タイ北部

【タイ国境の街】メーサーイのグルメ4選|地元民おすすめの珍しい料理も

チェンライ市街地から車を走らせ、北へ北へ。
ひたすら北上すると、タイ最北端の地がある街メーサーイへ入ります。
ミャンマーのタチレクに繋がる国境検問所が建ち、ミャンマー人たちを受け入れていることで知られている街です。

ここメーサーイで、食したことも見たこともない料理に出会えるのは、国境をまたいで入ってくるミャンマー人や少数民族の料理が根付いていったためでしょう。

私がこのような街に来たのなら、いろんな店を訪れ、食べ巡ったのは言うまでもありません!
本記事ではメーサーイで食べ巡った4店舗を取り上げます。

ムスリムが提供する白いカオソーイ【カオソーイ イスラム】

メーサーイに到着したのは2024年2月25日。
ホテルにチェックインしてまず向かったのは国境検問所でした。
コロナ以降、日本人を含む外国人はここからミャンマーのタチレクへ渡れないとの情報が流布していたので、それを確認したかったからです。

人でごった返す国境検問所に足を踏み入れ、入り口で構えている男性スタッフに訊いてみました。

メーサーイ国境検問所

「日本人だけど行ける?」

そう言うと彼は首を横に振り、日本人はこの国境検問所からはミャンマーへ渡れないと言う。
2021年に起きたクーデターにより、メーサーイの国境検問所での外国人の往来は止められてしまったようです。
メーサーイからタチレクへ入れるようになるのはミャンマー情勢が大きく左右するので、軍と市民との衝突が続く現状では、しばらく期待できないかもしれません。

さて。
国境検問所であえなく撃沈した私は、空腹を満たすべくカオソーイ専門店『カオソーイ イスラム』へと訪れました。
店名通りムスリムが営む食堂です。
店の周辺にハラル料理店が多いことから察するに、この界隈はムスリムが多く居住しているエリアなのかもしれません。

カオソーイイスラム(ข้าวซอยอิสลาม)

店内に掲げられている色褪せたメッカの写真が、刻んできた年数を物語っています。
メニューにはカオソーイのほか、ギアオナーム(ワンタンスープ)やガパオライス、カオモッガイ、カオパットと、カオソーイ専門店では異例ともいえる料理名が並んでいる。
注文必須のカオソーイでは、牛肉を選びました。

カオソーイヌア

運ばれてきたのは、真っ白いスープが入った一杯。
ココナッツミルク多めのカオソーイなんてものじゃなく、ほとんどココナッツミルクじゃないかってほど、カレースパイスが影を潜めています。

一般的なカオソーイよりもカレー風味が抑えめとはいえ、スパイスの香りは立っていて、思ったほど甘みは少ない。
白いスープに対比するような煮込まれた牛肉は、しっかりと味が染み込んでいてスープに合う。

たっぷりの唐辛子と一緒に漬け込んだパカドーンを入れると、辛みがスープに溶けだし、別世界に豹変。

辛みの効いたパッカドーン
黄色味が強いバミー麺

カオソーイは雲南省のムスリムによって生み出されたと言われていますが、これが本来のカオソーイなのだろうか。

カオソーイの奥深さに魅入られながら完食しました。

ガイ/ไก่
カオソーイ-ヌア-ルークチン/ข้าวซอย - เนื้อ - ลูกชิ้น
パーパーソーイナムサイ-ガティ/ปาปาซอยน้ำใส - กะทิ
ギアオナームガイ-ヌア-ルックチン/เกี๊ยวน้ำไก่ - เนื้อ - ลูกชิ้น
カオモッガイ/ข้าวหมกไก่
ガパオ-ヌア/กะเพรา - เนื้อ
ガティアムプリックタイ-ヌア/กระเทียมพริกไทย - เนื้อ
カイチアオガイサップ-ヌアサップ/ไข่เจียวไก่สับ - เนื้อสับ
カオパットガイ-ヌアサップ/ข้าวผัดไก่ - เนื้อสับ
カオパットガイ-ヌア/ข้าวผัดไก่ - เนื้อ
カオラートゲーン-ヌア/ข้าวราดแกง - เนื้อ
カイダオフォーン/ไข่ดาวฟอง

チャーノムイエン/ชานมเย็น
チャーマナオ/ชามะนาว
オーリアン/โอเลี้ยง
コーヒーローン/กาแฟร้อน
コーヒーイエン/กาแฟเย็น
マイローローン/ไมโลร้อน
マイローイエン/ไมโลเย็น

店名カオソーイ イスラム/ข้าวซอยอิสลาม
営業時間07:00-17:00
定休日基本無休
Google Maphttps://maps.app.goo.gl/kaCY3WfpBFSqZZMF6

国境近くの路上でチムチュム鍋!【チムチュム サムンプライ】

国境検問所から南へ伸びる大通り。
夕刻になると両側には屋台が並び、グルメ通りに変貌します。

カオマンガイ屋台
バミーの屋台
カオカームーの屋台


陽が暮れつつある通りを歩いておりますと、見つけてしまいました。
ゴザを広げているチムチュム屋台があったんです!

路上にゴザを敷き、小さなテーブルと椅子を並べているのは『チムチュム サムンプライ』
タイ北部全県の旅の道中、ほとんどチムチュムを食べていなかったので、この屋台を見て即座に食いつきました。

歩道にゴザをいくつも敷いたチムチュム屋台
ここに具材が並んでいます

ゴザエリアのほか、テーブル席もあったのでこちらに着席。
コンビニで仕入れたビールをくいっと呷り、手渡されたメニュー用紙に視線を落としました。
しばしメニューを見ていると、スタッフがやってきてセッティングし始めたのはチムチュム鍋です。
何も言わずともチムチュムを持ってきてくれるなんて、分かってらっしゃる。

何も言わずとも運ばれてきたチムチュム鍋

メニュー用紙に記入せずとも、具材が並べられたテーブルから選べるので、タイ語が読めなくても問題なし。
大通りを走る車を横目に、国境の街で路上チムチュム。
きっとここが、タイ王国で最北端に位置するチムチュム屋台でしょう。

店名チムチュム サムンプライ/จิ้มจุ่ม สมุนแม่สาย
営業時間17:00-22:00
定休日基本無休
Google Maphttps://maps.app.goo.gl/77rkchg1HHYBsjH56

メディアでも取り上げられたカオレムフン専門店【カオレムフン パーペン】

メーサーイでの滞在中に食べておきたい料理がありました。
カオレムフン(カオフン)と呼ばれるタイヤイ族由来のもので、豆をどろどろにまるまで煮込み、それを麺にかけたり、固めたりして食す料理です。

前回のメーサーイ滞在で来店したのは『カオレムフンパーナン』という店でした。
カオレムフン専門店で、数年前に訪れたときは地元の客で賑わっていた人気店です。
意気揚々と店の前まで来てみると、どうも店の雰囲気が変わっている。

「うちは持ち帰りだけになったんだよ」

前回来店したときの店主はおらず、別の女性スタッフに聞くと店内での飲食はできないようになったと言う。
コロナの影響により営業形態を変えたのかもしれません。

すっかりカオレムフンを食べる気になっていただけに諦めきれず、急きょリサーチすることに。
そこで見つけたのが、さほど離れていない場所にあった『カオレムフン パーペン』でした。

カオレムフン パーペン(ร้านข้าวแรมฟืน ป้าแปง)

テレビで紹介された様子が店内に貼り出されていて、どうやらかなり人気店のよう。
メニューにはカオレムフン以外の料理名も並び、その中で気になったのはカオソーイナムスー(ข้าวซอยน้ำสู่)

注文したのは汁ありのカオレムフンナーム、そしてもう1品はカオソーイナムスーです。
ところが、店主が運んできたのは2品だけじゃない!

どうやら私が動画撮影用の機材を持っていたことから、他の料理も取り上げてもらいたいと思ったようで、店主ご自慢の料理を含む全4品と、原料で使われている豆まで持ってきてくれました。
カオレムフンで使われている豆は3種類。他に米を使ったものもあると言います。

気前よく他の料理をご馳走してくれた店主です
店主が持ってきてくれたカオレムフンで使う豆の数々

まずいただいたのはカオレムフン ナーム(ข้าวแรมฟืนน้ำ)
スープのどろっと感は、天下一品のこってりラーメンを超える粘度で、「飲む」というよりは「食べる」に近いかも。

カオレムフン ナーム(ข้าวแรมฟืนน้ำ)
天一顔負けのどろどろ感


中には麺も潜んでいて、絡みつくこと半端ない!
一見すると味が濃いように映りますが、豆が原料となっているのでそれほどでもなく、味付けには醤油と酢を混ぜたタレが使われています。

ヤムカオレムフン(ยำข้าวแรมฟืน)

こちらは店主がサービスで提供してくれたヤムカオレムフン(ยำข้าวแรมฟืน)。
サクサクとした食感の揚げたカオレムフンを使ったヤムで、一般的なヤムの味付けではなく、胡麻ドレッシングのようなタレが使われています。

こちらが揚げたカオレムフンです

カオソーイナムスー(ข้าวซอยน้ำสู่)は、カレースパイスは一切使われておらず、カオソーイの概念を覆す一品。
こちらも醤油と酢のタレがスープのさっぱりとしたカオソーイで、冷やし中華のようです。

カオソーイナムスー(ข้าวซอยน้ำสู่)
麺も一派的なカオソーイとは異なり、米麺を使っています

カオソーイの世界はなんて深いんだ…。

カオヨンフア/ข้าวยองฮ่วย
カオガンジン/ข้าวกั้นจิ้น
ヤムミールアン/ยำหมี่เหลือง
カオソーイガイ/ข้าวซอยไก่
カオソーイナムクア「ナムギョウチアントゥン」/ข้าวซอยน้ำคั่ว (น้ำเงี้ยวเชียงตุง)
カオガイルアン/ข้าวไก่เหลือง
ポピアトート/ปอเปี๊ยะทอด
ギアオトート/เกี๊ยวทอด
カオナームオイ/ข้าวน้ำอ้อย

カオレムフン ウン「シームアン/ルアン」/ข้าวแรมฟืนอุ่น (สีม่วง/เหลือง)
カオレムフン チム「シームカーオ/シームアン/シールアン」/ข้าวแรมฟืนจิ้ม (สีขาว/สีม่วง/สีเหลือง)
カオレムフン ナーム「シーカーオ/シームアン/シールアン」/ナムマクアテート/ナムプリアオワン/ข้าวแรมฟืนน้ำ (สีขาว/สีม่วง/สีเหลือง) น้ำมะเขือเทศ/น้ำเปรี้ยวหวาน
カオソーイナムスー/ข้าวซอยน้ำสู่
ヤムカオフーントート/ยำข้าวฟืนทอด
ヤムカオソーイノイ/ยำข้าวซอยน้อย
カオソーイノイチム/ข้าวซอยน้อยจิ้ม
ヤムマーラー/ยำหม่าล่า
ヤムカオレムフン「シーカーオ/シールアン/シームアン」/ยำข้าวแรมฟืน (สีขาว/สีเหลือง/สีม่วง)

店名カオレムフン パーペン/ร้านข้าวแรมฟืน ป้าแปง
営業時間08:30-18:00
定休日基本無休
Google Maphttps://maps.app.goo.gl/CsCmADo2hLztxT3d7

これは広島焼き!?【カオソーイノイ パーペン ハイソー】

メーサーイ最後の食事処として選んだのは、またもやカオソーイです。
がっつりとカレースパイスが効いたカオソーイが食べられると思って来店したのですが、ここでも衝撃を受けることになります。
『カオソーイノイ パーペン ハイソー』で提供しているカオソーイノイは、もはや麺料理でもありませんでした!

カオソーイノイ パーペン ハイソー(ข้าวซอยน้อยป้าแปงไฮโซ)
店を1人で切り盛りする女性店主

薄い生地のうえに具材を載せて焼き、タレをかけて仕上げている。
広島焼きとでも表現すればいいのか…。
クセも辛さもなく、親近感の湧く料理だけに食べやすい。

今回のメーサーイ滞在で、私が抱いていた【カオソーイ観】は完全に瓦解いたしました…。

カイ「カイテーク/カイダオ」/ไข่ (ไข่แตก/ไข่ดาว)
ムー/หมู
プーアット/ปูอัด
サイクローク/ไส้กรอก

カオソーイノイ/タートチャムボールアム/ข้าวซอยน้อย ถาดจัมโบ้รวม
カオソーイノイ タートレックルアム/ข่าวซอยน้อย ถาดเล็กรวม
カオソーイノイ 3ヤーン/ข้าวซอยน้อย 3 อย่าง
カオノイ 2ヤーン/ข้าวซอยน้อย 2 อย่าง
カオソーイノイ 1ヤーン/ข้าวซอยน้อย 1 อย่าง
カオソーイノイホームー 3ペン/ข้าวซอยน้อยห่อหมู 3 แผ่น
カオソーイノイペンカーオ 5ペン/ข้าวซอยน้อยแผ่นขาว 5 แผ่น
カオソーイソンクルアン タマダー/ข้าวซอยน้อยทรงเครื่อง ธรรมดา
ヤムミー/ยำหมี่
ヤムカノムジーン/ยำขนมจีน
カオコン フワイ/ข้าวของห่วย
カイソンクルアン/ไข่ทรงเครื่อง

店名カオソーイノイ パーペン ハイソー/ข้าวซอยน้อยป้าแปงไฮโซ
営業時間08:00-17:00
定休日基本無休
Google Maphttps://maps.app.goo.gl/HQp5kuF1qht87kGy8

タイ国境の街メーサロンはYouTubeでもどうぞ

本記事で取り上げた4店舗は、YouTubeでも公開しています。
4店舗で食べ巡った軌跡を、動画でもぜひご覧ください。

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