[その他]特集 [料理名]ガイヤーン(タイ版の焼鳥)

バンコクで行っておきたい評判の高いガイヤーン5店舗!

2017-01-01

激旨!タイ食堂をご覧のみなさま、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
2017年は酉年ということで、第1発目を飾る記事は「鶏」を扱ったネタにしようと2016年から画策し、取材を進めていました。
鶏を扱ったネタとは……、ガイヤーンです!

わたしが数あるタイ料理の中でトップ5を挙げるならば、ガイヤーンはその1つとして間違いなく入ります。
ガイ=鶏 ヤーン=焼く
2つのタイ語の組み合わせを見ればお分かりのように、ガイヤーンとはタイの焼き鳥です。
鶏肉を漬け込むタレ、焼き加減、生後何日の鶏を使うか、雄肉か雌肉かなど、あらゆる要素が絡み合い、そのうえ調理人のセンスが加わり、ガイヤーンの仕上がりが決まります。

ガイヤーンはもともとイサーン(タイ東北地方)の料理で、わたしはガイヤーンをオーダーする時はソムタム&カオニャオ(蒸したもち米)を共にすることが8~9割。この三品をイサーン料理界の“漫画トリオ”と勝手に呼んでいます。

日本人で「鶏肉が苦手」という方は稀でしょうし、ガイヤーンはスパイシーでもなくハーブも使われていないことから、タイ料理の中でも日本人に好まれている料理の1つ。
イサーン料理店のメニューに並んでいることもあれば、ガイヤーンを主戦力品にした食堂やレストランも無数にあり、バンコク中心部であっても「ガイヤーンを食す」というだけなら困ることはないでしょう。

バンコク都内に星の数ほどあるガイヤーンの店の中から、5店舗だけを取り上げようという無謀な企画が今回の主旨です。
激旨!タイ食堂を運営し始めてから1年半。
来店した総店舗数が400店を超え、脳内には夥しく蓄積した店舗の記憶がごちゃ混ぜに詰め込まれ、鬱蒼とした森のようになってしまっています。
そんな記憶の森へ旅に出かけ、道なき道を歩み、5店舗だけを持ち帰り、本企画を仕上げた次第です。

ではまいりましょう。
わたしが選んだ、バンコクで行っておきたガイヤーンで評判の高い5店舗です!

 

定番で面白味もないけどココは紹介したおかなければならないかと『サバイジャイ レストラン』

sabaijai3

わたしがタイへ移住して間もなく、知り合いの方から
「ガイヤーンが美味しいお店へ案内するよ!」
と言われ、連れて行ってもらったのが1店舗目として紹介する、ガイヤーンの代名詞的な存在の『サバイジャイ レストラン(Sabaijai Restaurant)』です。
数多あるブログで紹介され、『サバイジャイ レストラン』の情報を得るには困らないことから、「激旨!タイ食堂」では一度も取り上げたことがありません。

事実をその目で確かめたければ、いますぐインターネットで「サバイジャイ」と入力しググってみてくださいな。
こんなに出てくるんかい! っていうほど無数の記事が出現します。

『サバイジャイ レストラン』の行き方

BTSエカマイ駅を降り、エカマイ通りを北上。右手にHealth Land & Spaが見えてきたら左手がエカマイ・ソイ1になり、このソイの入り口です。
エカマイ駅から徒歩で向かうとなると10分は歩かなければならないでしょう。

sabaijai2

サバイジャイがバンコクでイチバン旨いガイヤーン?

前述の理由から一度も取り上げたことはありませんでしたが、『サバイジャイ レストラン』には何度も来店したことはあります。
『サバイジャイ レストラン』を知らなかった方でも、ネット検索で無数の記事をご覧になると、この店がどれほど有名なガイヤーンの店であるかお分かりいただけるでしょう。
事実、『サバイジャイ レストラン』は連日連夜、日本人だけではなくタイ人、欧米人などあらゆる人種が詰め掛け、満席続き。
決して狭い店舗ではなく数十席は有しているにも関わらず毎夜客であふれ返るのですから、『サバイジャイ レストラン』がどれほど儲けているのか、想像するだけで恐ろしくなるのはわたしだけではないでしょう。

sabaijai1

飛ぶ鳥を落とす勢いの鶏ですが、一部のガイヤーンフリークからは批判的な声を聞くこともあります。

「最近は鶏の質も落ちたし、事前に焼いたものを温めて出すのが通例になった」

ガイヤーンのレベルでいえば高いほうだとは思いますが、猫も杓子も「ガイヤーンといえば『サバイジャイ』」という風潮が強いのはいかがなものかと思います。
これから紹介するお店でも食べていただき、それでも『サバイジャイ』の方が旨い!と言えるか。
というのが今回の副題でございます。
わたしは声を大にして言いたい。

ガイヤーンの代名詞は『サバイジャイ』だけじゃない!

【SHOP DATA】
「サバイジャイ レストラン(ร้านสบายใจ)」
TEL:02-714-2622
OPEN:10:00-23:00(無休)
ADDRESS:65/5 Soi Eakmai 1 Sukhumvit 63 Road khet Vatana Bangkok 10110
PRICE:ガイヤーン(半羽)90B

屋台から成りあがったガイヤーンドリームの店『珍平酒楼(チャンペンレストラン)』

changphen1

バンコクのタイ料理店を取り上げるこのサイトを運営していることもあり、わたしが複数の方々とタイ料理店へ食事に行く時は高確率で店選びに任命されます。
彼に任せておけばダイジョブ、といういかにもごもっともな意見ではありますが、わたしのおすすめだからといってマニアックで不便な場所へ案内するわけにもいかず、駅近、そこそこの人数を収容できる、評判が高い、クーラーが設置されている、などの条件をクリアーさせるとなると限られてくるわけです。
こうなると考えるのも面倒くさい。
そういうときは毎回、ここにしちゃいます。
『珍平酒楼(チャンペンレストラン)』です。

『珍平酒楼(チャンペンレストラン)』への行き方

最寄り駅はMRTルンピニ公園駅です。
1番出口を出たら右折。そのまま数十メートル歩くだけで、はい到着!
今では4階建てで、駐車場も有している立派なレストランですが、70年以上前に創業した当時はガイヤーンの屋台からスタートしたそうです。
『サバイジャイ レストラン』や、のちに紹介する『ニッタヤガイアヤーン』に並び、ガイヤーンドリームを体現した店舗の一つでしょう。

旨いのはガイヤーンだけじゃない!

店名や、店内に並べられた円卓が表すように、『チャンペンレストラン』はタイ中華料理レストランです。そんなタイ中華レストランがイサーン料理のガイヤーンから開業し、これほどの店舗になったのは珍しい。
『チャンペンレストラン』を成功へと導いたのがこちらのガイヤーン!
ニンニクと胡椒を効かせ、パンチのあるしっかりとした味付けが特徴です。

changphen3

わたしがガイヤーンを食すとき、通常なら先に触れたように”漫画トリオ”と称したソムタムとカオニャオのトリプルタッグで臨むのですが、タイ中華レストランなのでソムタムもカオニャオもメニューにない。
(ソムタムは注文すれば作ってくれます)
わたしがガイヤーンの相棒に選んだのは、塩漬けした魚を使ったチャーハン、カオパット プラーケムです。
こういった組み合わせでガイヤーンが食べられるのも、『チャンペンレストラン』ならではの特徴でしょう。
ここでオーダーした料理でハズれたと思ったものは一品もなく、特におすすめしておきたいのはオースワンやプーパッポンカリーです。
大人数で来店していろんなメニューを食べまくってください。

changphen2

※お店の場所などは以下記事でご覧ください。

珍平酒楼(チャンペンレストラン)|絶品なのはガイヤーンだけじゃない!

 

知り合いのタイ人が「イチバン旨い」と絶賛!『ニッタヤガイヤーン(Nittaya Kaiyang)』

nittaya1

わたしがガイヤーンのことをどうだこうだと言っておりますが、本場タイ王国で生まれ育ったわけではなく、所詮は外国人。
タイ人はどこのガイヤーンがイチバン美味しいと思っているのか。
先に紹介した『サバイジャイ』へ取材で来店した際、知り合いのタイ人に同行してもらっていたので、主題となる質問をぶつけてみました。

「わたしが好きなのは『ニッタヤガイヤーン』」

バンコク在住者ならばご存知の方も少なくないでしょう。
ラマ4世通りに数年前オープンした『SuanPlern Market』というモールには数店舗の飲食店が軒を連ね、ここの1階に入ったのが『ニッタヤガイヤーン』です。
日本人にはあまり知られていませんが、本店はバンコクの隣県ノンタブリー県にあり、ラマ4世通りに出来た店舗を含め11店舗を展開。
ガイヤーンの中では、もっとも知られた店舗といって過言ではないでしょう。
ちなみに、本店を含む11店舗は以下に列挙しました。
リンク先は支店それぞれを紹介している、ニッタヤガイヤーンのWebサイトです。

ニッタヤガイヤーン11店舗

ニッタヤガイヤーン本店
※本店はバンコクの北に接しているノンタブリー県。易々と行けそうにないけど、本店は一度は行ってみたい。

Praha Chuen交差点支店
※チャトゥチャック公園から北西。もう少しでノンタブリー県という場所。

Phra Gang Klo支店
※2016年に開通したばかりのパープルラインを使えば、駅から近そうです。

Muang Thong Thani支店
※本店からやや北にあるので、バンコクからだとさらに遠い。

Phahon Yothin支店
※BTSアーリー駅から徒歩10分圏内にありそう。

Pin Klao支店
※ピンクラオは数度訪れたことはあるけど、とてもここまでは行けません…。

Rangsit支店
※ドンムアン空港よりもさらに北。行けなくはないかもしれないけど、ここまでは行かないな。

Nawamin 53支店
※ミンブリー県との県境近く。この辺りなら住んでいる日本人もいるかも。

PTT支店
※もう少し西に行けば隣県のナコンパトム県。しびれるね〜。

The Crystal PTT支店
※クレット島の近くです。日帰り旅行だ…。

ラマ4世通りSuanPlern Market支店
※多くのバンコク在住者、旅行者はこの支店がもっとも行きやすいでしょう。

これだけ多店舗展開しているガイヤーン店が、他にあるのかわたしは知りません。
知りうる限り、タイ国内で最多店舗を誇るガイヤーン店です。
わたしは一度だけラマ4世通りの『ニッタヤガイヤーン』へ来店したことがあったのですが、そのときは午後7時ごろだったこともあり混雑を極め、店舗前には番号を渡され待っている客がどっさり。
今回の来店では二の轍を踏むまい。
そう心に決めていたにも関わらず、取材で来店したのが昼の12時30分だったのは、猛烈なる空腹に負けてしまったという、人間味あふれる理由です。

nittaya2

昼どきになってしまったため仕方ありませんが、やはり並んでます!
スタッフに番号札をもらい、待つこと10分ほど。
わたしが手にする61番が呼ばれ、店内へ通されました。
店員に告げたのがガイヤーン&カオニャオの二品!
いつもならレギュラーメンバーであるソムタムには、今回は外れていただきました。

nittaya3

オーダーしてさほど待つことなく運ばれてきたガイヤーンは見惚れるほどの色艶で、わたしの眼球をしばし不動にさせる美しさ。
ニンニクと胡椒を効かせたパンチある味付けにも惚れた!
相棒として選んだカオニャオはカオダムという赤飯。赤飯なんだけど黒さが勝っている米で、これも絶品です。
さすが、タイ国内で最多を誇る(私調べ)ガイヤーン店だけあります。

ラマ4世通り支店『ニッタヤガイヤーン』への行き方

難なくタクシーを利用できる方なら、ラマ4世通りのショッピングモール『Lotus』を伝えるのが手っ取り早いでしょう。
『Lotus』と『SuanPlern Market』はさほど離れていませんので、『Lotus』からですと徒歩で1、2分といった距離感です。
タイ語が話せない方は……。
付近にMRTもBTSの駅もないため、徒歩で向かうにはかなり距離がある。
BTSプロンポン駅かBTSトンロー駅付近でタクシーかバイクタクシーをつかまえ、นิตยาไก่ย่าง(ニッタヤガイヤーン)かโลตัส ถนนพระรามที่ 4(Lotus ラマ4世通り)というタイ語を見せて、運ちゃんが行けそうなら乗車しちゃいましょう。

【SHOP DATA】
「ニッタヤガイヤーン(นิตยาไก่ย่าง)」
TEL:02-042-6315
OPEN:10:30-21:30
ADDRESS:3654 Rama 4 Khwaeng Khlong Tan, Khet Khlong Toei, Krung Thep Maha Nakhon 10110.
PRICE:ガイヤーン(半羽)100B
WEB SITE:http://nittayakaiyang.com/en/

 

ラマ9通りのハラルフードレストランで極上ガイヤーン『Jeerapan』

img_6278

「激旨!タイ食堂の記事を見て、『Jeerapan』までガイヤーンを食べに行きました」
このように話してくれたのはバンコク在住の男性です。
ラマ9世通りに立地する『Jeerapan』は最寄り駅がなく、来店するとなるとタクシーなどを利用するしか手がないのですが、彼もご多分に漏れずタクシーで向かったと言います。

タイ南部料理を押しのけガイヤーンが最人気

img_6267

2015年10月14日付けの記事で取り上げた際も書きましたが、『Jeerapan』はガイヤーンを扱っているのですが、イサーン料理店ではなくハラルフードレストランです。
ハラルフードとはイスラム教の戒律に則って処理された食材を指し、ハラルフードレストランとはその食材を使った飲食店をさします。
つまり『Jeerapan』のオーナーはイスラム教徒(ムスリム)で、豚肉料理は一切なし。
タイ南部料理のマッサマンカレーやカオモッガイなどがあるのは、ムスリムがタイ南部に多いことも関係しているのでしょう。
ハラルレストランでありながら、イサーン料理のガイヤーンが評判になる店というのは、わたしがこれまで取材した中では『Jeerapan』しかなく、非常に稀なケースです。

このガイヤーンにはどのような秘密が隠されているのか…

img_6289

遠い炭火でじっくりローストされているガイヤーンは旨味がしっかり詰まっていて、評判の高さに納得。
焼き加減の妙に拍手を送りたくなります。
ここのナムチム(付けダレ)は他店のドロっとしたものとは少々風味が異なり、あっさりとしていて甘め。

img_6259

創業して20年という『Jeerapan』のオーナーは女性の方でした。
オーナーのアンカナーさん、なんと平日は大学で教鞭をとっているそうです。
大学教授でありながら、ガイヤーンが旨いハラルレストランを営む経営者。
なんだかよくわからなくなってきましたが、あまりの多才ぶりに頭が下がります。
なお、ラマ9世通りには『ラマ9ガイヤーン』という、『Jeerapan』のガイヤーンに遜色しない店もあります。『Jeerapan』の目と鼻の先なのでガイヤーンを食べ比べてみるのも面白いかも。
※場所などの詳細は以下の記事でご覧ください。

ガイヤーンが旨いハラルフードのタイ料理店!

 

エカマイ通りならこっちじゃないでしょうか!?『ノムジット ガイヤーン』

nomjit3

エカマイ通りは『サバイジャイ レストラン』の人気、および知名度があまりにも高いため、他にもある名店が霞みがちです。
わたし個人的には、エカマイ通りのガイヤーンで推したいのは『ノムジット ガイヤーン』。
店名にきちんとガイヤーンを冠し、「うちはガイヤーンで勝負しとるんや!」という気概を感じさせる点が清々しい。

『ノムジット ガイヤーン』の場所

エカマイ・ソイ1にある『サバイジャイ レストラン』よりもさらに北にあり、エカマイ・ソイ18の入り口付近になります。
外観だけを見ると、そこらにある食堂に映りますが、創業したのは仏歴2515年。
西暦に変換するには543年を引きますので、1972年創業です。

王者の風格を感じる絶品ガイヤーン

わたしよりも若干先輩となる『ノムジット ガイヤーン』は、タイの著名人が来店したときの様子など堂々たる写真を壁に並べ、格の違いを見せてくれます。
スタッフによって運ばれてきたガイヤーンがテーブルに並べられたその時です。
ローストされた薫りがカウンターパンチのごとく嗅覚に猛アタック。
立ち昇る薫りだけで眩暈をもよおし、ほんの数秒だけ意識が遠のいたのは、このガイヤーンが只者じゃない証左でしょう。

nomjit1

ゆっくりとガイヤーンを一口頬張ると、薫り高く、少々塩気が強い。
『珍平酒楼』や『ニッタヤガイヤーン』のようなニンニクや胡椒を効かせたパンチのあるガイヤーンとは異なり、漬け込んだナンプラーの味わい、炭火で炙ることによって纏う立ち昇る薫りを前面に押し出したガイヤーンです。
40年以上もの長きに渡り、タイ人から愛されているガイヤーンはまさに王者。
エカマイ通りのご近所にある某店のガイヤーンと『ノムジット ガイヤーン』をボクシングに例えるなら、具志堅用高vs具志堅用高のモノマネをする片岡鶴太郎の一戦、とでも言えばいいでしょうか。

nomjit2

ソムタム カイケムやカオニャオと共にガイヤーンを食べ終わったわたしは、ガイヤーンの調理場を見せていただく許可を得ることができました。
炭火が敷かれた台があり、ここでガイヤーンをローストしているようです。
わたしが来店したのは開店してすぐだったこともあり、提供する前に軽くローストしてくれたのか、ローストしたばかりのガイヤーンを出してくれたので、破壊力ある薫りが立ち昇ったのかもしれません。

nomjit4

ほんとに旨いガイヤーンを求めているなら、エカマイの某店だけではなく『ノムジットガイヤーン』も一度は味わってみてもらいたいものです。

【SHOP DATA】
「ノムジット ガイヤーン(น้อมจิตต์ไก่ย่าง)」
TEL:02-392-8000
OPEN:9:00-21:00(第四火曜日休み)
ADDRESS:332,334 Soi Sukhumvit 63 Road, Khwaeng Khlong Tan Nuea, Khet Watthana, Krung Thep Maha Nakhon 10110
PRICE:ガイヤーン(半羽)95B、ソムタム カイケム80B

バンコク発チャータータクシー&プライベートツアーの手配やってます

僕が運営している旅行会社ではバンコク発のチャータータクシーやプライベートツアーの手配をしています。
タイ旅行にお役立てください! 



-[その他]特集, [料理名]ガイヤーン(タイ版の焼鳥)