メートルほどと立地抜群で、歩道にテーブルを並べている屋台のカオトム専門店です。
こちらはご夫婦で営んでおり、話を聞くと48年のやっているのだとか。
1軒目で紹介した『ヒアメットカオトムグラドゥークムー』と同じく豚骨のカオトムで、店主の眼下にある鍋で煮込まれています。
メニューはシンプルでカオトムの普通盛りと大盛り、そして卵入を入れるか否かをチョイス。
僕は当然、卵入りをオーダーしました。
火の通っていない卵を、カオトムの中でゆっくりと割るのが至福のひととき!
ジャルンクルン通りの喧騒と、極上の一杯。
たまらなく贅沢です。
【SHOP DATA】
「ラーンカオトムグラドゥークムー(ร้านข้าวต้มกระดูกหมู)」
TEL:0896820016
OPEN:18:00-22:00(日月休み)
ヤワラートにはまだまだ旨いカオトムの名店があります!
実はもっと他にも紹介したい店があったのですが、現在コロナの影響により店内飲食を自粛している店が少なくありません。
そういったことから、本特集では3店舗に絞りました。
コロナが落ち着いたら、ヤワラートにあるカオトムの名店をもっともっと紹介していきます。
今回取り上げた3店舗は僕のYouTubeチャンネル「NISHIO TRAVEL」にて動画でも紹介しました。
こちらもご覧になり、お店の雰囲気をさらに感じてください。