2020年10月:2年ぶりに来店したらお店情報が変更されていたので記事を更新しました。
30年ほど前まで、チェンライの山岳など北タイ地方ではケシの栽培が盛んに行われていました。
ケシとはアヘンの原料となるもので、貧しい地域ではこれら売って現金を得ていた歴史があります。
そんな北タイが節目を迎えることになったのは1989年。北タイの状況を改善するべく、プミポン前国王(2016年に崩御したラマ9世国王)の母が『メーファールアン財団』を設立し、ケシに変わってコーヒー栽培を始めました。
いまではドイチャンコーヒーというブランドがタイ各地で展開するなど、北タイコーヒーの認知度は高まりつつあります。
私は、北タイのコーヒー栽培はてっきりチェンライ周辺だけだと思っていたんですが、聞くとチェンマイの郊外でも行われているという。
その情報を教えてくれたのは、チェンマイに住む吉田さんでした。吉田さんは以前、少数民族のカレン族が住むオムコイ村で生活し、手作りのゲストハウス「オムコイ バンブーハウス」を営んでいた、稀有な経歴を持つ方です。
なぜ吉田さんが、カレン族の村に住むことになったのか…。
激動の人生は、吉田さんご自身が上梓した書籍『「遺された者こそ喰らえ」とトォン師は言った: タイ山岳民族カレンの村で』で描かれています。
私がオムコイ村へ赴くことになったのは、この書籍がきっかけでした。怒涛とも言える吉田さんの半生が圧巻の文章力で描かれておりおすすめです。
吉田さんからチェンマイのコーヒー園事情について教えていただいた私は、ぜひとも見学したく、エアアジアでチェンマイ国際空港へ降り立ったのはそれから数日後。
数年ぶりに吉田さんとお会いし、タイ最高峰ドイインタノンの麓にあるコーヒー園やコーヒーショップへと案内していただきました。
チェンマイのコーヒー園をご覧になりたければ、TRIPULLで受付けしてますので、ご興味のある方はどうぞ!
深夜まで営業するガイトート(鶏唐揚げ)食堂
コーヒー園を見学したその日の夜、私は『ガイトート ティアンクン』というローカル食堂の前に立ち、空席が見当たらない店内を呆然と眺めていました。
店名を日本語訳すると「深夜12時の鶏唐揚げ」。
シンプルかつインパクトがあり、人を惹きつけるネーミングだこと!
来店したのは22時ごろでしたが、店内の席はタイ人客で埋め尽くされ、夜中の唐揚げを楽しんでいます。
うちのスタッフ(カヌン)の話だと、クラブ帰りの若者たちがここへ寄り、ガイトートを食べて小腹を満たしているのだとか。
席が空くまでの時間、通りに面している調理場を撮影させてもらいました。
「この店を始めてから30年以上は経ってるよ」
鶏肉や豚肉を揚げながら私の質問に答えてくれたのは、女性店主のエーさん。毎晩9時にお店を開け、店主自身が料理に携わっています。
日本人に話しかけられたことがよほど珍しいのか、エーさんからは「タイに住んで何年?」「チェンマイは好きか?」などといった質問が矢継ぎ早。
一眼レフを構えた日本人が突如現れたので、珍しがられるのも無理ないのですが。
お話ししていると席が空いたので、ささっと陣取り、ガイトートのほかサイウア、ナンプリックヌンをオーダーしました。
衣は薄く、さくっと揚げられたガイトート。味付けはさほど濃くなく、バンコクの名店『ポロフライドチキン』のように揚げニンニクなどは使われていません。これなら飲んだあとでも食べられる。
自家製だというサイウアやナンプリックヌンも秀逸で、夕食を食べたあとに来店したにもかかわらず、全品さらりと平らげることができました。
『ガイトート ティアンクン』の全メニュー
全メニューをカタカナ表記で掲載します。次回の来店ではナムプリックデーン、ムーサームジャン、プラトゥをオーダーしようと心に決めました。
ムーサームジャン(豚バラ)/หมูสามชั้น 55バーツ(小)110バーツ(大)
ガイトート(鳥唐揚げ)/ไก่ทอด 50-55バーツ(小)110バーツ(大)
シートート(腸の揚げ物)/ไส้ทอด 25バーツ(小)50バーツ(大)
シークロン ムー(ポークリブ)/ซี่โครงหมู 55バーツ(小)110(大)
ヌー デート ディアオ(干した牛肉)/เนื้อแดดเดียว 35バーツ(小)70バーツ(大)
プラトゥ(魚)/ปลาทู 30 - 35 - 40 - 45 - 50(バーツ)
サイウア(北タイソーセージ)/ไส้อั่ว 30バーツ(小)60バーツ(大)
タップトート(レバーの揚げもの)/ตับทอด 30バーツ(小)60バーツ(大)
カイトム(ゆで卵)/ไข่ต้ม 8バーツ/個
ナムプリックヌン+パック(野菜)/น้ำพริกหนุ่ม+ผัก 20バーツ(小)30バーツ(大)
ナムプリックデーン+パック(野菜)/น้ำพริกแดง+ผัก 15バーツ(小)20バーツ(大)
カオニャオ/ข้าวเหนียว 10バーツ(小)20(大)
2020年10月に再来店した『ガイトートティアンクン』
2020年10月、月末に催されるイーペンフェスティバルのため1年ぶりにチェンマイ入りしました。
せっかくのチェンマイなのでYouTube撮影しようと、お店を考えた末、ここ『ガイトートティアンクン』に決定。2年ぶりに来店しました。
お店の雰囲気やメニューなどはまったく変わっていませんでしたが、唯一変わっていたのは営業時間。
「今は19時から深夜2時までの営業時間になったんです」
営業時間を変更した事情までは聞きませんでしが、ひょっとしたらコロナの影響があったのかもしれません。
この日私は、以前食べたかった揚げた豚バラ(ムーサムチャン)、プラートゥー、ナムプリックデーンと野菜、そして必須のカオニャオをオーダー。
私は前回の取材で『ガイトート ティアンクン』にはビールが売っていないことは知っていたんですが、コンビニなどで買えば持ち込めるもんだと思っていました。
ところが店内には「お酒禁止」のマークが。念の為聞いてみると、持ち込みも禁止しているそうです。
私と同じビールを愛する人々は、ここのガイトートとビールを楽しみたいのであればお持ち帰りすることをおすすめいたします。
【SHOP DATA】
「ガイトート ティアンクン(ไก่ทอดเที่ยงคืน)」
TEL:089-433-0813,089-433-0112
OPEN:19:00-02:00(日曜日休み)
Facebook:https://www.facebook.com/midnightstickyrice1/