タイ国境の街を巡り、メコン川の魅力を届けようという私の旅は、ナコーンパノム県へと入りました。
タイ東北地方にあまり詳しくない方にとっては、ナコーンパノムという県名は聞きなじみがないないかもしれません。
この地には、ベトナムの革命家ホー・チ・ミンがかつて隠れ住んでいた歴史があり、彼が滞在していた家は「ホーチミンの家」として今も残っています。
また、フランス占領時代に迫害を逃れようとしたベトナム人が移住先として選んだ場所の一つが、ナコーンパノムです。
そうしたベトナムとの繋がりが深いナコーンパノム県で、ユニークな麺料理に出会いました。
目次
ナコーンパノム県で初めて見た【カオプン ナームンガー(ข้าวปุ้นน้ำงัว)】
ナコーンパノム県のターウテンという小さな町に滞在していた時のこと。
あてもなく街中をウロウロしていると、食堂の前に掲げられたノボリに目がとまりました。
ノボリに書かれたタイ語「ข้าวปุ้นน้ำงัว」という料理名です。
カタカナ表記にすると「カオプン ナームンガー」が近いだろうか。
カオプンとは米麺のカノムジーンのことで、ラオスで使われる呼称のようです。
以前紹介した「カオプンナムジェウ」もカオプンを使ったもので、ルーイ県のチェンカーンでしか見ることのできない珍しい麺料理です。
私が見た「カオプン ナームンガー」もカオプンを使った料理なのでしょう。
その時に食べてみれば良かったのですが、いかんせん、朝から食べ過ぎて腹がパンパン…。
しかも、その日の昼には町を発たなければならず、カオプン ナームンガーを食べることができずにターウテンを去りました。、
ナコーンパノム市街地で見つけたカオプン ナームンガー!
その後、ナコーンパノム市街地に入ったものの、ターウテンで見た「カオプン ナームンガー」という料理名が頭を離れない。
あれはいったいどんな料理なんだろうか…。
どうしても気になるので、Googleマップで検索してみることに。
すると、数少ない検索結果の中に、すぐ近くに表示された店があった!
私はカメラを持ってホテルを駆け出し、Googleマップで表示された『ข้าวปุ้นน้ำงัวเจ้อึ่ง』へと急行。
Googleマップに営業時間が掲載されていなかったので、多少の不安がありましたが、店前まで来ると店主が麺を茹でている姿がありました。
メニューにはいくつか料理名が並んでいますが、最上段で構えているのはข้าวปุ้นน้ำงัว(カオプン ナームンガー)。
普通盛りが50バーツ、大盛りが60バーツ、ジャンボが70バーツです。
カオプン ナームンガーの発祥地はベトナム!?
湯気を立てたカオプン ナームンガーが運ばれてきました。
茶色いスープに米麺のカオプン。
一般的なクイッティアオと異なっているのは、トッピングにタケノコや山菜が使われている点でしょう。
「スープには牛を使っているのよ」
私が不思議そうな面持ちでどんぶりを眺めていたからか、店主が優しく微笑みながら教えてくれました。
そして彼女が私に持って来てくれたのが、カゴいっぱいに盛った野菜やハーブ。
こちらは無料で提供しているもののようです。
ん?ん?
そういえば、ルーイ県チェンカーンで食べたカオプンナムジェウも、野菜やハーブ取り放題。
もしかすると、同じルーツを持つ麺料理なのだろうか…。
牛ベースのスープは臭みはなく、さっぱりしながらもコクがあり、米麺に合う。
山菜も美味いし、タケノコのシャキシャキ感もイイ。
野菜やハーブはガピ(オキアミの発酵調味料)を付けていただく点も、カオプンナムジェウと同じです。
すべてを平らげたあと、店主とお話しさせていただくことに。
「カオプン ナームンガーは初めて食べました」
「そうなんですね。これはベトナム由来の料理なんですよ」
ベトナム系移民が多いナコーンパノム県だからこそ、こういった珍しい麺料理があったというわけか!
たしかに店主を改めて見てみると、ベトナム系の顔立ちをしておられる。
メコン川沿いの街を巡る私の旅は、これまで知らなかった食文化に出会える機会になっています。
店名 | カオプン ナームンガー ジェーウン/ข้าวปุ้นน้ำงัวเจ้อึ่ง |
営業時間 | 10:00-20:00 |
定休日 | 基本無休 |
Googleマップ | https://maps.app.goo.gl/NLDDUXYQnnEi3kk39 |