日曜日の朝。
ルンピニ公園を12kmほどジョギングし、ほどよく汗をかいたら、猛烈な空腹感に見舞われ腹部から「ギューギュー」と動物のような鳴き声が聞こえてきました。
通常は朝食を食べないのですが、このまま猛烈な空腹感を抱えたまま日曜日を過ごすのはモッタイない。
どこで朝ご飯をいただこうかと思案したら、拙宅の近辺で来店したことがない店がなくなっていることに気付きました。
いや、せっかく朝ご飯を食べるならブログの記事に出来る店がいいなと思っただけで、記事を意識しなければどこでもいいんですが。
中華街ヤワラーで偶然出合ったクイッティアオ屋
空は快晴。
せっかくなら少し足を延ばそうと、ヤワラーへ繰り出しました。
日曜日の朝8時だけに、ヤワラー通りはガラガラ。
ほとんど車が走っていないヤワラー通りをバイクで駆け抜けると、風が気持ちいい。
と、ヤワラー通りを走っていたんですが、いまいちピンと来る店がない(または開店していないのか)ので、ソイ・ジャルンクルン12(Soi Charoen Krung 12)という細道を右折。
とろとろと走っていると、右手に見えたのはとはるクイッティアオ屋。
外観からは積み重ねて来た年月が感じられ、店内にはカゴに入れられたたくさんのルークチン プラー(魚の練り物)が積み上げられています。
間違いなく旨い店!
「激旨!タイ食堂」を始めておよそ9ヵ月が経ち、私の直感もかなり鍛えられているはず。
何の前情報も持たないままバイクを降り、店内の一席に腰を下ろしました。
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5種それぞれに個性を持つルークチン プラー
店内にいた先客は2名。
席へ着くまでに彼らの丼の中は確認済みです。
クイッティアオのセンヤイ(太麺)とセンレック(中麺)でした。
どちらもスープ有り。
近所の常連客っぽいので、彼らのオーダーしている品に間違いはなさそう。
私が選んだのはセンレックのスープ有りです。
まず驚いたのがスープの透明感。
これほど澄んだクイッティアオのスープは珍しい。
タイ人なら色んな調味料を混合して自分好みに仕上げるでしょうが、私はあっさりと透き通った味わいのスープをそのままいただきます。
クイッティアオとはいえもっとも存在感を誇示しているのは、店内にも所狭しと積み上げられているルークチン プラー。
5種類、6つのルークチン プラーが丼に配置されたクイッティアオは、主役はもはや麺やスープではなくルークチン プラーといっていいでしょう。
どれも噛むほどに魚の味わいが広がり、いままで食べたルークチン プラーの中でも最高峰!
1つ1つに個性があり異なった食感や味が楽しめるのも、伝えておきたい点です。
ヤワラーで創業し60年
味わいながらゆっくりと食べてはいたものの、いつかは食べ終わるわけで、私が注文した丼の中には麺一本も残っていない状況となってしまいました。
もう一杯食べたい……。
2杯目に選んだのはバミー(中華麺)の汁なしです。
決断は早かった。
こちらもバミー麺はあくまでも脇役で、主役はルークチン プラー。
魚の旨みが凝縮されたすり身は、2杯のクイッティアオをいとも簡単に完食させる威力です。
「うちの父親がこの店を始めたんだ。ヤワラーでお店を始めてからもう60年以上になるよ」
父親の跡を継ぎ二代目となったのは息子のトーさん。
自家製のルークチン プラーは奥の調理場で毎日作っていると言います。
この日はすべて作り終えたようで、撮影時は清掃作業を始めていました。
50年もの歳月で昇華された職人魂
上半身裸で清掃しているこの男性こそ、『ペーティアン』の大黒柱を作っているご本人です。
「15歳からこの仕事をやっているからもう50年になるね。50年前はクイッティアオ1杯が3バーツだったのに、いまは45バーツ。高くなったね」
笑顔で話すこちらの男性、御年65歳とは思えない肉体!
毎日朝の3時からルークチン プラーを作り始め、開店時間の午前8時に終了すると言います。
「最高峰」と私が称したルークチン プラーは、50年間ひたすらルークチン プラーをここで作り続けた職人魂の味だったのでしょう。
【SHOP DATA】
「ペーティアン(แปะเตียง)」
TEL:02-224-3614
OPEN:8:00-17:00(ソンクラーン、新年は休み)
ADDRESS:21-25, state maintenance, Samphanthawong, Bangkok 10100.
PRICE:クイッティアオ(並)45B、(大)55B、ルークチン プラー70B〜