タイ北部に属している県は、広く知られているチェンマイ県やチェンライ県を含めぜんぶで17県。
それらの中で知名度がかなり低い部類に入るのがピチット県でしょう。
タイに12年も住んでいる私でさえも訪れたことがない県でした。
そんなマイナーな県であるピチット県の場所をまず確認していきます。
タイ北部でも南に位置し、面積は17県の中でもっとも狭い。
タイ全土で見ると県面積の広さは46番目で、平均よりも若干狭い部類に属しています。
ピチット県について調べてみたところ、これといった観光資源はなく、唯一といっていい名物は【ワニ】。
タイ政府観光庁のWebサイトには、「ワニの町としても有名」とあり、クロコダイルファームが人気だそうです。
クロコダイルファームはバンコク近隣にいくつもあるので、わざわざピチット県に来てまでワニを見に行くのは、よっぽどのワニ好きなのか。
その他に見どころはないものかと探した結果、見応えのある寺院を2つ見つけました。
その寺院は本記事の最後で紹介するとして、メインはピチット県の地元グルメです。
日本語で検索してもほとんど探し得ることができない、ピチット県のグルメ情報。
私が食べ巡った4店舗を紹介いたします。
目次
ピチット県地元グルメ①|川魚料理が豊富【ルンウェーン プラーメナーム】
ピチット県市街地の中心部を流れているナーン川。
この川はウッタラディット県を源流とし、ナコーンサワン県まで流れてピン川と合流してチャオプラヤー川となり、バンコクまで悠々と流れていきます。
"母なる川"の元となる川だけに魚は豊富で、ピチット県には川魚を使った店がいつくかあり、そのひとつが『ルンウェーン プラーメナーム』です。
ウェーンおじさんという意味を持つ店名のこちら、いろんな川魚を使った料理が揃っていて、見たことのない名前の川魚がいくつかあったので興味津々!
まずはお店が推すトートマンプラー。
プラーグライ(ปลากราย)という魚をすり身にして揚げています。
プラーグライのトートマンプラーなんてのは、バンコクではあまり食べられない一品。
川魚料理をメインにしているウェーンおじさんの店だけに、トートマンプラーのぷりっとした食感は流石の仕上がり。
揚げ具合も絶妙なため、油っぽさも感じさせず、推すだけのことはあるトートマンプラーです。
次なる料理で食すことにしたのは、プラーゴッドカン(ปลากดคัง)という魚を使った料理。
ナマズの一種のようで、これをたっぷり使ってヤムにした一品です。
脂が乗っていてぷりぷりっとした食感で、さっぱりとしたヤムの味付けに合うね。
ウェーンおじさんの店では、カオパットにも川魚を使う徹底ぶり!
ビールを注文するとご飯ものは食べない私ですが、これは気になったので注文いたしました。
大きな切り身の魚を豪快に使ったカオパット。
ご飯ものとはいえこれだけ魚を贅沢に使っていると、白ご飯が欲しくなってくるというジレンマ!
これまた魚料理。
揚げた魚を黒胡椒などで炒めた料理です。
魚の食感も良く、味付けもイイ。
どれもこれも、素晴らしい魚料理の数々でした。
『ルンウェーン プラーメナーム』の全メニューは、以下の記事で掲載しましたので参考にしてください。
店名 | ルンウェーン プラーメナーム/ร้าน ลุงแว่นปลาแม่น้ำ |
営業時間 | 09:00-21:00 |
定休日 | 基本無休 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/jUj1ZWEVhFJ6P7PA6 |
ピチット県地元グルメ②|6種盛りカオマンガイの【カオマンガイ バラエティー ピチット】
まだ薄暗い午前6時のピチット県。
人通りも少ない中、煌々と明かりをつけて営業しているカオマンガイ屋がありました。
店名は『カオマンガイ バラエティー ピチット』。
バラエティーなんていう単語を冠しているのは、どういった意味があるのか…。
店内へ入り壁に貼られたメニューを見て納得いたしました。
大きなシルバーのトレーに、蒸し鶏や揚げ鶏のほか、4種の具材がトッピング。
つまり「バラエティーに富んだカオマンガイ」ということだったんです!
蒸し鶏(ガイトム)と揚げ鶏(ガイトート)のほかは、揚げた鶏肉を酸っぱ辛く仕上げたガイセープ、豚をカリカリに揚げたムーグローブ、チャーシューのムーデーン、中華ソーセージのクンチアンがトッピング。
さらに特筆したいのは、この店では3種のスープが食べ放題(飲み放題?)でいただけます。
スープは普通のスープとマナオドンを使った酸味のあるスープ、そしてトムヤムスープ。
これだけのボリュームを誇りながら、価格はなんと59バーツ!
ピチット県の豪華カオマンガイは、味だけではなくコスパも素晴らしい一皿でした。
店名 | カオマンガイ バラエティー ピチット/ร้านข้าวมันไก่วาไรตี้ พิจิตร |
営業時間 | 06:00-14:00 |
定休日 | 日曜日 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/P2Yv4DFWrH8dRN6V6 |
ピチット県地元グルメ③|生肉の北ラープが揃う【ダッププロム ラープヌア】
ピチット県はタイ北部でも南に位置しているため、北タイ料理専門店がかなり少ない。
そんなピチット県で見つけたのが、北タイラープを揃える食堂を見つることができました。
北タイラープという意味のタイ語ラープヌアを冠した『ダッププロム ラープヌア(ร้านดาบพรหมลาบเหนือ)』です。
半店舗、半家屋といった店の造りで、お客さん同士が談笑している地元密着型。
私のような外国人が来店することもないためか、着席するや女性店主が飛んできました。
「うちはラープがおすすめなのよ」
愛想の良さがふんだんに出ていてイイ感じ。
ラープは注文するとして、せっかくだからよく分からない料理も注文してみよう。
そうして選んだのは3品でした。
まずはラープから。
生の牛肉やセンマイをラープにしています。
見た目からやばそうですが、一口いただくだけで新鮮な牛肉だと分かるほど。
これぞ北タイラープです。
聞いたことのなかった料理名を伝えたところ、こちらが運ばれてきました。
ラープヌアディップとまったく同じように見えるんですが…。
「ラープヌアディップは血が滴っていないけど、こっちは血がお皿の底にたまってるでしょ。それが違いよ」
女性店主が丁寧に教えてくれた通り、たしかにサードゥックのほうが血が多い。
血が好きな人はこちらを選んでください…。
当初、ゲーンクアヘンムーという料理を注文したのですが、店主から
「それは量が多いから一人じゃ食べられないわよ。ゲーンケームーがいいわよ」
と言われので、ゲーンケームーにしました。
これも聞いたことのない料理名だったので、出てくるまでどのような料理なのかがまったく分かっていませんでした。
いろんな葉を使ったスープ料理で、いただくとイサーンのスープ料理「オム」に似ている。
使っている食材や調味料、調理方法などはかなり似ていると思います。
【ダッププロム ラープヌア】の全メニューです
タイ語しかありませんので、カタカナ併記した全メニューを書き出しました。
プラーラークという聞いたことのない魚を使った「プラーラーク クルアントートガティアム(ปลารากกล้วยทอดกระเทียม)」が気になるなぁ!
ラープムー/ลาบหมู
ブラームー/พล่าหมู
ラープトート/ลาบทอด
ルールアット/หลู้เลือด
ラープヌア/ลาบเนื้อ
サードゥク(ヌア)/ส้าดึก (เนื้อ)
ゲーンケームー/แกงแคหมู
ゲーンケーガイ ゴップ/แกงแคไก่ กบ
ゲーンフアプリー/แกงหัวปลี
ゲーンクアヘンムー/แกงคั่วแห้งหมู
ゲーンクアヘンガイ ゴップ ホイ/แกงคั่วแห้งไก่ กบ หอย
ゲーンホ/แกงโฮ๊ะ
ゲーンパープラーゴッド/แกงป่าปลากด
トムセープシークローンムー/ต้มแซ่บซี่โครงหมู
トムヤムガイバーン/ต้มยำไก่บ้าน
トムヤムプラーメナーム/ต้มยำปลาแม่น้ำ
パットキーマオゴップ/ผัดขี้เมากบ
プラーラーク クルアントートガティアム/ปลารากกล้วยทอดกระเทียม
プラーコッドトートガティアム/ปลากดทอดกระเทียม
サイトート/ไส้ทอด
シークローンムートート/ซ๊่โครงหมูทอด
ゴップトート/กบทอด
ヌアトート/เนื้อทอด
シークローンクアクリンク/ซี่โครงคั่วกลิ้ง
カイチアオムーサップ/ไข่เจียวหมูสับ
スップパーカーガイ/ซุปเปอร์ขาไก่
ビールレーオ/เบียร์ลีโอ
ビールチャーン/เบียร์ช้าง
コーラー/โค้ก
ナムプラオ/น้ำเปล่า
ソーダ/โซดา
ナムケン/น้ำแข็ง
ラオ/เหล้า
店名 | ダッププロム ラープヌア/ร้านดาบพรหมลาบเหนือ |
営業時間 | 09:00-21:00 |
定休日 | 基本無休 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/53z7y49VxLa6Vbj1A |
ピチット県地元グルメ④|ワンロット市場内の麺食堂【クイッティアオジェーワン ワンクロット】
最後に訪れたのは、市街地から車で10分ほど南へくだったワンロット市場。
タイ国鉄ワンロット駅の前に、古くからの街並みが広がる市場です。
いくつか店舗がある中、来店してかったのはクイッティアオ屋でした。
ここのバミー麺が食べたいがために、市街地から車でわざわざ来たんです。
スープ無しにしてもらったバミー麺。
ムーデーンがトップングされ、タレがかかっているので味付けする必要無し。
しっかり攪拌してずるずるっと。
まず麺そのものが旨いなぁ!
甘めのタレも麺に絡んでこれもいい。
古き良きタイの雰囲気が残るワンロット市場と旨いバミー麺。
ピチット県は観光するところがないなんて冒頭で書いちゃいましたが、ワンロット市場の味ある雰囲気はおすすめです。
店名 | クイッティアオジェーワン ワンクロット/ร้านก๋วยเตี๋ยวเจ๊ลั้ง วังกรด |
営業時間 | 07:00-15:30 |
定休日 | 基本無休 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/Yq9Bck4ZeRNt24FR6 |
ピチット県の見どころ
ピチット県には、外国人がバンコクからわざわざ来たいと思わせる観光名所はないものの、素晴らしい寺院などはあるので紹介しましょう。
まずは「ワット カオループチャーン(วัดเขารูปช้าง)」。
市街地から20kmほど南にある寺院で、丘の上に建つ仏塔は見事。
階段を上がっていけば、パノラマの景色も楽しめます。
続いては、市街地から西へ約35kmにある「ワット マイ プライ フーアイ(วัดใหม่ปลายห้วย)」。
巨大な仏像や猿の像をはじめ地獄寺もあり、見応えたっぷりの寺院です。
日本人どころか外国人旅行者を見ることはほとんどないピチット県。
どっぷりとタイの地方を感じたいならおすすめの県です。