本記事を執筆している2024年時点でタイに住み始めて13年。
10年以上もタイでお世話になっているというのに、ウッタラディットという県名をほぼ耳にすることなく生きて来ました。
ウッタラディット県の名前を知ることになったのは、タイ北部を全県を巡ることが決まったことがきっかけです。
タイ在住者であってもほぼ聞くことのないウッタラディット県は、市街地の中心をナーン川が貫き、東側はラオスと接し国境を有しています。
県名を耳にすることがないのは、まずバンコクから距離があることと、観光資源に乏しいことが大きな理由だと思います。
それだけに日本語の情報も乏しいわけですが、だからこそ秘境感がある!
「秘境」なんていう表現をすると住んでいる方からお叱りを受けそうですが。
とにもかくにも、どんな料理に出会えるのかとワクワクしながらウッタラディット県に入りました。
目次
ウッタラディット県地元グルメ①|ガイトート(唐揚げ)+バミー麺
初めてのウッタラディット県滞在で利用したホテルは「シーハラートホテル」です。
地元の方に聞けば県内ではけっこう有名なホテルだそうで、決して新しくはないですが、スタッフはちゃんとしていて部屋は広く快適に過ごすことができました。
ホテルからタイ国鉄ウッタラディット駅までそれほど距離がなかったので、チェックインを済ませると早々に駅を見にいくことに。
てっきり人が少ない寂しい感のある駅かと思いきや、それなりに立派で人も多い。
ウッタラディット県に着くや駅を訪れるなんて、列車に興味を持っているように思われるかもしれませんが、まったくそんなことはなく、私がほんとうに訪れたかったのは駅のすぐ近くにあるクイッティアオ屋でした。
徒歩1分ほどにある『クイッティアオ サンシエン』です。
この店はクイッティアオ屋でありながらガイトートもウリにしており、唐揚げに目が無い男だけに「麺+ガイトート」の組み合わせがあると知って、いの一番に来店したというわけです。
私がオーダーしたのは、バミーヘンガイトート(บะหมี่แห้งไก่ทอด)。
ガイトート乗せスープ無しのバミー麺です。
実際はガイトートだけではなく、揚げ麺やレタス、揚げたワンタンの皮などが豪華に盛られ、主役でもある麺がまったく見えておりません。
まずは見えないバミー麺を底から持ち上げて、沈殿したタレをしっかりと絡ましていく。
サクッと揚がったガイトートとバミー麺。
2つの異なる食感は素晴らしい共演となり、思わず天を仰ぎました。
麺に絡まったタレも絶妙な味わいで、この上ない満足感!
ウッタラディット県での滞在中、2度も来店したお気に入りの麺屋です。
店名 | クイッティアオ サンシエン/ก๋วยเตี๋ยวซามเซียน |
営業時間 | 05:00-15:00 |
定休日 | 基本無休 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/ovAX3kWNsJBJS3Tq9 |
ウッタラディット県地元グルメ②|地元料理のカオパンパックを食す!
ウッタラディット県でのグルメ情報を調べていると、カオパンパック(ข้าวพันผัก)という聞いたことのない料理名に出会いました。
県内にはこの料理をいくつか扱う店があり、立地している場所を見ると市街地ではなくラップレーなる地区に集中。
そのひとつが、『カオパンパックIndy』です。
店主のイラストを店頭に掲げたり、店内には昔の看板を取り入れレトロ感を出したりしているので、創業年数は浅い店のよう。
カオパンパックとは、薄く敷いた生地の上に野菜や春雨を乗せ包んで蒸したものに、いろんな具材をトッピングした料理です。
私がチョイスしたのは煮込んだ牛肉をトッピングしたカオパンパックヌアプアイ(ข้าวพันผักเนื้อเปื่อย)。
牛肉のほかルークチンやケープムーも脇役として添えられています。
薄めの生地は蒸していることでモチっとした食感があり、野菜の甘みと春雨との組み合わせが絶妙なコンビネーション。
似ている料理をしいて挙げるなら、スキーヘンです。
女性スタッフはいとも簡単そうに調理していましたが、生地の厚みだとか、キレイに包む技術だとか、見た目よりも難しでしょう。
もう1品、見たこともないカイムアン(ไข่ม้วน)という料理名を見つけたので、これもいただくことに。
卵を使った生地を蒸して丸め、いろんな具材と共に食す料理です。
これにイエンタフォーのソースをかけたのがカイムアンイエンタフォー(ไข่ม้วนเย็นตาโฟ)。
麺もご飯もなく、ルークチンやギアオトート、ルアットなどが共に盛られています。
これらと主役の卵クルクル蒸しをいただくわけですが、おかずのオンパレードで、ちょっとした贅沢感が楽しめました。
カオパンパックもカイムアンもウッタラディット県名物。
どちらも必食です。
店名 | カオパンパックIndy/ข้าวพันผัก indy |
営業時間 | 09:30-17:00 |
定休日 | 水曜日 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/JTtBJfmYNMSd3dtd8 |
ウッタラディット県地元グルメ③|創業30年ミーパン&ミークルックの食堂
スコータイ県で来店した『カオピープ ヤイクルアン』で、ミーパンという初の料理に出会いました。
詳しくは以下の記事で紹介しましたが、ウッタラディット県でもこのミーパンを扱っている店があったんです。
店名に料理名を冠した『パーワン ミーパン ラップレー』。
民家のような店舗で、いい感じに自宅っぽい雰囲気が漂い、お家へ呼ばれたような錯覚すら感じます。
「うちは30年ぐらいやっているよ」
ミーパンを作りながらお話ししてくださったのは女性店主。
下味をつけたビーフンをライスペーパーに乗せ、ひとつひとつ丁寧に巻いていきます。
6本ほどを作ったら、1本だけをお皿に乗せて、他はバナナの葉に包んでしまいました。
なんで?
「少しの間、葉に包んで寝かしておくことで、ライスペーパーが柔らかくなって食べやすくなるんだよ」
確かに巻いた直後のミーパンをいただくと、ライスペーパーが硬めで若干食べづらい。
数分経ったものをいただくと、いい感じに柔らかくなっていました。
ここへミーパンを求めてくる人はほとんどが持ち帰りなので、自宅で食べる頃にはほどよく柔らかくなっているってことか!
もう1品出してもらったのはミークルック。
見たことのない料理名だったので注文してみたのですが、ミーパンで使った下味付きのビーフンに、もやしやネギ、ケープムーといった面々を乗せた麺料理でした。
ケープムーを使うあたり北タイっぽい。
ミークルックは、どこか他の店で出会うことがあるんだろうか…。
店名 | パーワン ミーパン ラップレー/ป้าหว่างหมี่พันลับแล |
営業時間 | 10:00-18:00 |
定休日 | 基本無休 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/Vs994uqJQdH4CiB26 |
ウッタラディット県地元グルメ④|筍や海老、豆腐などの揚げ物パラダイス
上記で紹介した『パーワンミーパン ラップレー』から南へくだること数十メートル。
大鍋にたっぷりと注いだ油で、いろんな食材をガンガン揚げているのが揚げ物専門店『ジェニーコントート ラップレー』でございます。
揚げる具材は筍(ノーマイトート/หน่อไม้ทอด)やらワンタンの皮(ギヤオトート/เกี๊ยวทอด)、豆腐(タオフートート/เต้าหู้ทอด)。
そして驚きなのが、海老を丸ごと揚げたクントート(กุ้งทอด)!
バンコクで揚げ物といえばガイトートかギアオトート、ルークチンといった程度ですが、これだけいろんな食材を揚げて提供している店は案外ない。
ビールがあれば最高なんだけど、さすがにメニューにはありませんので、どうしても飲みたい方は持参してどうぞ!
店名 | ジェニーコントート ラップレー/เจ๊นีย์ของทอดลับแล |
営業時間 | 08:00-16:00 |
定休日 | 基本無休 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/1h2spaS4gA7PotzXA |
ウッタラディット県地元グルメ⑤|地元タイ人が薦めるカオパンパックはココ!
初めてウッタラディット県を訪ねるにあたり、知り合いの日本人がとある提案をしてくれました。
「ウッタラディット県にある、日本語を教えている高校にお繋ぎできそうなんですけど伺ってみませんか?」
県名すら聞いたことのなかったウッタラディット県で、日本語を勉強している高校生がいることにびっくり!
私はぜひ会ってみたくその方に仲を取り持ってもらい、「ウッタラディット ダルニー学校」へ伺う機会を得ることができました。
教室に集まってくれたのは高校三年生の、日本語を学んでいる男女20名。
その時の様子はYouTubeライブで配信しましたので、ぜひご覧ください。
前置きが長くなりましたが、こちらで高校で案内してくださったのがアン先生とテウ先生でした。
生徒たちとの交流後、アン先生から地元料理の美味しい店へご案内したいとのお誘いをいただいたので、もちろん即OK。
「ウッタラディット県に来てカオパンパックは食べました?」
「カオパンパックIndyという店でいただきました」
そう返答すると、あの店は旅行者向けですよ、とのこと。
地元の人たちココへ来るんですよ案内してもらったのが『カオパンパック ノンアークルア』でした。
めっちゃ田舎道にぽつんと建っていて、とてもじゃないけど自力では見つけられなかった立地です。
どんな場所の情報でも簡単に入手できる時代になりましたが、地元の方から得る情報には敵いません。
『カオパンパック ノンアークルア』の店構えやら雰囲気は、オシャレな『カオパンパックIndy』とはまるで正反対。
調理に使っているのが薪というだけで、めちゃくちゃ興奮いたします。
生地は若干厚めで、トッピングはシンプルにケープムーと卵のみ。
タレなどはかかっておらず、どうやって食べるのかをアン先生が教えてくれました。
「自分好みで調味料を配合してタレを作るんです」
卓上のナムプラーやチリソース、粉唐辛子などを混ぜ、ときおり味見をしながら調整。
完成したオリジナルタレを、カオパンパックにかけるのが地元流です。
厚めの生地だけにもちもち感が強く、これに包まれた野菜からは優しい甘みが染み出し、春雨はそれを吸収して一体となる。
これにオリジナルのタレを適度にかけると、止まりません!
そしてもう1品いただいたのがカイムアンです。
『カオパックIndy』のカイムアンに比べるとトッピングの具材は寂しく見えますが、生地に独自の味付けがされていて、さらにオリジナルのタレをかければもう最強です。
カオパンパックもカイムアンも素朴ながら、ガスではなく薪を使い、味付けにこだわり、安価で提供している。
だからこそ、立地場所が不便であろうが地元の人たちから評判を得ているのでしょう。
店名 | カオパンパック ノンアークルア/ข้าวพันผักหนองนาเกลือ |
営業時間 | 09:00-17:30 |
定休日 | 基本無休 |
Google Map | https://maps.app.goo.gl/hTjxmfkqbtp2kipH6 |
ウッタラディット県のグルメはYouTubeでも公開中です
本記事で取り上げたウッタラディット県のお店は、自身のYouTubeチャンネルでも紹介しています。
併せてご覧いただければ、お店や料理についてもっと深くすることができると思います。
とにかく一度ご覧くださいませ。