目次
バンコク初となる「ミシュランガイドバンコク2018」で選ばれた店
2017年12月6日、バンコクで初となる「ミシュランガイドバンコク2018」が発表されました。ミシュランガイドとは、星1つから3つまでの数によってレストランを評価し、世界の都市別で発刊されているガイドブックです。
ミシュランガイドのWebサイトを見ると、星の評価基準は以下のように定められています。
三つ星:そのために旅行する価値のある卓越した料理
二つ星:遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理
一つ星:そのカテゴリーで特においしい料理
タイ料理だけではなくレベルの高い世界各国レストランが集まるバンコクだけに、どの店が星を獲得するのか発表前から話題になっていました。
結果、三つ星はなく二つ星が3店舗、一つ星に選ばればのが14店舗です。
(店名表記はミシュランガイドバンコク版に従っています)
【二つ星】
Gaggan(創作料理)
Le Normandie(フランス料理)
Mezzaluna(創作料理)
【一つ星】
Elements(フランス料理)
J'AIME by Jean-Michel Lorain(フランス料理)
L'Atelier de Joël Robuchon(フランス料理)
Savelberg(フランス料理)
Sra Bua by Kiin Kiin(タイ料理)
Sühring(ヨーロッパコンテンポラリー)
Upstairs at Mikkeller(イノベーティブ)
Ginza Sushi ichi(寿司)
Nahm(タイ料理)
Paste(タイ料理)
Sra Bua by Kiin Kiin(タイ料理)
Chim by Siam Wisdom(タイ料理)
Jay Fai(タイ料理)
Sane Jaan(タイ料理)
Bo.lan(タイ料理)
食堂や屋台で選ばれる店があるのか注目されていましたが、一つ星に選べれた唯一の食堂が『Jay Fai』でした。場所は旧市街地、パッタイの有名店『ティップサマイ』から数メートルしか離れていない距離です。『ティップサマイ』に行列ができるのは以前からでしたが、いまや時の店となった『Jay Fai』も負けちゃあいない。星を獲得したばかりの時は2時間待ちでしたが、10日ほど経った頃に来店してみるとフルブッキングで入店すら出来ない状況。現在は予約必須です。
ミシュランガイドのビブグルマンに選ばれたヤワラートの【ナイモンホイトート】
ミシュランガイドには星での評価の他に、「ビブグルマン」という称号もあります。ミシュランガイドでの定義では
「星はつかないけれども調査員お勧めの飲食店・レストラン」
バンコク版では「1,000バーツ以下」とも定義され33店舗が選ばれています。ビブグルマンで選ばれたのはタイ食堂の店も多く、「激旨!タイ食堂」でも取り上げたことのある『クイッティアオ クアガイ アーン』 『ラートナージャッキー 』 『チャルンセーン シーロム』 『エルヴィススキー』 『ヒアワンカオトムプラー』といったラインナップも。
先見の明があったなぁー!
33店舗の中で、来店したことはあったけど「激旨!タイ食堂」では取り上げたことのない店もありました。ヤワラートのホイトート専門店『ナイモンホイトート』です。
ヤワラートを歩き慣れている方なら地図を見ればだいたいの場所が分かるでしょうが、慣れていなければたどり着くのがちょいと難しい。ヤワラート通りではなく北を並行に走るジャルンクルン通りから脇道に入ったところに立地しています。店前まで来れば大きな看板に英語で『Nai Mong Hoi Thod』と掲げられているので、迷うことはないでしょう。
牡蠣をたっぷりと使ったホイトート
店名に「ホイトート」と書いているので、メニューのほとんどは当然ながらホイトート。この店で注文していただきたいのは牡蠣をたっぷりと使っている「オールワ ホイナンロム トートグローブ」と「オースワン ホイナンロム(ニム)」の2皿です。違いは、前者が牡蠣入りクリスピー版ホイトートで、後者がふっくら柔らか牡蠣入りホイトート。
厳密に言うと前者は「オールワ」、後者は「オースワン」という料理名です。「ホイトート」と冠されている料理って実は一品もないんですが、下の3品目で紹介する「ホイマレーンプー トート」が一般的なホイトートに該当します。
ホイトート(หอยทอด)はホイメンンプーという貝に生地を混ぜてカリカリに揚げた料理で、オールワ(ออลั่วะ)はクリスピーな生地に炒めた牡蠣をトッピングした料理だということのようです。(日本語で情報がないので自分なりに調べた結果です。間違っている点がありましたらコメントでご指摘ください)
オールワ ホイナンロム トートグローブ(ออลั่วะ หอยนางรมทอดกรอบ)
「牡蠣入りクリスピー版ホイトート」と命名したのがコレ。「オールワ」と名付けられたこちら、炒めた牡蠣がトッピングされておりカリカリの生地も牡蠣も旨い! 『Nai Mong Hoi Thod』を代表する一品。
オースワン ホイナンロム(ニム)(ออส่วน หอยนางรม(นิ่ม))
「ニム」は柔らかいという意味のタイ語。ふわふわ感が絶妙で、柔らかすぎず固まりすぎていない生地に料理人の腕を感じました。
ホイメーンプー トート(グローブ)(หอยแมลงภู่ทอด(กรอบ))
一般的なホイトートです。牡蠣が苦手な方はこちらがおすすめ。牡蠣が食べられる、もしくは好きであるならば牡蠣入りを選んでくださいな!
CNNが紹介した「バンコク10店舗のストリートフード」に選ばれる
アメリカのCNNは、著書「Thailand's Best Street Food」を上梓したChawadee Nualkhairさんにインタビュー。書籍で紹介した数あるストリートフードの中から、彼女に10店舗を選んでもらった記事が店内に貼り出されていました。記事では、『ナイモンホイトート』が1店舗目として紹介されています。
そのうえ「ミシュランガイドバンコク2018」のビブルマンにも選ばれた『ナイモンホイトート』。
ミシュランで取り上げられたことにより以前よりも客が増えたのか、昼時に来店したところ歩道にもテーブル席を出し対応していました。以前は歩道にテーブル席なんて出していなかったような…。
ミシュランで取り上げられてことに起因しているのかは不明ですが、定休日以外の日でも店を閉めている日が増えています。
私が訪問した1週間のうち土曜日、月曜日、木曜日が閉店。これに火曜日の休日を含めると、この週に営業していたのは水曜日と金曜日だけ。
店主にその理由を聞くと「十分な貝が仕入れられなかった」ということです。
定休日ではなくても、来店前に電話なりで確認しておくことをおすすめします。
創業してから42年【ナイモンホイトート】
ヤワラートの裏手にありながら各メディアから絶賛され、2017年の今年はミシュランガイドバンコクのビブルマンにも選ばれたのは、ホイトートが素晴らしいに他なりません。『Nai Mong Hoi Thod』は創業42年。創業主の女性は一線を退き、現在は息子さんが跡を継いでいるようです。
ホイトートを炒めるために使っている火力はガスではなく炭火を使用し、火力調整ができるよう炭火の近くにファンが取り付けられています。一枚のホイトートを焼いている間、店主はこまめに火力を調整しているようで、何度もファンのスイッチを入り切りしていました。
こまめな火力調整によって、ホイトートの絶妙なカリカリ感やオースワンのふわふわ感を出すことができるのでしょう。
【SHOP DATA】
「ナイモンホイトート(นายหมงหอยทอด)」
TEL:02-623-1890, 089-773-3133
OPEN:11:00-21:00(火曜日休み)
PRICE:オールワ ホイナンロム トートグローブ70-100B、オースワン ホイナンロム(ニム)70-100B、ホイマレーンプー トート(グローブ)70-100B、カオパットプー100B