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1993年創業|バンコクの高級タイ料理レストラン【バーンカニタ】

2015年に立ち上げたこのブログでは、これまでに1000店舗近くのタイ料理店を紹介してきました。
名店と呼ばれる食堂から、日本人にはあまり知られていない穴場の屋台まで、取り上げてきた店舗はさまざまです。

とはいえ、誰もが知っている高級店を紹介することは、これまでほとんどありませんでした。
ローカル店をテーマにしてきただけに当然といえば当然なのですが、そういったレストランも知っておいた方がいいのではないか、と思うようになったのです。

ブログ立ち上げから10年が経ったいま、その思いが強くなり、今年からは高級タイ料理店も紹介していくことに。

その第一弾として取り上げるのが『バーンカニタ』
本記事では、日本人にも広く知られるこの名店をたっぷり紹介いたします。

バーンカニタ・スクンビット23店

1993年創業の本格タイ料理店【バーンカニタ】とは

バンコクの美食家たちから長年にわたって愛されてきた名店は、1993年に創業しました。

店名の由来は、オーナーであり、世界で活躍したシルクファッションデザイナーでもあるカニタさん。
ご自身が国際的な交流を重ねる中で、
「海外からのお客様にも、本物のタイ料理を、家庭のような温かい雰囲気の中で味わってほしい」
という想いから、このレストランは生まれました。

『バーンカニタ』の魅力は、タイの伝統的な味を大切にしながらも、お客様の健康を第一に考えた料理づくり。
すべての料理に化学調味料(MSG)は一切使われておらず、タイ・カオヤイには自社のオーガニック農園「バーン・パナライ(บ้านพนาลัย)」を構え、野菜や果物を自家栽培。
収穫された食材は毎日各店舗に届けられ、新鮮で安心できる料理が提供されています。

バンコクで5店舗を展開する【バーンカニタ】

現在、『バーンカニタ』はバンコク市内に5つの支店を展開しています。

スクンビット23、サトーン、スクンビット53、アジアティークの4店舗は「Thai Cuisine Brand」として、昔ながらのオーセンティックなタイ料理を提供。
たとえばトムヤムクンや鶏肉とカシューナッツ炒めなど、タイの定番がズラリ。

一方、アイコンサイアム店では、タイの王室料理や古典的な宮廷料理にインスパイアされた「ロイヤルキュイジーヌ(Royal Cuisine)」がテーマ。
見た目にも華やかで、繊細な味わいが楽しめるメニュー構成です。

タイの伝統と洋のエッセンスが融合した【バーンカニタ】の空間美

『バーンカニタ』の扉を開けると、まず目に飛び込んでくるのは、重厚なチーク材の家具と、温かみのある照明。
シャンデリアがきらめくクラシカルな空間は、どこかヨーロッパの邸宅を思わせつつ、タイらしい装飾が柔らかく彩りを添えています。

店内はすべてテーブルクロス付き。椅子の背もたれやクッションには上品なグリーンやイエローがあしらわれ、肩肘張らずに過ごせる落ち着いた雰囲気に包まれています。
自然光がたっぷり差し込む窓辺の席や、カーブを描くソファ席もあり、接待などの重要な会食にもぴったりです。

今回はそんな『バーンカニタ』で、お店の方がおすすめしてくださった料理ををじっくりいただいてきました。
どれも伝統的な調理法にこだわりつつ、素材の良さと丁寧な仕立てが感じられる料理ばかり。
前菜からデザートまで、順を追って紹介していきます。

見た目も味も完璧な一品。ミアンカム(เมี่ยงคำ)

ミアンカム(เมี่ยงคำ)

まず最初にサービスとして出てきたのが、こちらのミアンカム。
チャプルーの葉の上に、小皿で整然と並ぶのは、刻んだ赤シャロット、しょうが、ライム、干しエビ、ローストピーナッツ、炒ったココナッツ、そして中央にどっしりと構えた甘辛ダレ。

ひとつまみずつ葉っぱに包んで一口で頬張ると、口の中でタイの味覚が大爆発します。

甘い、辛い、酸っぱい、苦い、香ばしい——
しかも、このソースの甘さがくどすぎず、全体をうまくまとめてくれます。

トムヤムクン・タイガーシュリンプ(ต้มยำกุ้งลายเสือ)480バーツ

トムヤムクン・タイガーシュリンプ(ต้มยำกุ้งลายเสือ)480バーツ

出てきた瞬間、まずはその迫力あるビジュアルに目を奪われます。
デカい海老が、どーん!と構えていて、これはテンション上がります。
お値段は480バーツとちょっと強気ですが、見た目からして納得。

ひと口飲んでみると、想像よりもすっきりしてる。
バーンカニタのトムヤムは“クリーミー系”ではなく、ガティ(ココナッツミルク)を使わず、ハーブの香りをダイレクトに感じるクラシックなクリアスープ系です。

レモングラスやバイマックルーの香りがふわっと広がって、そこにプリッとしたタイガーシュリンプの甘みが加わり、満足感が押し寄せてきます。

ヤムソムオー・バーンカニタ(ยำส้มโอบ้านขนิษฐา)340バーツ

ヤムソムオー・バーンカニタ(ยำส้มโอบ้านขนิษฐา)340バーツ

唐辛子の赤さとエビの艶やかな照り具合に、思わず身構えてる一品。

ですが、実際はまったく辛くありません。
むしろ、口の中で弾けるような爽やかさと、ほんのりした甘みのバランスが絶妙!

主役はジューシーなソムオー(ザボン)
この果実のぷちぷち感と、ローストココナッツの香ばしさが、想像以上に合います。
さらに、プリプリのエビがゴロゴロ入っていて、食べごたえも十分な一皿です。

プーニムパットポンカリー(ปูนิ่มผัดผงกะหรี่)650バーツ

プーニムパットポンカリー(ปูนิ่มผัดผงกะหรี่)650バーツ

テーブルに運ばれてきた瞬間、目に飛び込んできたのは、この鮮やかなイエロー。
見るからに濃厚そうなカレーソースが、皿の上でとろりと広がっています。

タイ語で“プーニム”はソフトシェルクラブ、“パットポンカリー”はカレー粉炒めのことです。
つまり、殻ごと食べられるカニを、スパイス香る卵入りのカレーソースで絡めた一皿。

ひと口食べてまず感じたのは、驚くほど軽やかな口当たり。

見た目はこってり系に見えますが、口に入れると意外なほど軽やか。
ココナッツミルクのまろやかさとカレー粉の香りがふわっと広がり、後からほんのりピリ辛が追いかけてきます。

価格は650バーツとやや高めですが、素材と仕上がりを考えると、十分に納得できるクオリティです。

チューチー クンナーン(ฉู่ฉี่กุ้งนาง)980バーツ

チューチー クンナーン(ฉู่ฉี่กุ้งนาง)980バーツ

登場したのは、チューチー クンナーン(エビのレッドカレー炒め)。
価格はなんと980バーツ!
メニューの中でもひときわ高級な一皿。

まず見た目の迫力がすごい。
大ぶりのエビに、たっぷりとレッドカレーソースがかけられていて、上にはココナッツミルクがさらり。
仕上げのこまかく刻んだバイマックルーと赤唐辛子がアクセントになっています。

ひと口食べてみると、エビはぷりっぷりで身が甘く、しっかりと火は入っているのに、固くなりすぎていません。
絶妙な火入れ加減です。

ソースは甘さ、辛さ、ココナッツのまろやかさがすべて調和していて、口に入れた瞬間にレッドカレー特有の香りがふわっと広がる。
しかし重たさはなく、最後まで飽きずに食べられるバランスでした。

ゲーン・マッサマン・ガイ(แกงมัสมั่นไก่)360バーツ

ゲーン・マッサマン・ガイ(แกงมัสมั่นไก่)360バーツ

「本当にマッサマンカレー?」
そう思ってしまうほど、よく見るものとは少し違います。

でもこれこそが、昔ながらの製法でつくられたマッサマンカレーなんだそうです。

使われているのは鶏肉。
器をのぞき込むと、大ぶりの骨付きチキンに加えて、玉ねぎ、ピーナッツ、ホクホクのジャガイモもしっかり入っています。

スプーンでひと口すくって口に運ぶと、ふわっと優しい甘みの中に、深いスパイスの香りがじんわり広がります。
そして驚くのが、脂っぽさが一切ないこと。

マッサマンカレーというと、どうしてもココナッツミルクの重たさや油分が気になりがちですが、この一皿は本当に軽やかで、最後のひと口まで美味しく食べられました。

カオニャオ・マムアン・アイスクリームガティ(ข้าวเหนียวมะม่วงไอศกรีมกะทิ)320バーツ

カオニャオ・マムアン・アイスクリームガティ(ข้าวเหนียวมะม่วงไอศกรีมกะทิ)320バーツ

食事のラストを飾ってくれたのが、こちら。
カオニャオ・マムアンに、自家製ココナッツアイスクリームを添えたデザートです。
価格は320バーツ。

まず、マンゴーの美しさに目を奪われました。
カットの仕方も丁寧で、ツヤツヤと輝く果肉は、もうそれだけでデザートの完成形。
甘みがしっかりあって、程よい酸味もあり、食後でもすっと食べられます。

そして、主役級の存在感を放っていたのが、もち米(カオニャオ)。
ココナッツミルクがしっかり染み込んでいながら、ベチャつかず、お米一粒一粒にほんのり塩気があって、マンゴーの甘さをきれいに引き立ててくれます。

【バーンカニタ】の魅力とは

これまで一度も来店したことのなかった『バーンカニタ』。
取材を進めて分かったのは、この店が長年にわたって多くの人々に愛されてきた理由が、知名度や格式だけではないということです。

素材選びへの徹底したこだわり、伝統に根ざした調理法、そして一皿一皿に込められた丁寧な仕事ぶり。
そこには、流行や派手さとは違う、本物の魅力が詰まっていました。

今回の取材で対応してくださったアナンさん
店名バーンカニタ スクンビット23
営業時間11:00-23:00
定休日定休日なし
Googleマップhttps://maps.app.goo.gl/kYaJoh5xVCAVFcNG9

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