数年前から書いていることですが、バンコクでは屋台や露店の営業規制が厳しくなり、姿を消しつつあります。
執筆時点で堂々と屋台が営業できている屋台街はシーロムのコンベント通り、カオサン通り、ヤワラート通り、ルンピニ公園の駐車場が有名どころ。その他でも軒下を使い営業している屋台はポツリポツリありますが、”屋台街"といえるようなところは少なくなっています。
バンコク中心部で屋台規制が始まり、影響を受けているエリアが増えている中、私が以前から気になっていた串焼き屋台も例外ではありませんでした。
歩道に座って串焼きのムープラーラーを頬張る
場所はカオサン近くのラチャダムヌン通り。通りの歩道に屋台を出し、豚の串焼きを売る『ムープラーラー ラチャダムヌン』は客席を設けていないため、歩道に敷物を敷き、そこに座って食べるという一風変わったスタイルで営業していました。
客数がさほど多くなかった頃は、歩道を陣取っていても問題なかったのかもしれませんが、メディアでの露出が多くなると客足がスパーク。
ゴザに座り豚串焼きを食べているその様子がSNSなどで拡散され、さらに賑わうようになり、行列ができるまでの人気屋台に。
夜8時からの営業とはいえ、歩道を塞ぐほどの人々が地べたに座り串焼きを食べているものだから、さすがにお上は黙っちゃいない。
ラチャダムヌン通り沿いでの営業を禁じられたようで、いまでは裏通りで串焼きを売るようになりました。
魚の発酵調味料をタレにした串焼き『ムープラーラー ラチャダムヌン』
さて、裏通りに移転した『ムープラーラー ラチャダムヌン』。ここでは牛と豚の串焼きを焼いており、付けダレにプラーラーという魚の発酵調味料を使っていることが特徴です。
プラーラーはソムタムにも使われ、人によっては独特の発酵臭が苦手という方もおられますが私は大好物。これまで来店してこなかったのは夜8時という開店時間にありました。20時にいたるまでになんらかしらの食事にありついていることがほとんど。「いつか行こう」という誓いを立ててはいたものの、誓いの内容があまりにも曖昧過ぎて、タイミングを逸していたわけです。
以前営業していたラチャダムヌン通り沿いは、広い歩道があったのでゴザをどんどん敷いて客席を設けていましたが、裏通りは比べ物にならないほど狭く、路地といっていいほど。それでも3組ほどが地べたに座れるゴザスペースを無理矢理確保し、現地でもいただけるようになっています。座れるのはたった3組だけですが。
私はどうしても現地で食べたかったので、ゴザエリアをなんとか確保。6本の豚串焼きを持って敷物に腰を据えました。
ステンレス製の皿には豚串焼きのほか、きゅうり、唐辛子、エシャロットが添えられています。そして豚串焼きといえばカオニャオ(もち米)。
豚串焼きにプラーラーのタレをたっぷりと付けて一口。この両者がこれほど合うとは想像できませんでした。付け合わせの野菜やカオニャオにもプラーラのタレが合うこと!
ビールがあればいうことはありませんが、3組しか座れないゴザエリアを長時間占領し酔狂できるほど度胸が座っておりませんので、ノンアルコールでした。
2年ほど前からブレイクした『 ムープラーラ ラチャダムヌン』
「創業したのは10年ほど前。これほどお客さんが来始めたのは2年前ぐらいですね」
お店を営んでいるのはご夫婦。ヌイさんとご主人のダムさんです。もともとはヌイさんのお父さんが始めた屋台でしたが、ヌイさんご夫婦が引き継ぎ現在にいたると言います。2年前にブレイクしてからは毎日行列ができる人気屋台になり、1日に焼く豚肉は40キロなんだとか。
カオサン通りが近いことから、欧米人客も来店するそう。
夜、カオサンで遊んだあとにでも『ムープラーラー ラチャダムヌン』の串焼きをお持ち帰りしてみてください。
【SHOP DATA】
「ムープラーラー ラチャダムヌン(หมูปลาร้า ราชดำเนิน)」
TEL: 098-891-9010
OPEN:20:00-03:00(週末は4:00まで)
PRICE:1本15バーツ
Facebook:https://www.facebook.com/%E0%B8%AB%E0%B8%A1%E0%B8%B9%E0%B8%9B%E0%B8%A5%E0%B8%B2%E0%B8%A3%E0%B9%89%E0%B8%B2-%E0%B8%A3%E0%B8%B2%E0%B8%8A%E0%B8%94%E0%B8%B3%E0%B9%80%E0%B8%99%E0%B8%B4%E0%B8%99-102521113687515/