私は以前「激旨!タイ食堂」で、藁で焼くガイヤーンなる珍しい料理を取り上げたことがあります。
これを提供しているのはスパンブリー県の『クルアガンナー』という店舗。
店の周辺は田園が広がる地方のどかな風景で、そんな中にポツリと建っている。飲食店の立地条件としてはよろしくないように見えるのですが、『クルアガンナー』は藁で鶏を蒸し焼きにした「ガイオップファン(ไก่อบฟาง)」なる一撃必殺メニューを持っているためか、休日になるとタイ人がわらわらと来店いたします。
藁をたっぷりと敷き、棒に刺した鶏肉を地面にぶすり。その上に小型のドラム缶をかぶせて数十分かけて蒸し焼きにするというものです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
バンコクではこの藁焼きガイヤーンをやっている店舗はありませんが(私調べ)、スパンブリー県ではなぜか数店舗でガイオップファンを扱っています。
私が憶測するに、大量の藁を使うため田園が周辺になければ調理できないという事情もあるからでしょう。
その点、スパンブリー県は田園の宝庫。どこにでも田が広がっているため、藁の調達が容易なんだと思います。
ここまで書いて気付いたのは、タイの地方はだいたいどこに行っても田園があるということ!
目次
ナコンパトム県で見つけた藁焼きガイヤーン
バンコクから行ける距離でガイオップファンが食べられるのは、スパンブリー県がもっとも近いのだと思っていたのですが、どうやらそうではなかったよう。私が見つけたのはナコンパトム県にある藁焼きガイヤーンの店でした。
ナコンパトム県はバンコクの西に隣接し、車だと1時間足らずで県境まで行ける距離です。
私が発見したのは、ナコンパトム県の郊外にある『ルンピン パーリム ガイオップピーブ』。店舗というほどしっかりとした構えではなく、半屋台のような食堂で、田舎道の通り沿いにぽつんと建っています。
藁焼きにより大量の煙が発生するため市街地では調理できないので、『クルアガンナー』同様、人里離れた場所に出店しなければならないのでしょう。
郊外なのにガイオップピーブを求め客足が止まらない
『クルアガンナー』を始め、藁で焼くガイヤーンを一般的にガイオップファンとタイ語では呼ばれています。ところが、ナコンパトム県の『ルンピン パーリム ガイオップピーブ』は、店名に”ガイオップピーブ”と表記されている。
”ピーブ”ってなんだろか…。
「ピーブ(ปี๊บ)っていうのは、鶏肉にかぶせている缶のことだよ」
そう教えてくれたのは店を切り盛りしている女性で、彼女は現在70歳。お店は20年近くやっているそうです。
普段は旦那さん一緒に店にいるそうですが、この日は体調が優れず不在でした。
ここでは店の奥に鶏を焼くスペースを設けており、次々と藁焼きガイヤーンが仕込まれ、煙がモウモウと立ち昇っている。
イートインできるスペースはわずかしかないのにこれほど仕込んでいるのは、客のほとんどが持ち帰りで買っていくため。
私は持ち帰ることなく、その場でいただきました。
柔らかさにうっとりさせられる地鶏の柔らかさ
使っている鶏は地鶏だそうですが、蒸し焼きにしていることで鶏肉が柔らかく仕上がり、炭火で焼いたガイヤーンとは別物
炭火のガイヤーンのような香ばしさは少ないですが、藁焼きだからこそ得られる仕上がりは、ガイオップピーブだからこその特徴です。
ガイヤーンといえばカオニャオ(もち米)、もしくはビールがお供と決まっている。
当然、カオニャオはオーダーしておりましたが、ビールも欲しくなり、店主の女性に伺いました。
「店にはビールはないけど、うちのスタッフが買ってくるよ」
わざわざ買ってきてくれる!
LEOビール2本をオーダーすると、男性スタッフはバイクにまたがり走り去り、5分ほどしたら冷たいLEOビールを持って帰ってきてくれました。
乾杯!
『ルンピン パーリム ガイオップピーブ』をYouTubeでも紹介しています
2019年12月1日より立ち上げた、私個人のYouTubeチャンネル「西尾旅行社」。
こちらのチャンネルで、今回紹介した『ルンピン パーリム ガイオップピーブ』をアップしています。
映像だからこそ伝わる魅力もありますので、ぜひこちらもご覧ください。
私のチャンネルではタイ地方の魅力を発信。チャンネル登録していただければ、タイのこと、タイ料理のことがもっと詳しくなれると思います。
【SHOP DATA】
「ルンピン パーリム ガイオップピーブ(ลุงพิน ป้าริน ไก่อบปี๊บ)」
TEL:086-174-6433
OPEN:09:00-15:00(基本無休)
PRICE:ガイオップピープ180B