チェンマイはバンコクに次いで第二の都市と言われることもあり、ロングステイビザを取得し日本から移住する人が多いようです。
日本人が多ければ日本食店が増えるのは必然。
増え続ける日本食店は在住日本人の要望を満たすべく、どんどんレベルは上がりつつあるけれど、タイ料理店ばかりに狙いを定めていた私はほとんどの店に興味を持つことはありませんでした。
ただ一店、この店を除いてはです。
『のぼる(NO BO RU)』
クーロン黒沢氏がロケットニュース24で取り上げていた記事を見て、かなり興味を持っていかれました。
「【不安になる店】タイ・チェンマイのちょっと変わった食堂を直撃! ノートの切れ端にしたためられた激安メニューとは!? 」
ニマンに逗留していた私はレンタルバイクを借り、オープン時間と記載されていた17時過ぎに『のぼる』へGO。
下調べしていた周辺まで到着しましたが、それらしき店は見当たらず。
周辺をくまなく歩いても見つかれず、ネット検索しても電話番号が載っておらず、ついに『のぼる』は見つけられませんでした。
看板らしきものも発見できなかったので閉店してしまったのでしょうか。
それとも私の検索方法が甘かったのか。
そんな折、途方に暮れる私のポケットが揺れました。
スマホがLINEを着信したようです。
「ここの北タイカレーは旨かったですよ」
私の友人から着信したLINEには、チェンマイでおすすめの北タイカレーの情報が。
その店が本日取り上げる『Aroon Rai』です。
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『Aroon Rai』の北タイカレーを実食!
『のぼる』発見にいたらず意気消沈していた私は、このLINEを見てすぐさま旧市街へすっ飛びました。
場所はターペー門近く。
Kotchasam通り沿いに立地し、なつかしい雰囲気を感じさせる食堂然とした外観です。
来店したのが18時ごろで客数が少なく、店内が広く客席も多いことから、どこに座ろうが構いまへん、といった感です。
半屋外の席を陣取り、メニューをちらっと見て「豚肉とショウガ入りの北タイカレー」に決定。
ハイネケンビールも並べ、夕暮れのチェンマイの街を背景に撮ってみました。
陽が暮れつつある旧市街を眺めながら、北タイカレーとハイネケン。
友人がすすめる北タイカレーはさほど辛くなく、スパイスのバランスが絶妙。
豚肉はほろほろ、ニンニクはとろとろになるまで煮込まれ、深い味わいは味覚の髄まで歓喜させる秀逸なカレーです。
心を躍らせる北タイカレー、うっすらと夕陽を浴びほのかに輝くハイネケン、風情に富んだチェンマイの旧市街。
この3つがあれば他に何か必要あるでしょうか。
隣に美しい女性がいれば、なおよいかも…。
店主、まさかの無反応…
『Aroon Rai』の創業は1957年。ネット上では白人たちからも好評の声が上がっている人気店かつ歴史ある老舗のようです。
店員は女性ばかり。店主が誰なのかを伺うと、厨房内で忙しなく動き回っている方でした。
「日本のウェブサイトで掲載したいんですけど、写真よろしいですか?」
はっきりと、聞こえるような申し上げましたが、私の声に構うことなく手が休まる様子はなし。
幾度か声をかけましたが一切反応することはなく、私が発する拙いタイ語はまるで独り言のようにむなしく店内に響き、ふわ〜っと消え去っていきます。
さようなら。
そんな私を見かねたのか、1人の可愛い女性が声をかけてくれました。
レジにいたこの子です。
「オーナーは取材とか撮影とか嫌いなんですよ…」
どうやら私個人が嫌われていたわけではなかったようです。
『Aroon Rai』にはホームメイドアイスクリームや、持ち帰り用のカレーも販売しているようです。
彼女に値段を聞くと、イエローカリーは100バーツ。
それぞれのカレーで値段が異なるようです。
メニューは豚入り北タイカレーの他、パッタイ、チキンポテトカレー、チキングリーンカレー、バミーと、食堂のようにタイメニューが揃っています。
彼女から話しを聞いていると、どんどんと来客が増え始めました。
店内は活況を呈し始め、スタッフたちの動きがスピードアップ。
もうちょっと話したかったのですが、状況を察し彼女に別れを告げました。
店主にもお礼を申し上げたのはもちろん。
無反応かと思いきや、最後に店主が私の顔を見て、ほんのちょっぴりだけ笑顔を見せてくれたのは、この日一番のご馳走だったかもしれません。
【SHOP DATA】
「AROON RAI(อรุณ ไร)」
TEL:05-327-6947
OPEN:12:30-21:30(無休)
ADDRESS:45 Kotchasam Road,Chiang Mai