タイ南部、ハジャイ(ハートヤイ)。
この街を訪れたら、どうしても再訪したい一軒がありました。
それが『カオマンガイ ムイキーオーチャー(ข้าวมันไก่ มุ่ยกี่โอชา)』です。
私が初めてこの店を訪れたのは2018年のこと。
当時は初老のご夫婦が切り盛りされており、「創業30年になるよ」と笑顔で話してくれたのが印象的でした。
その時の感動は以前の記事でも紹介しましたが、あの味が忘れられず、今回8年ぶりに暖簾をくぐることになりました。
変わらぬ職人の手つきと、パッタルン産地鶏の深いコク
8年という歳月を経て訪れた店内は、以前とまったく変わらない穏やかな空気が流れていました。
ただ一つ、当時横で支えていた奥様の姿がないことを除いては。



店主は今、一人で黙々と鶏を捌いています。
奥様がいらっしゃらない理由はあえて聞きませんでしたが、その背中からは職人としての矜持が伝わってきます。
運ばれてきたのは、前回同様、鶏肉とご飯が別々に盛られたスタイル。
パッタルン県から仕入れているという地鶏は、見事な包丁さばきで美しく並べられています。


一口頬張れば、地鶏ならではの力強い弾力。
噛み締めるほどに肉本来の濃厚な旨みが口いっぱいに広がります。

この鶏肉のポテンシャルを最大限に引き出すのが、自家製のナムチム(タレ)です。
酸味は角が取れてまろやか、辛さも控えめで実に優しい味わい。

このタレこそが、カオマンガイをさらなる高みへと昇華させているといっても過言ではありません。
開店直後だったこともあり、ご飯は炊き立てのツヤツヤ。
鶏肉、ナムチム、ご飯。そのすべてが完璧な三位一体を成す、まさに絶品の一皿です。

80歳を超えてなお現役。ハジャイの華僑文化が育んだ名店
前回の取材で「創業33年」と仰っていたので、店はすでに40年以上の歴史を刻んでいるはずです。
店主の年齢も80歳を超えたとのことですが、包丁を握るその手つきに衰えは微塵も感じられません。

ハジャイのカオマンガイがこれほどまでにレベルが高いのは、やはりマレーシアから渡ってきた華僑文化が根付いているからでしょう。
彼もまた、その伝統を受け継ぎ、守り続けてきた一人なのかもしれません。
80歳を超えた名匠が作り出す、ハジャイ屈指のカオマンガイ。
いつまでも残ってほしい、至宝の味です。
| 店名 | カオマンガイムイキーオーチャー(ข้าวมันไก่ มุ่ยกี่โอชา) |
| 営業時間 | 08:00-14:00 |
| 定休日 | 月曜日 |
| Googleマップ | https://maps.app.goo.gl/7bitgSxBofZhw4UY9 |




