カオパット ナムリアップが旨い店『LIEO LIENG SENG』を教えてくれた、京都でタイ料理BAR『奈落』さん。
2月の1ヵ月間タイに滞在し、お店で提供するタイ料理をさらに極めるため、あらゆるお店を食べ歩いているそうです。
年に1、2度は訪タイし食べ歩き、しかもBARで提供するタイ料理をご自身で作っていることもあり、かなりお詳しい。
そんな『奈落』さんと、とあるタイ料理屋へご一緒することになりました。
『奈落』さんが選んだタイ料理屋の場所とは……。
私は一度も訪れたことのない、ラックラバンという場所です。
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目次
初めて降り立ったラックラバン
ラックラバンとは、スワンナプーム空港のすぐ近く。
バンコク中心部と空港を結ぶエアポートリンクの駅があり、スワンナプーム空港から数えると1つ次の駅です。
ネットで検索してみると、この辺りに住んでいる日本人の方もいるようですが、ごく少数でしょう。
というか数えるほどしかいないのでは…。
初めて降車したエアポートリンク『ラックラバン駅』の周辺は、想像していたようになんにもない。
駅の下には国鉄『ラックラバン駅』もあり、こちらの駅には線路から直接入って行くことができます。
ここから『奈落』さんとお店へ向かうわけですが、『奈落』さんがチョイスした店は駅のすぐそばではなく、ここからさらにタクシーで10分ほど走った、国鉄『フアタケー駅(Huai Takhe)』の近くに立地しています。
こんな超どローカルな場所へタイ飯を食いに来たのは、ブログ始まって以来初です(笑)
これほど遠くまで来て食べたかったタイ料理とは、バンコク中心部では見かけることがない、アハーン・パーという料理。
直訳すると「アハーン=料理」「パー=森」で、タイのジビエ料理です。
ジビエとはフランス語で「狩猟肉」を指し、野生の鳥獣肉を使った料理をジビエ料理といいます。
『奈落』さんは私と来店する前に一度来られたことがあるそうで、猪や鹿、カエル、ウナギといった食材が揃っているのだとか。
そんなゲテモノ、いやいや野性味あふれる食材を使ったタイ料理は、いままで見たことがありません。
アハーン パーの正体とは…
案内されてやって来たのは『ジェーペン アハーン パー』。
来店したのはディナータイム前の17時だったこともあり、さほど混んでおらず、我々は外側の席に腰を下ろしました。
メニューにはもちろんタイ語しかなく、しかも写真もない。
5年住んでいながらタイ語が一切読めない私に代わって、ゆっくりならタイ語が読めるという『奈落』さんにメニュー解読をお願いします。
「グワーン、っていうタイ語が書いてありますけど、これって何でしょうか?」
「グワーン?」
見たことも聞いたこともないタイ語の出現に、私たちは戸惑うばかり。
店員を呼んで訊ねてみると、ジェスチャーで2本の角を表現。
獣であることは間違いなさそうですが、なんのことやらさっぱり分からず。
すると彼女、スマホを取り出ししばらくいじったあと、私たちに画面を向けてみせてくれました。
そこに写っていた写真とは……。
鹿でございました〜。
最終的に2人が選んだメニューとは…。
猪のスパイシー炒め
豚肉に似ていますが皮の部分がプルんとしていながらも歯ごたえがあり、臭みは一切ありません。
千切りになった食材はショウガに似ていますが別物で、グラチャイ(กระชาย)と呼ばれる根なのだとか。
『奈落』さんに教えてもらった知識を、そのまんま発揮しています。
タイ語で猪はムーパー(หมูป่า)
鹿の黒コショウ炒め
さきほど「グワーン」というタイ語で紹介した鹿。
歯ごたえのある鹿肉を黒コショウで炒めた一品です。
唐辛子は使われていないのでスパイシーが苦手な人でも食べやすいのでは。
鹿=グワーン(กวาง)
ウナギのトムヤム
ウナギのぶつ切りがトムヤムに入っています。
ここのトムヤムはあっさり味ながら旨い。
旨いんだけど超絶辛い!
ウナギ=プラーライ(ปลาไหล)
私たちは注文したのはこれだけなんですが、日本人の来店が珍しく、しかも私からの取材を喜んでいただけたのか、
以下の2品をサービスで提供してくださりました。
1品目はフライドポテト!
シンハービールをぐいぐい飲んでいたので、おつまみとしてピッタリです。
2品目は雷魚のから揚げです。
後ほど紹介する店主の女性が直々に持ってきてくれました。
『奈落』さんが以前来店したとき、味見として食べさせてもらったようで、今回は丸ごと持ってきてくれたよう。
甘辛い味噌と千切りされた青マンゴーのトッピング。
これもなかなかの辛さです。
雷魚=プラーチョン(ปลาช่อน)
従業員にはラオス人女性も
さて、このアハーン パーを取り仕切るオーナーさんジェーペーンさん。
店名は彼女の名前が由来のようです。
「ここで10年間ほどやってるけど、以前あった場所でも10年やってるから合計20年ね」
ここから近くの場所で営業していたのですが、お店でビールを売ることができなくなったらしく、移転したと言います。
調理場には捌かれたカエルや雷魚、ウナギが横たわっていて、アハーン パーらしい調理場の姿です。
調理場の裏にはバケツが4つほど並び、市場から運ばれてきたというウナギなどの食材が保存されています。
店内は広く、30〜40席ほどはあるのではないでしょうか。
店内を闊歩しているのは、ロンという愛犬です。
人懐っこくて、写真を撮る私の足元にすりすり。
激旨ステッカーも貼ってもらいましたよ。
働いている女の子の容姿がなんとなくタイ人と違っていると思ったら、ラオス人が数名いました。
その中の1人、私がお気に入りのパイちゃん(18歳)です!
なかなか撮影をお許しいただけませんでしたが、何度も懇願しての成果でございます。
ビールと共にアハーン パーの数々で舌鼓を打っていると、陽はすっかり落ち、街灯がほとんどない通りを照らすのは通過する車のヘッドライトだけ。
入店したころよりもお客さんが増え、お店は活況を呈しています。
物珍しさだけではなく、しっかり旨いものを提供し地元の方々からも支持を得ているのでしょう。
通りを走る車を見ていて気付いたのは、タクシーがまったく通っていないこと。
どうやってここからラックラバンの駅まで帰ればいいのだろうか。
ほろ酔いの2人で思案した結果、お店の方にタクシーを呼んでもら いラックラバン駅へと向かいました。
『ジェーペン アハーン パー』への行き方
行き方といっても、どうやって説明すればいいのやら。
エアポートリンク『ラックラバン駅』から向かう場合、駅でタクシーを拾いLat Krabang通りを東へ向かいます。
国鉄『フアタケー駅(สถานีรถไฟหัวตะเข้)」を目指してもらうのが早いでしょう。
タクシーに見せるならこれをどうぞ!
สถานีรถไฟหัวตะเข้
ホワランポーン駅から国鉄に乗車し『フアタケー駅』を目指すという手もあります。
【SHOP DATA】
「クルー ルン ソムチャイ ジェーペン アハーン パー(ครัวลุงสมชาย-เจ๊เพ็ญอาหารป่า)」
TEL:02-326-4274,087-935-9717
OPEN:11:00-21:00(無休)
PRICE:グワーン プリック カイダム(鹿の黒コショウ炒め)120B、パッ ペット ムーパー(猪のスパイシー炒め)90B、トム プラーライ(ウナギのトムヤム)160B