※バンコクの屋台記事は、2021年に再度執筆しました。以下の記事では14店舗を紹介していますので、そちらもご覧ください。
2017年も師走に入り、年末年始の休暇でタイに来られる方も多いでしょう。タイといえば屋台文化。路上で食べるタイ料理は格別です! そこで今回はバンコクの屋台にピックアップしました。
屋台の記事の前に、ツアーの告知をさせてください。
2017年12月30日にバンコクから1時間ほどのところにある、エビの火山蒸し焼きを食べに行くツアーを開催します! 私が「タイでもっとも美味しいエビ!」と言い切っているほど美味しい。詳しくは本記事の最後に掲載していますので、そちらをご覧ください。
目次
撤去が続くバンコクの屋台群
タイだけではなく東南アジアの食を代表するスタイルに「屋台」は外せないでしょう。
バイクや車、TukTukの排気音が鳴り響く中、プラスティック製の器に盛られたおかずやご飯、イサーン料理などを並べる食事は、東南アジアならではの楽しみです。ところがタイにフォーカスすると、ここ1、2年、屋台エリアに対し次々と撤去命令が発令。
タイの風物詩でもある屋台街の姿が、みるみる無くなっているのが現状です。
少なくなっているバンコクの屋台街。
ネットで「バンコク 屋台」をキーワードに検索すると、すでに撤去に追い込まれ無くなっているスクンビット・ソイ38や、ルンピニ公園横のチムチュム屋台の情報が上位に表示されます。
ご存知ない方にお報せしておきますと、どちらも有名な屋台エリアでしたが、すでに撤去しています。
実はルンピニ公園横のチムチュム屋台が無くなっているのを知ったのはつい最近。
「激旨!タイ食堂」でも紹介したことがあるだけに、かなりショックでした…。
ネット検索で古い情報が上位に表示されているのは心苦しい限り。
そこでわたしは「バンコクで行っておきたい5つの屋台街 2017年度版」と題し、いまだ撤去命令が下っておらず元気に営業している屋台街を紹介しておこうと思い立ちました!
「屋台街」の定義について
まず「屋台街」という言葉について定義しておきたいと思います。
ネット上の屋台街情報では、フードコートや、明らかに屋台ではない食堂も含まれており、あやふやで曖昧な情報が散見されます。
そこでわたしは以下を「屋台街」として定義しました。
① 路上で営業している店舗。
② 条件の①を満たす屋台が5店舗以上が密集していること。
③ テーブルがあり座って食事が出来る屋台であること。
以上3つです。
フードコートは入っていませんし、持ち帰り専門屋台が並んでいるエリアも取り上げていません。
その場で食事が出来る路上に席が設置された店舗
をここで取り上げる屋台としています。
駅から近く旅行者でも行きやすいエリアからスタートし、最後は少々行きづらいローカルな場所までピックアップしました。
最後に紹介するYOTSE通りの屋台街は駅から歩くと20分ほどはかかる難所ですがおすすめです!
ルンピニ公園北側 Sarasin通り
さきほど触れたように、ルンピニ公園の西側で営業していたチムチュム屋台群はいつの間にか撤去しなくなっています。
しかしルンピニ公園にはもう一つ屋台エリアがあるんです。
早朝から屋台が現れ始める北側の通り。
お粥やクイッティアオ、ガオラオ、カイガタなどの屋台が並びます。
Sarasin通りの東端から西端まで並びますが、東側は野菜や海鮮類、果物、衣服などを売る屋台が多く、飲食店は西側に集中しています。
カイガタの屋台でまずは腹ごしらえ
わたしはここで2軒の屋台を食べ歩きました。
まずはカイガタ屋台。
カイガタとは鉄鍋で焼いた目玉焼きで、まったくタイ料理っぽくなく、洋風朝食メニューといった料理。
この料理、もともとはベトナムからの料理だそうで、東北部のウドンタニーへ入り、タイでも広まったそうです。
カイガタの屋台は創業してだいたい30年ぐらいだそう。
わたしが来店したのは日曜日の午前9時ごろでしたが、ジョギング終わりの人など、たくさんのお客さんで忙しそうでしたよ。
【SHOP DATA】
カイガタ屋台
OPEN:5:00-11:00(土日や12:00まで営業、月曜日休み)
PRICE:カイガタ30B
座る席がない!? クイッティアオ・ガイの屋台
カイガタを食べ終え、屋台エリアの散策開始。
カイガタ屋台から東へと向かって歩いていたんですが、そこで満席の屋台に出会いました。
鶏のクイッティアオ、クイッティアオ・ガイの屋台です。
女性1人で営むこちらでは、クイッティアオとカオマンガイトートの2品が食べられます。
空席がないのは分かっていましたが、なんとかなるだろうと思い後先考えずオーダー。
女性は麺をゆがき始める前に、即席で一つテーブルを用意したのち、クイッティアオを作り始めてくれました。
お手数をおかけ致しました。
こちらのクイッティアオは2種類のスープを混合。
ほろほろになるまで煮込まれた鶏肉、柔らかな苦瓜とともに、深みのあるスープがよく合います。
わたしはバミー麺をチョイスしたのですが、こちらは平麺を使用しています。
この麺も好きだなぁ。
【SHOP DATA】
クイッティアオ・ガイの屋台
OPEN:9:00-13:00(月曜日休み)
PRICE:クイッティアオ・ガイ50B
ルンピニ公園北側 Sarasin通りマップ
BTSサパーンタクシン駅 Robinson裏の屋台街
この屋台街はあまり知られていないと思います。
BTSサパーンタクシン駅の隣りにあるRobinson。この裏に1年ほど前から突如現れました。
昔からある屋台街ではないので、雰囲気が洒落ている。
すぐそばがシャングリラホテルということもあり、欧米人旅行者がここでビールを飲んでいる姿をときどき見かけます。
6〜7軒の店が並び、それぞれで扱っている料理が異なります。
チムチュム、タイシーフード、ガイヤーンやソムタム、オースワン(牡蠣の卵とじ炒め)などなど、一通りの料理が揃い、それぞれの屋台で注文。
キャッシュオンデリバリーのシステムです。
ビールを飲みたい方は隣りのフードコート内にある飲料店へ行かなければならず、しかもこの店、わたしが好きなLEOビールはなく、チャンビールしかありません!
どうしてもチャンビール以外が飲みたいようでしたら、来店前にコンビニで購入しておきましょう。
ここで夜風を浴びながらいただいたのはえのき茸の揚げ物とチムチュム、ガイヤーン!
手頃な価格で、なおかついろんなメニューが揃っているのは嬉しい。
屋台によって営業時間は若干異なりますが、おおよそ夕方15時〜16時ごろオープンし、22時ごろまで営業しています。
【SHOP DATA】
ソムタム屋台
OPEN:16:30-22:30
PRICE:ガイヤーン50B
BTSサパーンタクシン駅 Robinson裏の屋台街マップ
タニヤ通りの屋台街
BTSサラデーン駅から直結しているタニヤプラザへと入り、1階へ降りると日本食店が軒並み揃うタニヤ通り。
この通りの中央部に旨い店が並ぶ屋台エリアがあり、朝や昼は界わいで働くタイ人で賑わっています。
入口で営業しているお粥屋台でまず一杯
昼食時のピークタイムは、ほとんど席が空いていないほど密集率アップ!
朝、タニヤ通りから入るとまずジョーク(お粥)の屋台が出迎えてくれます。
「創業してから何年?長いよ」
店主の女性はジョークをかき混ぜながら、わたしにジョークを一杯手渡してくれました。
生卵を落としてもらったお粥を一口。
いままで食べたジョークの中で、もっとも熱い!
予想を裏切る熱々ぶりに、嬉しくなりましたが。
【SHOP DATA】
OPEN:6:00-9:30
PRICE:ジョーク(卵入り)40B
NO MSGのバミー専門店
お粥屋台の2軒ほど隣りにあるバミー屋台。
ここのバミーは化学調味料を一切使わない優しいバミーで、ぷりぷりのエビが包まれたギアオ(ワンタン)も秀逸なんです!
店主は朝ひたすらワンタンを包み、混雑する昼どきになると麺をゆがく作業に従事、来店するお客さんに絶品の一杯を提供していきます。
タニヤ通りで創業し約20年。
「化学調味料を使わないのは、使わないほうが体にいいからね」
健康に気を使いながらも味は損なわない。
優しく癒される一杯をぜひ味わってみてください。
【SHOP DATA】
OPEN:7:00-13:30(日曜日休み)
PRICE:バミー ギアオ グン ムー70B
上記以外にも、以前紹介したことのある日替わりメニューのあるぶっかけ飯屋もおすすめ。
月曜日から金曜日まですべて食した記事は以下をご覧ください!
https://gekiuma.net/thaniya-kaogean/
タニヤ通りの屋台街マップ
ヤワラー(中華街)の屋台エリア
MRTフアランポーン駅から歩くこと5分。
タイ最大の中華街ヤワラーが広がっています。
ヤワラーにはあちこちに屋台が林立、ヤワラー自体が屋台街のようになっていいるのですが、もっとも知られた屋台といえばT&Kシーフードでしょう。
毎夜、観光客でごった返し、繁忙時間帯は空席を待つ客が溢れるほど。
写真を見ただけでは、どこがテーブル席でどこが歩道なのは分からない……。
ここはガイドブックにも載っているのであえて紹介せず、わたしが今回推すのはそこから徒歩2〜3分の場所にある小さな通り。
この両脇にびっしり屋台が並び、人気店もひしめいているんです。
通りの入口には2016年1月5日に紹介した、ぶっかけカレー屋台が営業しています。
ぶっかけカレー屋台のちょうど真向かい。
クイジャップの屋台があるんですが、まずここがスゴい!
いつ来訪してもクイジャップを求める客で溢れ、空席を待つ人々が並ぶほどの人気店です。
従業員の方々は当然のように忙しいわけですが、創業年数だけ聞かせていただくと、この場所で20年以上営んでいるとおっしゃってくれました。
まずは『Nay Lek Uan』でクイジャップを一杯!
【SHOP DATA】
「Nay Lek Uan」
OPEN:18:00-24:30(月曜日休み)
PRICE:クイジャップ50B
ヤワラーのシーフード屋台はT&Kだけじゃない!
さきほど触れた『T&Kシーフード』はヤワラーの超人気屋台としてかなり有名です。
わたしはここで食事をしたことがあるのはたった1回だけ。
だって、人が多いんですもの!
『T&Kシーフード』の混雑を嫌うなら、ここの屋台通りのシーフード屋台がおすすめです。
『Fai Lek Uan Yawarat』は通りを入った50メートルほどの場所にあり、店頭でフライパンを振る調理人がいればビンゴ。
こちらも知る人ぞ知る人気屋台で、ピークタイムは座れないほど客がびっしり。
ほとんどが白人客なので、欧米系のガイドブックには掲載されているのでしょう。
炎を上げ調理している様子は、テーブルに座っていても見惚れる姿。
この姿を見たら炒め物を頼まないわけにはいきません!
空芯菜炒めのパックブーンファイデーンと、エビと春雨を蒸したクンオップウンセンを並べ、LEOビールで乾杯!
【SHOP DATA】
「Fai Lek Uan Yawarat」
OPEN:18:30-24:00(無休)
PRICE:パックブンファイデーン80B、クンオップウンセン180B
ヤワラー(中華街)の屋台エリアマップ
YOTSE通りの屋台街
通り名を見ただけでピンと来た方は、かなりのタイ飯通!
まずはどのあたりなのか地図をご覧いただきましょう。
YOTSE通りの屋台街マップ
最寄り駅というのはありませんが、あえて挙げるならMRTフアランポーン駅。
駅から川沿いを北上していくだけなので複雑な道のりではありませんが、徒歩で行くとなると20分は覚悟しなければならない距離です。
ヤワラー通りから1kmほど北上した場所にあるYOTSE通りは、夕刻になると続々と屋台が並び、待ちわびていたかのようにタイ人客が現れます。
西端から通りを入ると、まずお出迎えしてくれるのは人気店『Suki Yaki Maverick』。
名前の通りスキーの専門店です。
17時30分ごろにはほぼ満席になるだけに、炒めている調理人はなんと4人!
同店にはスキーともう一品、クアガイという太麺と鶏肉を炒めた料理も提供しており、炒めている4人はスキー係とクアガイ係に分かれているようです。
さて、わたしがいただいたのは汁無しスキーとクアガイの二品。
スキーって色合いがなく写真にすると美味しそうに見えないのが残念なんですが、強火の炒めっぷりが見事で、一口食べるとここが人気店であることがすぐに理解できます。
簡潔に申し上げると、旨いんです!
クアガイも最高の炒め具合で、こちらも旨し!
創業したのは仏暦2503年。西暦だと1960年になるので56年の老舗店のようです。
【SHOP DATA】
「Suki Yaki Maverick(สุกี้ยากี้เมาเวอริค)」
TEL:081-005-2526
OPEN:15:30-22:30(水曜日休み)
PRICE:スキー60B、クアガイ50B
この通りでスキーと言えば、2軒隣りにわたしが紹介したお店があるんです!
こちらも人気店『Elvis Ski』。
ヤワラーにスキー(タイスキ味の春雨麺)の名店があった!「Elvis Suki」
これらの他にクイッティアオ屋やスイーツ屋台なども並んでいます。
そしてもう1軒、先日ご紹介したモーファイ鍋にアイスクリームを盛った『アイスクリーム モーファイ YOTSE』もこの通りなんです!
開店前から行列必至!モーファイ鍋に盛られた自家製アイスクリーム|YOTSE
YOTSE通りは食べ歩き、っていうか食べまくり通りであることがお分かりいただけたかと思います。
バンコクの屋台街でタイ料理を楽しんでください
2016年は撤去命令が相次ぎ、バンコクから名物屋台街が幾つも消え去りました。
最近はキレイなタイ食堂やレストランも増え、屋台を敬遠するタイ人も増えてはいるのでしょうが、タイの食文化を語る上で外せない食のスタイルであることは間違いありません。
旅行者の中にも屋台飯を楽しみに訪タイする方も少なからずいるでしょう。
無くなりつつある屋台街ですが、今回取り上げた5つの屋台街は元気に営業しています。
本記事が、タイでの屋台街巡りの参考になれば幸いです。