記事で取り上げる店の探し方は1つではなく、幾つかの方法を使っています。
まずはネットでの検索。
サイト開設当初はこの方法がほとんどを占め、Wongnaiなどで評価が高い店を探し、ひたすら食べ歩いていました。
続いては人からの情報。
読者の方から教えていただいたり、出会った人から教えていただくこともあります。
実際に足を運んだ方の情報だけに心強い。
最近は記事を読んでいただく方が増えたことで、情報をいただく機会も増えてきました。
ありがとうございます!
そして3つ目は通りを歩いていて、ふと気になった店。
客数が多ければ当然目をひかれますが、店が醸し出す雰囲気だとか店主から放たれる魅力などにひかれ、ふと入店するパターンです。
今回は、何の気なしに通った路地で見つけたカオカームーを紹介します。
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およそ100メートルほどしかない一方通行の細い路地は、ただでさえ狭いのに違法駐車や屋台が並んでいて、車一台がようやく通れる程度の道幅しかありません。
そんな目立たない路地ですが、名店と呼ばれる店が2店あります。
以前取り上げた、カオムーデーンの名店『シーモラコット(สีมรกต)』と、カオマンガイ『ピチャイガイトーン』です。
創業70年と40年を超える名店が斜め向かいに立地している路地。
ひさしぶりに覗いてみたくなり訪れてみました。
朝9時だったこともあり、『シーモラコット』は営業前。
『ピチャガイヤーン』は営業中で数組の客を迎え入れています。
私が気になったのはこの2店舗ではなく、カオカームーを売る屋台です。
以前通ったときもあったかなかったか、記憶が曖昧。
客もそこそこ座っていて、なにやら旨そうな雰囲気が醸し出され私の食欲を刺激するではありませんか。
気付いたら屋台の椅子に座っていました。
持ち帰りの注文がひっきりなしに入り、店主の男性はそれらをさばくため、これ以上速い動きは出来ないだろうという見事な包丁さばきを見せます。
見入ってしまい注文を忘れしばし眺めていたら、店主からすっと出されたのはカオカームー!
コラーゲンと思われる半透明なぷるんぷるんが美しい!
こんなに美しいぷるんぷるん、見たことが無い。
他店のカームーよりも若干濃いめに味付けされているような印象です。
食べている最中に気付いたんですが、注文を聞かれず出てきたから、トッピングの煮卵が入っていない。
カオカームーに煮卵がないのはちと寂しい…。
「すいませーん。煮卵入れてくださーい」
「さっきの注文で品切れになったんだよ」
まだ午前9時というのに煮卵が売り切れ…。
屋台のすぐそばに陣取っていたので、鍋の中を覗き込んでみると確かに煮卵がない。
煮卵がないだけならともかく、豚足もほとんど売り切れてしまっている。
「うちはだいたい9時には全部売れてしまうんだ」
店主の男性がそう答えます。
開店時間が6時だというので、3時間ですべての豚足を売り切ってしまうとは。
「ここのカームー(豚足)は他と違って、皮をきっちりと処理しているから旨いんだ」
驚いている私に話しかけてきたのはここのお客さんで、高齢の男性です。
「ここはいつも50足用意しているよ。ふふふ」
50足が3時間!?
1時間でおよそ16足。
10分で2.6足が売れている計算になります。
3時間で売り切れてしまうのだから、早朝は怒濤の来客数なんでしょう。
忙しい店主に代わりお店のことを教えてくれた高齢の男性は、店の近くに住んでいるようで息子さん(?)と思わしき方との同伴で来ていました。
きっと頻繁に来店しているのでしょう。
豚足が品切れになったことで閉店作業に入り始め、店主の男性は忙しなく動き回り、気付いたときにはどこかへと…。
閉店作業をすすめる奥さんと娘さんに話しを伺いました。
「創業は2510年(仏暦)だから50年近いのかな」
屋台の前に記事が掲げられていたので聞くと、雑誌が取材に来たこともあるといいます。
こんな小さなソイに旨い店が密集しているのは摩訶不思議。
この地に見えない力が働いていて、腕のいい料理人を呼び寄せているのだろうか…。
たった3時間で50足のカームを売る屋台。
有名な2店舗が軒を連ねるこのソイに、知られざる名店を見つけました。
【SHOP DATA】
「マンユーナイ グラタ(มันอยู่ในกระทะ)」
TEL:081-840-1401
OPEN:6:00-9:00(月曜日休み)
PRICE:カオカームー30B