[料理名]タイ料理全般

豚丸焼き(ムーハン)の人気食堂 ナラティワート通り沿いで30年以上!

2019-01-04

年間を通じて知人や友人など、ローカルタイ料理店へアテンドするのは数十人はくだらない私ですが、その都度その都度どこへ行こうか思案しているはずもなく、アテンドで利用するローカルタイ料理店は私の脳内で「リスト化」されています。

そのすべてをここで披瀝いたしませんが、その中の一店舗に『ムーハン ホンコン』という店を入れていました。「ムーハン/หมูหัน」とは豚の丸焼きのこと。『ムーハン ホンコン』ではこの豚丸焼きが他店に比べて安く、しかも小さな食堂なので店主が豚を焼いている現場を見ることも可。
日本で豚丸焼きを食べる機会なんて皆無に等しいですし、けっこうなお値段がするので、1300バーツ(5000円弱)でムーハンを提供している『ムーハン ホンコン』はありがたい存在でした。
「でした」と過去形にしているのは、そう、閉店してしまったんです!

突然のサヨナラ『ムーハン ホンコン』

『ムーハン ホンコン』は記事で取り上げたこともありますし、最近ではYouTubeでも紹介しました。YouTubeで公開したのは2018年9月6日。公開して2ヶ月ほど経ったころ、YouTubeのコメント欄に書き込まれたコメントを見て、ひっくり返りそうになりました。

「Googleマップで見たら閉店しています」

コメントを確認するやすぐさまお店にTEL。店主と思わしき男性が電話に出てこう話してくれました。

「2ヶ月ほど前に閉めたよ」

2ヶ月ほど前というとYouTubeでアップしてから間もないころ。ひょっとしたら、撮影で伺った直後に閉店を決めたのかもしれません。

新しく見つけたムーハンの店『ムーハン ソンピーノン』

動画をご覧になると伝わると思うのですが、『ムーハン ホンコン』の店主は朴訥とした初老の男性で、料理一筋といった雰囲気の方でした。そういった真面目な側面とは裏腹に、ビジネス的には順調ではなかったようです。二人三脚でお店を支えていた妹さんいわく、ここ数年『ムーハン ホンコン』の客数は減少していると、取材時に話していた言葉がじりじりと響きます。

突然の閉店により、私のアテンドリストからムーハン食堂1店舗が消滅。ムーハンは中華系のタイ料理店へ行けばあるので、さほど珍しい料理でもないんですが、ローカル色が強いムーハン食堂がほしい。
検索すると、まさかの『ムーハン ホンコン』の近くで営業している店舗を見つけました。
ナラティワート通り沿いで営んでいる『ムーハン ソンピーノン』。数百メートルしか離れていない場所で、ムーハンを焼いている店があったとは。

創業30年以上の『ムーハン ソンピーノン』は毎夜大盛況

『激旨!タイ食堂』で掲載しているたいていの店は一人で来店、一人で食べて取材し撮影しているんですが、さすがにムーハンは一人だとつらい。取材をいつにしようかと逡巡していた頃、一人の男性が日本からバンコクへと渡ってきました。
1年に一度、必ずタイへ来て食べ歩きをしているパクチー料理研究家のエダジュンさんです。
初めてお会いしたのは2016年。このときはトンローの南タイ料理店『プーケットタウン』。2度目となる2017年は中華系タイ料理食堂『Ah Ou Bangrak』
三度目となる2018年、私が食事の場所として選んだのは『ムーハン ソンピーノン』でした。この日のことをTwitterでもアップしたんですが、ムーハンなどをつつきながら開けた瓶ビールの本数は2人で10本! 閉店間際まで腰を据えて飲んでました(笑)

 

この日はさすがにきちんと取材できなかったので、後日改めて来店し、店主に話を伺うことにしました。

『ムーハン ソンピーノン』で初めて食べたメニューもあり

「この店は妹と2人で経営しているんですよ」

そう話してくれたのは、真っ黒に日焼けした男性店主。妹さんとともにお店を切り盛りしています。1度目の来店時も空席が目立たないぐらい埋まっていましたが、2度目もかなりお客さんが入っている。しかも、外観をしげしげと眺めてみたら、2階席もあるではないですか。

「2階席は20名ほど収容できます。上階の3階も20名ほど座れるんですよ」

3階席まであったとは! この日はよほどお客さんが入っていたのか、ムーハンは残り一匹だけになっていました。

店内だけではなく、歩道にもテーブルを並べています

残り1匹だけだったムーハンくん

ムーハンをさばいている厨房にお邪魔いたしました

ムーハンホンコン/หมูหันฮ่องกง  1,350バーツ

ムーハンを注文するなら、なるべく予約しておいたほうがいい。

ムーハンは「ホンコンスタイル」と「タイスタイル」の2種類があります。タイスタイルは豚の皮と豚肉を別々にして、まずパリッと焼いた皮だけをいただく。皮を食したあと、豚肉を野菜やニンニクなどと炒めて別皿で提供するスタイルです。
ホンコンスタイルでは豚皮から肉をそぎ落とすことなく一緒に食します。以前『ムーハンホンコン』での取材時に店主が話していたのは、ホンコンスタイルのほうが調理技術がいるのだとか。そういった理由もあり、価格はホンコンスタイルのほうがやや高めに設定されています。
皮はカリカリとした食感、そして肉の旨みも同時に味わえる。ムーハンの醍醐味はホンコンスタイルにある、と私は思います。

パットンゴーグワイ/ผัดโหงวก๊วย 200バーツ

味付けもシンプル、かつ栄養バランスも取れた一品。

この料理に出会ったのは『ムーハン ソンピーノン』が初めてです。料理に振りかけられているのは細切りにしたカナーを揚げたもの。具材で使われているのは以下8種類の豆や野菜です。
これ一皿食べるだけで、かなりの栄養素がまかなえそう。

ヘーウ(オオグロクワイ)/แห้ว
ペックワイ(銀杏)/แป๊ะก๊วย
プッサージン(中国ナツメ)/พุทราจีน
メット マムアン ヒンマパン(カシューナッツ)เม็ดมะม่วงหิมพานต์
カオラット(栗)/เกาลัด
フアホーム(たまねぎ)/หัวหอม
プリックヘン(乾燥唐辛子)/พริกแห้ง
トンホーム(ネギ)/ต้นหอม

ヤムサームグローブ/ยำสามกรอบ 140バーツ

魚の浮袋とカシューナッツ、エビ、マンゴーが絶妙なバランス感覚で演出。

これもあまり見かけない料理です。料理名の意味は「カリカリに揚げた三種の和え物」。三種とは魚の浮袋(ガポプラー/กระเพาะ)、カシューナッツ、エビ。これらを揚げたものとマンゴーとを和え、酸味と甘み、辛味をくらえて仕上げています。
魚の胃袋は中華系タイ料理ではときどき使われていて、スープなどの具材にもなっていることから、「ガポープラ」だけを伝えるとスープが出てくることもあるのでお気をつけて。

センミーパットヌアプー/เส้นหมี่ผัดเนื้อปู 150バーツ

具材はシイタケともやし。彩りは意識せず、シンプルの極致を目指す。

細麺のセンミーとカニの身を炒めた一皿です。こういったシンプルな料理だからこそ、料理人の実力が表れやすい。複雑な調味料を使っているわけでもなく、工夫を凝らしているわけでもないのに他店との差を歴然と感じるのは、料理人の技量があってことでしょう。

絶佳なのは豚の丸焼きだけじゃない『ムーハン ソンピーノン』

ひとつの料理を極めるまでに至っていると、他料理も卓越したレベルに達していることが多いのですが、『ムーハン ソンピーノン』もしかり。店名に冠しているムーハンが旨いのは当然ながら、一品一品が丁寧に仕上げられていて、料理を口へ運ぶたびに頷かされる。
8種類の豆や野菜を使ったパットフォークアは、細切りしたカナーを揚げてトッピングするという、技量だけではなく独創性も垣間見せてくれ唸るばかり。

我が家からバイクで10分ほどのところにこんな店があるなんて、幸せすぎますよ、ほんと。

【SHOP DATA】
「ムーハン ソンピーノン(ร้านหมูหันสองพี่น้อง)」
TEL:02-287-4992, 081-735-4187(Sak), 084-878-0565(Sit)
OPEN:16:00-23:00(基本無休)

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