タイ77県で最も小さい県サムットソンクラーム県。
バンコクから西へ車でおよそ2時間ほどの距離に位置し、最小とはいえ見どころは多く、代表格の一つが週末だけ開く『アンパワー水上マーケット』です。
古い伝統家屋や長屋が残り、地元住民も昔ながらの水上生活を続けていることから、古き良き時代のタイを求めて、近年ではバンコク在住のタイ人でいわゆる都会の若者といわれる層から人気を集めています。全長およそ500mのアンパワー川の両岸には、おみやげ屋やタイ料理をはじめ地元のスイーツのお店、タイ式コーヒーの屋台にトロピカルフルーツなど何を買うか迷ってしまうほど数多くのお店がびっしりと建ち並んでいます。
タイ王国政府観光庁Webサイトより一部抜粋
バンコクでは味わえないレトロな雰囲気があり、タイ人の間でも衰えぬ人気を誇るアンパワー水上マーケットへ訪れたのは、およそ2年ぶりぐらいになります。
アンパワー水上マーケットへ到着するや豪雨…
車で向かい到着したのは午後1時ごろ。
駐車場へ車を停め、さぁて市場へ行くかと意気込んだところ、突然の豪雨!
世の中には『晴れ男』や『晴れ女』と自身で称し
「私が出かける時は必ず晴れるの」
とおっしゃる方がおられますが、ほんとうに雨が降らないのなら、『晴れ人間ビジネス』が成立するのではないか。
つまり、
「今日は遠足だからゼッタイ晴れてほしい!」
という日に、自称『晴れ男』および『晴れ女』を雇い遠足へと同行してもらうわけです。
もし雨が降ったら全額返金。
全国の『晴れ男』『晴れ女』のどなたかに、ぜひ始めてもらいたいビジネスです。
雨雲に覆われた空を見上げながらそんなことを考えていると、スコールのような豪雨は10分ほどで止み、空に重々しく広がっていた雨雲はうっすらとしてきた。
ひょっとしたら私、晴れ男なんじゃないか!!
『晴れ人間』ビジネス始めよっかな。
見たことのない串焼きに出会った!
本題から逸れてしまいましたが、すっかり雨が止んだアンパワー水上マーケットは人で溢れ、川には小舟が何隻も停泊しており、中には観光客を乗せ悠々と流れるように進む舟も見え始めています。
アンパワー川の両岸に肩を寄せ合うように並ぶのは、お土産、アクセサリー、衣料品、100バーツの腕時計、食器といった品々を売る店や、河口が近いこともあり海鮮類が食べられる飯屋、お洒落なカフェ、ぶっかけ飯屋、クイッティアオ屋といった飲食店が軒を連ねています。
河口近くまで歩いていくと、奥まったところにこじんまりとしたフードコートを発見。
アンパワー水上マーケット内にこれほど飲食店が並ぶのに、フードコートまであるとは。
敷地内へ歩を進めると、ゴルフボールサイズの物体が2つずつ串に刺され、機械によってくるくると回されながら焼かれている。
一見するとたこ焼きのようですが、見たことのない串ものです。
1本10バーツ。
アンパワー水上マーケットへ来たなら買い食いは必須とばかりに、1本購入しました。
どうやら魚のすり身を焼いたもので、表面にはソースがかけられています。
クイッティアオなどにトッピングされているルークチンプラーとは異なっていますが、プリプリとした食感が楽しめ表面のソースがピリッとしていて旨い!
買い食いするには食べやすいサイズなのもいい!
タイ南部カレー「ゲーンソム」を使ったクイッティアオ
このフードコートから数十メートル歩いたところで、今回取り上げるクイッティアオ屋に出会ったんです。
最初から目指していた訳ではなく、なんとなく入店したクイッティアオ屋。
レトロ感があり小洒落た雰囲気で、客入りも上々です。
写真付きのメニューには、クイッティアオ・トムヤム、イエンタフォー、ナムサイといった定番の品々が並んでいるのですが、一品だけ気になるクイッティアオが……。
女性店員の方が席まで来て説明してくれました。
「これはクイッティアオ・ゲーンソムです」
ゲーンソムとはタイカレーの一種で、ココナッツミルクは使わずタマリンドで酸味を効かせたスープ。
これとクイッティアオを融合させるとは思い切った発想!
店のオリジナルかと思いきや、店員に聞くとラヨーン県にあるクイッティアオなのだとか。
アンパワー水上マーケットでラヨーン県名物(?)のクイッティアオを食せるとは、予想だにしなかった僥倖です。
私はこのクイッティアオ・ゲーンソム、同行した方はこれまた珍しいミートソース風のクイッティアオをオーダーしました。
ゲーンソムはもともとタイ南部料理だけにスパイシーなのが特徴。
もちろん、現地のものほど辛くはありませんが、クイッティアオのスープにしてはスパイシーな方でしょう。
センレックの麺とも合い、バンコクで広まっていないのが不思議に感じるほど。
同行者が注文したミートソースもちょろっと頂きました。
挽き肉が入りトマトソースを使っているのでミートソース風ではありますが、若干クイッティアオ用にアレンジしているようで、ピリッとしたスパイシーさが加えられています。
これはきっとお店のオリジナルなんでしょう。
大胆な発想ながらこのクイッティアオもイイ!
週に3日だけの営業
「店名は『オーガ』っていいます。お店を始めてからは4年ほどで、支店はなくここだけですよ」
来店者が多く忙しい中、女性店員さんは笑顔でそう話してくれました。
週末しか開催していないアンパワー水上マーケットでお店をやっているってことは、土日だけの営業?
「営業は金、土、日曜日の週3日だけの営業です」
アンパワー水上マーケットは金曜日も開催しているのね!
このクイッティアオ屋で始めて知りました。
朝8時から夜8時までの一日12時間営業だからこそ、週3日だけの開店でやっていけるのかもしれません。
店内には店主と撮影した方々の写真が掲げられています。
彼らが有名人なのかそれとも一般人との記念写真なのかは私には判別出来ませんが…。
アンパワー水上マーケットといえば海鮮類を楽しむ方が多いでしょうが、他では味わえないクイッティアオ・ゲーンソムや、ミートソース風クイッティアオもおすすめです。
【SHOP DATA】
「オーガ(โอกาส)」
TEL:085-261-6255
OPEN:8:00-20:00(金・土・日のみオープン)
ADDRESS:Floating market, Amphawa, Samut Songkhram, Thailand 75110.
PRICE:クイッティアオ・ゲーンソム40B、
FACE BOOK:https://www.facebook.com/OkardNoodles/?fref=ts