ジャルンクルン通りは「バンコクでもっとも古い通り」と言われています。歴史がある通りだけに古くから営んでいる食堂や屋台が多く、私がこれまで取材をしてきた経験だと、「旨い店の密集率」はバンコクで一番ではないかと思っています。
旨い店がこぞって集まっているだけに、これまで「激旨!タイ食堂」でも名店をたくさん紹介してきました。それでもまだまだ紹介しきれていないのは、ジャルンクルン通りに名店が幾つもあるためです。けっしてサボっているわけじゃーございません。
目次
創業45年以上の老舗アヒル店『DUCK NOODLE HOUSE』
今回取り上げる『DUCK NOODLE HOUSE』っていうお店は、名前の通りアヒル肉を使ったクイッティアオ屋。英語名は誰かが勝手に付けたんでしょうが、本来のタイ語の店名は『ペット トゥン ジャオカー(เป็ดตุ๋น เจ้าท่า)』です。
場所はジャルンクルン通りから一本裏手に入った小道。他にも屋台などが並んでいて、ランチの時間になると周辺の会社で勤めるタイ人がこの細い道路に集まり、裏手とは思えない賑やかさを見せてくれます。
私が来店したのもちょうど昼時。人気店とはいえ裏手の食堂なんだから空席の1つぐらいあるだろうとカメラを片手に来店したんですが、私の憶測は甘すぎました。
さほど広くもない店舗なのに、来襲でもするのかと思うほどタイ人が詰めかけ、1階席だけではなく2階席も溢れるほどに。
私はかろうじてテーブル席を確保しましたが相席なのは言うまでもありません。
『DUCK NOODLE HOUSE』で食したメニュー
タイの口コミグルメサイト『Wongnai』での評価はかなりいい。アヒル肉の素晴らしさを称えている書き込みが多数あり、これだけ混雑しているのも理解できます。
私がオーダーしたのは「アヒル肉乗せご飯(カオナーペット)」、女性店員さんおすすめの「パッキーマオ」。
カオナーペット(ข้าวหน้าเป็ด)
さすが高評価を得ているだけにアヒル肉の旨さは格別。香りの高さと肉の柔らかさをゆっくりと味わってください!
パッキーマオ(ผัดขี้เมา)
なぜかおすすめされたパッキーマオ(酔っ払い炒め)。太麺のセンヤイを使っています。私は太麺のパッキーマオよりママー麺のほうが好みなんですが、ここのパッキーマオを食べると太麺派になってしまいそう。
『DUCK NOODLE HOUSE』は上記2品だけではなく、店名にあるようにクイッティアオもあればガオラオ(麺なしクイッティアオ)、炒め物系が揃っています。
私がもう一品、どうしても食べてみたかったのがこちらです。
センミータイ(ミーパッド パッカチェー)/เส้นหมี่ไทย(หมี่ผัดผักกระเฉด)
炒めたセンミー(ビーフン)の上にどっさり乗っているのはパッカチェーという野菜です。パッカチェーは水辺に自生する野菜で、歯ごたえがあり、タイ料理ではちょくちょく使われることがあります。ただ、炒め麺にこれほど大量に乗っけているのはちょっと珍しい。私は初めてです。
ピリッとスパイシーで、パッカチェーの歯ごたえと細麺のビーフンとの相性もよく、日本人なら好きな料理ではないかと思います。
老いても包丁は離しません
来店してからずっと気になっていたのは、店の入り口でアヒル肉を捌き続けている女性です。『DUCK NOODLE HOUSE』の店主だという彼女は、椅子に座っているとはいえ黙々とアヒル肉を捌いていきます。
そう若くはない年齢に見えますが、いまでも現役で包丁を握っているのは、彼女の胸に宿る料理人魂があってこそでしょう。
ゆっくりとお話を聞きたかったのですが、繁忙を極めていたため、軽くお話しをしてお店を後にしました。
【SHOP DATA】
「DUCK NOODLE HOUSE(เป็ดตุ๋น เจ้าท่า)」
TEL:02 233 2541
OPEN:9:30-15:00(日曜日休み)
ADDRESS:945 Soi Wanit 2, Khwaeng Talat Noi, Khet Samphanthawong, Krung Thep Maha Nakhon 10100
PRICE:センミータイ(ミーパッド パッカチェー)60-120B、パッキーマオ70-120B、カオナーペット60B