もう１つの『カオソーイチェンマイ』！？　創業50年以上の北タイ食堂

2024年7月：『カオソーイチェンマイ』の全メニューを更新しました。

いまさらカオソーイがどういった料理なのか説明する必要はないかもしれませんが、カオソーイとはココナッツミルクを加えたカレー風味のスープに、小麦麺を使った北タイ料理です。
バンコクでカオソーイを扱っている有名店といえば、『カオソーイチェンマイ』ではないかと思っています。

MRTやBTSといった駅から近いわけではないですが、旅行者をはじめ在住日本人も多く通い、日本人常連客が作ったといわれる日本語メニューまである、珍しいローカル食堂です。
私が旅行者をアテンドする際、「カオソーイが食べたい」というリクエストがあれば、『カオソーイチェンマイ』にお連れするのがほとんど。

カオマンガイで例えると
「まずは『ピンクのカオマンガイ』で食っとかにゃいかん」
といった感じでしょうか。

バンコクに２店舗あった『カオソーイチェンマイ』！

”ピンクのカオマンガイ”とまで例えた『カオソーイチェンマイ』。
私の中ではそれほどの立ち位置なのですが、最近になって知ったのはバンコクに『カオソーイチェンマイ』という名の店は、他にもう1店舗あり、しかもそちらの方が創業年数が古いという事実です！

料理名+出身地名という店名構成は、日本語名で例えるなら『博多とんこつ』や『大阪たこ焼き』といった店名と同じ感覚でしょう。
誰しもが思いつく安直な店名でありつつ、しかもタイの食堂で商標登録なんていう意識は皆無でしょうから、同店名があっても不思議ではないのかもしれません。

今回紹介する『カオソーイチェンマイ』は別店とはかけ離れた、ドゥシット公園の近くで営業しています。
Sukhothai 5という通りを10メートルほど入った右手です。

店内に並ぶテーブルはわずか3席。
小規模な食堂にはスタッフが誰一人としておらず、午前10時に来店したためか客もいない。
「すいませーん、すいませーん」と2回ほど叫んだら、慌てて初老の女性が登場した次第です。
別店の『カオソーイチェンマイ』には、ご丁寧に日本語メニューもありますが、こちらの『カオソーイチェンマイ』にはタイ語メニューしかござらん。
まずは鶏肉のカオソーイ。

カオソーイ ノンガイ／ข้าวซอยน่องไก่

昨今、カフェなどで提供されるカオソーイは濃厚なスープが目立っていますが、同店のスープはなめらかで、それでいてしっかり存在感を示してる。
北タイのおふくろの味っていうのは、こういう味なのかもしれない。

カノムジーンハイラム ヌア／ขนมจีนไหหลำเนื้อ

カオソーイのボリュームがそれほど多くなかったので、他メニューで目に付いたものを注文。
うどんのような麺ハイナンヌードルを使った一品です。
とろみのあるスープは独特の香りを放ち、ピーナッツがトッピングされているのは風変わり。
好き嫌いが分かれそうですが、私は好みの味です。
ハイナンヌードル自体、滅多にお目にかかれないので試してみてください。

『カオソーイチェンマイ』の全メニュー

北タイ食堂の『カオソーイチェンマイ』ですが、北タイっぽくない料理を揃えています。
タイ語オンリーのメニューをカタカナ表記しましたのでご参考にどうぞ。

カオソーイヌア、グラドゥークオン／ข้าวซอยเนื้อ,กระดูกอ่อน
カオソーイノンガイ／ข้าวซอยน่องไก่
カオソーイムー、ガイ／ข้าวซอยหมู,ไก่
カオムーオップ、バミーヘンムーオップ／ข้าวหมูอบ,บะหมี่แห้งหมูอบ
カオヌアオップ、バミーヘンヌアオップ／ข้าวเนื้ออบ,บะหมี่แห้งเนื้ออบ
カオラートパネーンヌア、グラドゥークオンムー／ข้าวราดพะแนงเนื้อ,หมู,กระดูกอ่อนหมู
カノムジーンハイラムヌア、ムー／ขนมจีนไหหลำเนื้อ,หมู
カオラートガパオヌアノンライ／ข้าวราดกะเพราเนื้อน่องลาย
カオガパオムー／ข้าวกะเพราหมู
カオムーガティアム／ข้าวหมูกระเทียม
カオラートカパオムーグローブ／ข้าวราดกะเพราหมูกรอบ
パットガパオヌアノンライ「ガップカオ」／ผัดกะเพราเนื้อน่องลาย (กับข้าว)
ハイラムヘーンヌア／ไหหลำแห้งเนื้อ
ガパオヌアノンライ／กะเพราเนื้อน่องลาย
カオパネーンムー／ข้าวแพนงหมู
カオムーオップ／ข้าวหมูอบ

創業して50年だからこちらが本家『カオソーイチェンマイ』か

小さな食堂を営んでいるのは初老の女性。
店内に飾られた写真を見ると、旦那さんらしき男性と並んで写っていますが、お店に彼の姿はなくスタッフと２人で切り盛りしているようです。

「創業してから50年ぐらいかな」

だとしたら、クロントゥーイの『カオソーイチェンマイ』よりも古いので、こちらが本家ということになります。
『カオソーイチェンマイ』の名を掲げて半世紀。
老舗のカオソーイの味を堪能してみてください。