※本文は2017年の取材・訪問時の記録です。料理・価格・店内の様子や店主の話は当時のものです。現在の営業情報は各店舗の表をご覧ください。
私が現在棲息しているのは、中華街ヤワラーから南に伸びているジャルンクルン通り。
チャオプラヤー川がすぐそばを流れていることから、洪水が発生したら濁流にのまれお陀仏となるヒヤヒヤ感はありますが、古くからの旨い店がそこかしこにあるので、食の面ではたいそう満足しています。
ジャルンクルン通りに越してきたのはおよそ3年前。
それまではMRTラマ9世駅の近く、ラチャダー・ソイ3という場所で根を張っていました。
この界隈も屋台飯や食堂が多く、タイへ移住してきたばかりだった私は、そういった店で食事をすることがほとんど。
ソイ3に棲息していたころに、屋台飯やら食堂飯の魅力にハマる素地ができたのでしょう。
屋台や食堂以外で、ときどきお世話になっていたのが電脳タウンとして知られる『Fortune Town』でした。
Fortune Townへの行き方
MRTラマ9世駅のそばに建ち、最寄りの出口は1番出口。
エスカレーターを上がり地上へ出たところで反対側に進むと入り口が見えてきます。
| 店名 | フォーチューンタウン/ฟอร์จูนทาวน์ |
|---|---|
| 営業時間 | 10:00〜22:00(施設の営業時間。各飲食店は異なる) |
| 定休日 | なし(施設公式案内では毎日営業) |
| Googleマップ | Googleマップで場所を見る |
1階の飲食店に惑わされず地下へ潜るべし!
『Fortune Town』は電脳モールとしても優れていて、観光客の収入源をお目当てにしているパンティッププラザよりも比較的安い。
PCの修理なども、もっぱら『Fortune Town』です。
ちなみに、PC修理でおすすめなのは3階にある『Eazy Link』。
外国人だからといってボッタくることもないし、腕も確か。
ただ、英語がほとんど通じないのでタイ語での対応になりますが。
電脳タウンとして優れている『Fortune Town』、実はグルメタウンとしても舌を満足させてくれるモールなんです。
1階を入るとさっそく飲食店たちが出迎えてくれます。
ファストフード店の他、数々のタイ飯がラインナップするフードコートもあります。
近所に住んでいた当時、私はこのフードコートを頻繁に利用しておりました。
そうやって半年ほど経過したころ、『Fortune Town』のお食事処は1階だけではなく、地下にグルメタウンがあることに気付きました。
過ぎ去った時間を取り戻すことなどできるはずもなく、それからというもの私は『Fortune Town』のフードコートに通うことは一切なく、食事はもっぱら地下街のみです。
地下にはタイスキの『MK』や、日本食レストラン『やよい軒』といった大手飲食チェーン店も並んでいます。
それらはスルーして、まず取り上げたいのは、『やよい軒』の左隣にあるクイッティアオ屋です。
ランチタイムは行列必至!『クイッティアオ ルーア クンハーン』
昼どき、とある店の前には多勢無勢のタイ人が結集。
暴動でも勃発したのかと思わせる大群が押し寄せるこの店こそ、地下グルメ街でもっとも有名であろう『クイッティアオ ルーア クンハーン』です。
イチバンの人気メニューはクイッティアオ・ナムトック。
過半数のタイ人がオーダーする人気メニューも当然ながら旨いのですが、私が敢えて推したいのは日本人が大好きなカオソーイです。
丼の頂上を牛耳る揚げ麺をかき分けるとトッピングの鶏肉、スープは甘めかつほんのりスパイシーで、中には平らな小麦麺が潜んでいます。
もう1品、カオソーイの相棒として選んだのは豚肉の串焼きムーサテ。
カオソーイとムーサテが同じテーブルで顔を合わせるのは、非常に珍しい。
異種格闘技戦にも映る両者をいただきながら、私は次なるターゲットをどの店にしようかと企てていたのです。
| 店名 | クイッティアオ ルーア クンハーン/ก๋วยเตี๋ยวเรือขึ้นห้าง(フォーチューンタウン店) |
|---|---|
| 営業時間 | 10:30〜20:00 |
| 定休日 | なし(祝日等は変更の可能性あり) |
| Googleマップ | Googleマップで店名・施設名を検索 |
1983年創業のカオマンガイ屋『OK-BETONG』
とあるタイ人に
「『Fortune Town』で有名なタイ飯屋はどこ?」
と聞いたところ、この店を紹介されました。
1983年に創業した『OK-BETONG』というカオマンガイ屋です。
店名のBETONGは、タイ南部ヤラー県にあるベートン郡を指しています。
ヤラー県ベートン郡マップ
壁に掲げられた地図にはベートン郡の場所が示されているだけに、かなりベートン郡推しであることがうかがえる。
どういった理由からベートン郡を店名に冠したのかは、カオマンガイを食してから聞いてみましょう。
ノーマルのカオマンガイのほか、苦瓜のスープにもお越しいただきました。
まず鶏肉。
一般的なカオマンガイに比べほどよい弾力がある。
これは間違いなくガイバーンと呼ばれる地鶏を使っているからでしょう。
ガイバーンのカオマンガイを提供しているとは、30年以上も営んでいるだけのことはある。
食後、ベートン郡との関係やカオマンガイのことを聞きたく、スタッフに店主の所在を伺いました。
「オーナーはお店には来てないです」
ざっと見渡したところ、不在であろうことは分かってました。
では、何時ごろに来店するの?
「お店には一切来ないです。サトーンにある自宅にいます」
結局私は、ベートン郡との関連性を明らかにすることができぬまま、『OK-BETONG』を後にしました。
| 店名 | OK-BETONG/โอเคเบตง(フォーチューンタウン店) |
|---|---|
| 営業時間 | 10:00〜20:00(同名のヤラー県の観光施設とは別) |
| 定休日 | なし(祝日等は変更の可能性あり) |
| Googleマップ | Googleマップで場所を見る |
カオマンガイ45バーツ、苦瓜スープ45バーツ(2017年の訪問時)。
同じフロアに支店があった!?『BETONG』
小洒落たレストランだこと!
外観を一瞥し、そのような印象を受けたわけですが、どうも気になるので入店してみました。
ひょっとしたら旨いんじゃないかという、期待にも近い第六感です。
小洒落たレストランに入ると、いつもながら若干緊張してしまうのは、下町育ちが起因しているのは重々承知しております。
メニューを開き目に飛び込んできたのは、カオマンガイ。
『OK BETONG』から立て続けにカオマンガイっすか!
厳密に言うとカオマンガイではなく、ここのカオマンガイはシンガポールチキンライスです。
鶏肉は別皿に盛られ、醤油ベースのタレがかけられており、付けダレもカオマンガイのものとは違います。
女性スタッフに話を伺いました。
彼女の口からは驚くべき事実が!
「ここのお店は同じフロアにあるカオマンガイ屋『OK BETONG』の姉妹店なんです」
同じフロアに支店を出店するとは、思い切った経営手腕。
ちなみに『BETONG』ではカオマンガイだけではなく、興味深いメニューもあったので、ぜひお試しあれ!
| 店名 | BETONG/เบตง(フォーチューンタウンG階030〜032の紹介店舗) |
|---|---|
| 営業時間 | 現在の営業状況・営業時間は未確認 |
| 定休日 | 未確認 |
| Googleマップ | Googleマップで店名・施設名を検索 |
施設公式案内には10:00〜21:00と掲載されていますが、Googleマップには「ข้าวมันไก่เบตง สาขาฟอร์จูนทาวเวอร์」という類似名店の閉業表示もあり、本文のBETONGと同じ店舗かを確認できませんでした。訪問前に施設・店舗へご確認ください。カオマンガイ パソム87バーツ(2017年の訪問時)。
土鍋入りのガパオライスは必食!『Baan Mohdin』
地下街の取材を始めてから、私のアンテナにぐいぐいと電波を送り続けていたお店を紹介しましょう。
『Baan Mohdin(バーン モーディン)』
Baan=家、Mohdin=土鍋
両者を相交ると「土鍋の家」となるわけですが、店舗が土鍋製というわけではけっしてなく、土鍋料理を主戦力としたお店になります。
私には自論がございます。
「土鍋に入った料理は3割増しで旨く見える」
という、実に画期的な論です。
嘘だと思うなら、なんでも土鍋に入れてみたところをイメージすればよろしい。
ラーメン、おでん、牛丼、麻婆豆腐、カレーライス、焼きそば、いぶりがっこ、などなど。
美味しそうな絵しか浮かんで来ないでしょ!?
押し付けがましく自論を展開したところで、メニューです。
タイ料理で土鍋に入れたいナンバーワンはこれでしょう。
ガパオ!
私は目玉焼き乗せの豚肉ガパオ(パッ ガパオ ムー カイダーオ)を注文したのですが、目玉焼きは上に乗せることなく別皿。
蓋を開けるとサッと揚げられたバジル、豚のミンチがご飯の上に敷き詰められ、土鍋の中に一つの世界が完成されています。
さきほど書き忘れていましたが、土鍋料理って蓋を開ける瞬間に第一回目の喜びを味わえるのが嬉しいですよね!?
「蓋を開ける瞬間に喜びがやってくる」
という私の自論を写真で証明してみましょうか?
蓋が閉じられた状態で置かれると、中が判別できず、まず感じるのは不安感でしょう。
「ひょっとしたら店員がミスして、蓋を開けたらすき焼きが入っているかもしれない」
といった不安感です。
では写真で見てみましょう。
どうです?喜びがお分かりいただけたのではないでしょうか!
ふたたび自論を押し付けがましく展開したところで2品目にいきましょう。
上の写真はクイッティアオです。
太麺センヤイを使ったクイッティアオで、ひき肉のあんかけがかかった一品です。
生卵のトッピングがどれほど人を惹きつけるのか、この一皿で改めて理解しました。
| 店名 | バーン モーディン/บ้านหม้อดิน(フォーチューンタウン店) |
|---|---|
| 営業時間 | 現在の営業状況・営業時間は未確認 |
| 定休日 | 未確認 |
| Googleマップ | Googleマップで店名・施設名を検索 |
土鍋入りガパオ ムー79バーツ、土鍋入りクイッティアオ センヤイ89バーツ(2017年の訪問時)。
【閉店】こだわりの豚肉や牛肉を使った『ターロン』
最後にご登場いただくのは、冒頭で紹介した『クイッティアオ ルーア クンハーン』のすぐそばにある『ターロン』です。
通路側が全面ガラス張りになっていて、店内の様子が伺えるのですが、客数が多かったのと、みなさんが食している料理に惹かれたことが取材の決定打。
私の勘はどうやら間違っていなかったようです。
オーダーしたのはガオラオ ムーとカオナーガイです。
ガオラオとは「麺のないクイッティアオ」と表現されることが多く、具材たっぷりのスープといえばいいでしょうか。
カオナーガイは鶏肉入りのタレをご飯にぶっかけた一皿。
とろみのあるタレは酸味や辛さはなく、タイ飯屋でも見かけることが少ない料理です。
ガオラオを一口食べて驚いたのは豚肉の柔らかさ。
上品な豚肉を使ってる。
ほんのり甘いタレのカオナーガイも、鶏肉がほろりと崩れる柔らかさまで煮込まれていて、自身の顔面もほろり。
「豚肉は黒豚を使っているんです」
私の取材に応じてくれたのは、偶然お店に居合わせたオーナーのターロンさん。
店名は彼の名前が由来です。
フォーチューンタウンにオープンしたのは約6年ほど前で、他に3店舗、合計4店舗を展開していると言います。
お話を伺うとこだわりの料理ばかりを揃え、大手日系企業の社長もときおり来店しているとのこと。
「うちは牛肉にもこだわっているんです。ぜひ食べてみてください」
私にそう言うと、ターロンさんは厨房へ行きしばらくするとお皿を手に持って戻ってきました。
皿には、サシが入った美しい牛肉が!
これを見せてくれたあと、出汁でさっと湯がいたものを試食させてくれました。
噛む必要がありませんよ!
旨くないはずがありませんよ!
今回の来店時にはいただけませんでしたが、この牛肉や黒豚を使った鍋もあります。
この鍋もぜひ食べてみたい!
| 店名 | 【閉店】ターロン/ต้าหลง(フォーチューンタウン店) |
|---|---|
| 営業時間 | 閉店 |
| 定休日 | 閉店 |
| Googleマップ | Googleマップで旧店舗の場所を見る |
カオナーガイ+ガオラオ ムーのセット160バーツ(2017年の訪問時)。
電脳タウンとして知られたフォーチューンタウンですが、違った側面があることもお分かりいただけたと思います。
私はこの場で提案しましょう。
「フォーチューンタウンはグルメタウンでもある!」
たいしたキャッチコピーでもないですが、この辺りで締めさせていただきます。
※2026年10月13日確認





























