ブログでも何度か書いてきましたが、カオモックガイは「旨いのに知名度が追いついていない、不憫な存在」だと私は思っています。
そして先日、そのことをXでもポストしました。
そうしたら想像以上の反響が。
「カオモックガイ大好きです」という声から、「それってどんな料理?」と興味を示すコメントまで、実にさまざま。
この反応を見て、確信に近いものを感じました。
カオモックガイには、まだ掘り起こされていない可能性があるのではないか。
きちんと伝え続ければ、いつか本格的にブレイクする日が来るのではないか。
そう思った私は、以前から目をつけていた一軒の食堂へとバイクを走らせました。
バンラックに70年続く、3品だけのカオモックガイ食堂
私が向かった店は『ジウ カオモックガイ(ร้านจิ๋ว ข้าวหมกไก่)』。
ジャルンクルン通り、バンラック郵便局の向かいにひっそりと佇む店です。

実はこの界隈、あまり知られていませんがムスリムの住民が多いエリアなので、カオモックガイの食堂がここにあるのも頷けます。
店主ともう1人の男性は、ムスリムの方でした。
写真が苦手だろうで、後ろからの撮影です。

メニューを見ると、料理名は3つだけ。
カオモックガイ 55.- /ข้าวหมกไก่ 55.-
スップガイ 55.- /ซุปไก่ 55.-
カオニャオピン(プアック/クルアイ)10.- /ข้าวเหนียวปิ๊ง(เผือก/กล้วย) 10.-

驚くほど潔いラインナップです。
しかし、店主はずっとガイトート(揚げ鶏)を揚げている。
もしかして、メニューに書いていないだけでカオモックガイトートがあるのでは?
そう思って尋ねてみました。

「カオモックガイしかないんだよ」
じゃあ、そのガイトートなんなんだ…。
当然ながらそういった疑問が湧いてくるわけですが、聞くとこのガイトート、タンブン(寄与)するために作っているのだそうです。
失礼しました。
優しさが染み込む一皿と、3代続く味
3つしかないメニューから、カオモックガイとスップガイの2つを注文しました。
1品目はカオモックガイ。

ターメリックによる美しい黄色がまばゆい。
炊き方の妙か、ごはんはほんのり甘く、そこに幾重にも重なるスパイスの香り。
とはいえ辛さはなく、どこまでも穏やかな味わいです。

主役の鶏肉は、ヨーグルトなどで漬け込んでから煮込まれているのでしょう。
適度な弾力を残しつつ、しっとりと柔らかい。
そして特筆すべきはソース。
酸味と甘みのバランスが絶妙で、かけることで味が引き締まり、別の表情を見せてくれます。

続いてスップガイです。

酸味と辛味が効いたスープで、こちらにも鶏肉が入っています。
トマトやニンニク、じゃがいも、揚げたホムデーンなども使われていて、独特の風味が特徴です。


店主に話を聞くと、創業は約70年。
彼は3代目だそうです。
話をしていると、店主がひとつガイトートを持ってきてくれました。
「食べてみてよ」

タンブン用に作っているはずの一品を、サービスしてくれたのです。
ターメリックで漬け込まれたガイトートは、衣がサクッと軽く、身は驚くほどジューシー。
ほのかに漂うスパイスの香りが素晴らしく、売り物にしていないのが惜しいとさえ思いました。
店内のテーブルはたった2つ。
それでも70年続いてきたのは、カオモックガイの確かな味だけでなく、店主の人柄があってこそなのでしょう。
派手さはない。
メニューも少ない。
けれど、こういう店こそが、カオモックガイの底力を静かに支えているのだと思います。
| 店名 | ジウ カオモックガイ(ร้านจิ๋ว ข้าวหมกไก่) |
| 営業時間 | 08:30-14:00 |
| 定休日 | 土曜日・日曜日 |
| Googleマップ | https://maps.app.goo.gl/wfhKGj5hApw2XdmY7 |



