2016年10月13日、在位80年を誇ったタイのラマ9世国王(プミポン・アドゥンヤデート国王)が崩御したのは、チャオプラヤー川沿いに建つシリラート病院でした。
シリラート病院といえば「死体博物館」として知られていますが、ラマ9世国王の父親ソンクラーナカリン氏が教鞭をふるっていた由緒ある病院で、タイで最古かつ敷地面積がもっとも広く、その規模は東南アジア最大とまで言われています。
ホルマリン漬けになった奇形児や凶悪犯罪人が展示されているのは病院内の博物館で、タイへ移住したばかりの2011年に一度だけ訪れたことがありました。
当時も館内の写真撮影は禁止されていましたが、昔は撮影できたようで、「シリラート病院」で検索していると館内の写真を掲載したブログを発見。
グロい系のお写真が苦手な方は、失神覚悟でご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/hammocklife/archives/65501634.html
日本ではもとより、他国でもこういったホルマリン漬けにした死体を公開している博物館は珍しい。
バンコク中心部や旧市街など一通り見て歩いたら、シリラート病院に行ってみるのもいいかもしれません。
目次
シリラート病院への行き方
公共交通機関を使うならまずBTSサパーンタクシン駅です。
1番出口の階段を降り、チャオプラヤー川沿いにある船着き場へと。
ここから発着しているチャオプラヤーボートを利用します。
ここの船乗り場はBTSから近くにあるため利便性がよく、午前中はほぼ毎日のように長蛇の列。
目指すシリラート病院はNo.11、ボートの料金は40バーツです。
ボートの座席でもっとも早く埋まっていくのは川側の席なので、できることなら最前列近くに並んでおくのがベター。
後列に並んでいると川側の席どころか、座席にすら座ることができず、せっかくの低価格チャオプラヤークルーズなのに風景を眺められないどころか、写真すら撮れない。
私はなんとか外側の席を陣取り、写真や動画を撮りまくることに成功しました。
サパーンタクシン駅近くの船乗り場Sathorn Pierから、目指すN11のThonburi Railway Pierまでは、チャオプラヤー川の飛沫を浴びながら30分ほどの船旅。
ぎゅうぎゅう詰めだった船内のほとんどの乗客は、Wat ArunやThe Maharaja Pierで降りるため、そこからは優雅なクルージングを満喫することができます。
といっても、The Maharajaの次で降りなければならないんですけどね!
11番の船着き場に着いたら時刻表が掲載されているので、帰りの便を念のためチェックしておくのがいいでしょう。
シリラート病院のふもとに広がるワンラン市場
タイへ移住したころは、週末になるとチャオプラヤーボートに乗り、カオサンやピンクラオ、ここシリラート病院などへ出かけていましたが、数年経つとまったく利用しなくなっている。
この日、チャオプラヤーボートを利用したのは、ほんと数年ぶりでした。
ひさしぶりに乗ると旅行者に戻ったような気分になれ心地いい。
チャオプラヤー川から跳ね上がる小汚い飛沫も気にならない!
さて、私がシリラート病院を目指したのは、なにも死体が見たかったわけではありません。
すぐ近くに広がるローカル市場を訪れたかったのです。
ワンラン市場とよばれ、平日でも週末でも朝早くから店は開き、昼ごろになると細い通路は人々で溢れかえる、地元の人々にとって生活に欠かせない市場です。
シリラート病院が近隣にあるものの、ワンラン市場まで足を延ばす旅行者は少ないようで、ときおり欧米人を見かける程度。
主に衣服を売る露店や店舗が目立ち、他はアクセサリー、腕時計、フルーツ類、得体の知れないガラクタなどの露店が、細い通路の両側で営業しています。
ワンラン市場で食べまくる!
旅行者が少ないワンラン市場のローカル感は私の心を弾ませてくれるのですが、最たる目的はワンラン市場内の食堂で食べ歩きしようという企みです。
旨いと評判の店が多いことは事前調査済み。
胸に秘めたる任務を遂行するため、朝から何も食べず胃袋を空っぽにして来た私は、ワンラン市場の雰囲気を一通り堪能したのち、とあるバミー屋を目指しました。
細麺のバミーと自家製ワンタン『サイマイ』
シリラート病院を抜けて、そのままワンラン市場へ突入。
人混みに抗うことなく進むと左手に行列ができている店に遭遇しました。
1店舗目はここか!
軒先を覗き込むと、タイ料理店ではなくパン屋でした。
焼きたてであろう食パンが、飛ぶように売れていく。
小分けにして販売していれば、ちょいと買って食べてみようかとも思うのですが、食パン一斤は独り身には多過ぎますよ!
きっと美味しいんでしょうが、私は写真だけ撮影して素通り。
この店を過ぎて十数メートルほどの先に、お目当のバミー(中華麺)屋がありました。
創業20年以上を誇る『サイマイ』は、自家製ワンタンのバミー(バミーギアウ)が評判のようで、先客のタイ人たちを見るとほとんどが中華麺を啜っています。
私はスープ有りのバミーギアウをチョイス。
朝から何も食べず空腹を抱えていただけに、丼は瞬く間に空っぽ。
『サイマイ』はタップティム・ゴップと呼ばれるココナッツミルクのスイーツも人気のようで、こちらもいただきました。
タイにありがちな超甘いテイストではなく、ほどよい甘味。
はぁ、美味しかった。
【SHOP DATA】
「サイマイ(ร้านสายไหม)」
TEL:089-168-6115,089-449-8024
OPEN:9:30-17:30(隔週月曜日休み)
PRICE:バミーギアウ40B、タップティム・ゴップ25B
熱々のパッタイと鉄板ホイトート『ジェーウアン ホイヤイ ガタローン』
ジュー!ジュー!ジュー!
鉄板で炒めている音を聞くと、必ず反応する我が本能。
旨そうな音と香りで私を覚醒されてくれたのは、ホイトート専門店の『ジェーウアン ホイヤイ ガタローン』です。
ホイトートとは小麦粉と卵で溶いたものに、貝などの具材を混ぜて焼いたお好み焼きのような料理で、そこらにありそうで意外とあまり見かけない。
テーブル席が数席だけの小さな店舗ですが1席しか空いておらず、唯一空いているテーブルにはスタッフのオカマさんがお座りになっておられる。
私を見るやササッと立ち上がったオカマさん。
『ジェーウアン ホイヤイ ガタローン』にはホイトートのほかパッタイもあり、先客のタイ人たちは2人で2品を食べている方がほとんど。
私はひとりぼっちですが、2品注文したのは当然です。
強力な強火で調理されたホイトートは鉄板に乗せられ、表面さっくり、中はふんわり。
具材は貝だけでなくイカなど他のシーフードもトッピングで入れてもらいました。
ひとりぼっちですが、はふはふ言いながらいただくホイトートは格別。
旨い!
パッタイも強火で炒められているだけに、ベチャっとしておらず良い仕上がりです。
「ここは新しい店で、本店がこの近くにあるんです」
教えてくれたのは先ほどのオカマさんではなく、調理を任されている若い男性。
語尾に必ず「カップ」と付ける礼儀正しい彼に教えてもらい、本店にも足を運んでみました。
店内には入りませんでしたが、本店だけあり外観は年季が入っています。
場所は以下の地図です。
【SHOP DATA】
「ジェーウアン ホイヤイ ガタローン(เจ๊อ้วนหอยใหญ่ กระทะร้อน)」
TEL:095-121-5694
OPEN:11:00-18:00(無休)
PRICE:パッタイ60B、ホイトート60B
Facebook:https://www.facebook.com/HoiYai/
小さいとはいえ2杯のボートヌードルを完食『クイッティアオ ルー ワンラン』
上記2店舗から南へ下ること数十メートル。
私の耳にアコーディオンの音色が届いてきました。
路上で演奏する中年男性の演奏です。
膨れた腹をなでつつしばし演奏に聴きいっていたのですが、ちょうど男性の向かい側に見えた店が、またもや私の食欲中枢を刺激。
クイッティアオ・ルアのお店です。
クイッティアオ・ルアとは、タイのわんこそばとも呼ばれる、小さな丼のクイッティアオです。
バンコクだと戦勝記念塔周辺に数店舗あり、以前取り上げたことがあります。
旨いタイ版わんこそば「クイッティアオ ルア」は戦勝記念塔にあり!
クイッティアオ・ルアはナムトックという濁ったスープが一般的で、これをいただくのはもちろんですが、汁なしバミー麺も気になる。
どちらも捨て難いので、2品ともオーダーしましたよ!
丼の底に沈殿している甘めのタレを麺にからめる。
麺のコシがしっかりとありタレもほどよく、これはいい。
【SHOP DATA】
「クイッティアオ ルー ワンラン(ก๋วยเตี๋ยวเรือวังหลัง)」
TEL:02-866-0357
OPEN:7:00-18:00(無休)
PRICE:クイッティアオ・ナムトック25B、バミー25B
陶器の皿でいただくカオマンガイ・パソム『トンプー カオマンガイ』
これまでのワンラン市場散策で、私は麺ばかりを食べている。
そろそろ違った料理も食べたく、次に訪れたのはカオマンガイ屋です。
場所は2店舗で紹介したホイトートの斜め向かい。
ホイトートのスタッフがカオマンガイ屋に入る私を見ていたなら「あいつまだ食っとるのか」と、呆れること間違いないでしょう。
『トンプーカオマンガイ』では、茹で鶏と揚げた鶏肉(ガイトート)をトッピングした、カオマンガイ・パソムをオーダー。
ガイトートはパン粉を衣にしている私好みで、ナムチム(付けダレ)も深くて旨い。
もう1点特筆したいのは使っているお皿です。
カオマンガイ屋で使っている皿はプラスティック製がほとんどですが、こちらでは陶器製を使用。
皿だけを見てもこだわりが見える『トンプーカオマンガイ』はオープンしてまだ1年半ほどだと言いますが、小規模ながら来店者が途切れません。
【SHOP DATA】
「トンプー カオマンガイ(ตนโพธิ์ ข้าวมันไก่)」
OPEN:6:30-17:00
PRICE:カオマンガイ35B、カオマンガイ・パソム45B
締めはハニートースト!『サワン ワンラン』
ここまで食べると、私の腹は妊婦のような美しいフォルムになってきました。
ワンラン市場の締めとして決めていたのはオーガニックカフェを謳う『サワン・ワンラン』。
店内には無数のフィジュアや人形などを陳列、カフェなのに昭和っぽい雰囲気を匂わせ、昭和49年生まれの心をギュッと掴んでくれます。
カフェだからコーヒーを飲むのは当然ながら、それだけではありきたり。
メニューに並ぶスイーツでもっとも存在感を光らせているのはPremium Honey Toast Mangoなんですが、名前と写真を見るとカロリー超高そう!
ここまでたどり着くまでにかなりのカロリーを摂取しているでしょうから、いまPremium Honey Toast Mangoを食すと、間違いなくカロリーオーバー。
グルメサイトを運営しているのに、そんなこと気にしてられっか!
そう自分に言い聞かせ、私のもとへお出ましいただきました。
分厚いトーストには蜂蜜がかかり、頂上にはアイスクリーム、脇を飾るのは生クリームとマンゴー。
超ハイカロリースイーツでございますが、めちゃ美味しかったから気にしません!
ごちそうさまでした!
【SHOP DATA】
「サワン ワンラン(สวง วังหลัง)」
TEL:097-030-0142
OPEN:10:00-19:00(無休)
PRICE:Premium Honey Toast Mango160B
Facebook:https://www.facebook.com/SawongWanglang/
シリラート病院やワンラン市場へ小旅行
バンコク中心部から見ると、チャオプラヤー川を越えるため一見アクセスが難しそうに見えるエリア。
ところが、いざ向かってみるとそうでもないんです。
アソークからであれば、BTSを使いサパーンタクシン駅へ。
サパーンタクシン駅の1番出口を降りれば、すぐ目の前がチャオプラヤー川です。
ここまで来れば旅行者がたくさんいるので、彼らと同じ方向へ向かってチケットを買えば、ほぼ完了。
一つだけ関門があるとすれば、船着き場を間違えないことぐらいでしょうか。
数年前、私がボートに乗ってあちこちへ訪れていたときは、船内アナウンスなんてありませんでしたが、いまはタイ人スタッフが船着き場を英語でアナウンスしてくれています。
※すべてのボートではありません。
構えることなく、気楽にチャオプラヤー川向こうを目指してください。
アテンド承っています
それでも不安という方は、私どもでアテンドを承っています。
ご希望の日時やルート、ご予算などは、以下お申し込みフォームからお送りください。
3日以内にはお返事をするようにしておりますので、3日以上お返事がない場合はご記入いただいたアドレスが間違っている可能性もあります。
メールアドレスを確認して再送していただくか、もしくはLINE@からメッセージをお送りいただいても結構です。
アテンドはシリラート病院やワンラン市場以外の場所でも承りますので、まずはフォームからご相談内容をお送りください。
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