タイでは日本のように、店の前に数十メートルの行列をなし1時間以上も待って、5分で食べ終わるラーメンを並ぶことなどほとんど見たことがありません。
あのラーメン屋の行列を見ていると、戦後、食料配給が行われていたころの写真を思い出します。
飽食の時代。
何でも食べられるようになってしまった時代がゆえ、自らで“食”に対しハードルを設け、それをクリアーすることで満足感を得ているのかもしれません。
メディアの影響も大きいでしょう。
雑誌やテレビで取り上げられれば一斉にその店を目指す。
翌月には別の店が取り上げられ、次はその店。
取り上げられた店すべてが繁盛店になれるはずもなく、数ヶ月後には長蛇の列が出来ていたのがウソのように静まり返り閑古鳥が鳴いてしまう。
駅近でもないパッタイ屋に長蛇の列が!
もちろんタイにも長蛇の列をなす飲食店はあります。
パッタイ専門店「THIP SAMAI(ティップサマイ)」はその一店舗です。
創業1966年、50年近くパッタイの人気店として君臨してきただけあり、17時に開店するや瞬く間に行列が発生します。
日本の行列と異なるのは、「ティップサマイ」は数年間、毎日のように大勢のお客さんが並んでいること。
しかも「ティップサマイ」が立地しているのは王宮近く。
BTSやMRTなどの駅近くではないのに、これほど並ぶのは一過性の人気ではなく本物の証です。
店側もをなるべく早く食べていただくため、数名のスタッフを使いパッタイを炒めまくります。
ふんわり卵で包まれたパッタイ・ホーカイ
次から次へと炒められていくパッタイ。
それでも店の前に並ぶ人々は増え続け、バンコクではあまり見ることがない長蛇の列へと成長していきます。
お薦めはふんわり卵に包まれた「パッタイ・ホーカイ」。もちもちとした麺の食感と卵のふんわり感がコラボして、バンコク最強とまで言われるパッタイに昇華し、人々の味覚に訴える逸品になるのです。
「ティップサマイ」ではパッタイの他、特製オレンジジュースも人気メニューの1つ。タイで行列が出来る希有なタイ料理店だけに、行列に並んででも食べてもらいたいパッタイです。
ティップサマイへの行き方
冒頭にも書いたように『ティップサマイ』は旧市街にあるため、BTSやMRTなどの鉄道が通っていません。
タクシーで向かうならMahachai Rd(ถนนมหาชัย)と伝えるのがいいでしょう。
どうしても公共交通機関を利用したい方は、バスという手があります。
BTSアソーク駅があるアソーク通りで、508番のバスに乗車。
ひたすら西へ走り旧市街へ向かってくれますので、あとはご自身で窓の外を眺めつつ『ティップサマイ』の発見に務め、前を通ったあたりで素早く降車!
ご検討をお祈りいたします。
【SHOP DATA】
「ティップサマイ(ทิพย์สมัย)」
TEL:02-221-6280
OPEN:17:00-02:00
ADDRESS:313-315 Mahachai Rd., Samranrat Sub-District Pranakorn District,Bangkok 10200
PRICE:パッタイ(60バーツ)、卵包みパッタイ(80バーツ)