バンコクのいたるところで営まれている屋台のなかで、頻繁に見かけるもののひとつがムーピンだと思います。
ムーピンとは下味をつけた豚肉を串に刺し、炭火でちりちりと炙ったもの。
朝食としてこれを2、3本買ってカオニャオと共に頬張っているタイ人も珍しくなく、タイのファストフード的な料理です。
これほどまでにタイ人に身近なムーピンですが、屋台ではなく店舗を構えた専門店となると見たことがない。
以前、店舗型の「Karniel mooping」というムーピン専門店を取り上げたことがありましたが、店内飲食はできないデリバリー専門店でした。
屋台でもなく、デリバリー専門店でもない、店内飲食ができるムーピン専門店はないものか。
ムーピンを愛するがゆえ探究心が沸々と湧いてきたわたくしは、あらゆる手段を駆使してムーピン専門店を探索。
そうして見つけたのが、予想だにしなかったルーフトップBar『House of the Flying Mooping』でした。
ルーフトップBarでいただくムーピン&ビール
探し始めた当初は古くから営んでいる食堂をイメージしていたのですが、まさかルーフトップBarでムーピンを扱っているとは。
立地場所はサトーンのイェンアガート通りで、欧米人が多く居住していることから各国料理のレストランが点在しているエリアです。
この界隈なら、ムーピンをメインにしたルーフトップBarという、前衛的なコンセプトにした理由も頷ける。
18時の開店時間を狙い、店がある辺りまで来てみたところ、ここで問題が発生。
どれだけ探しても『House of the Flying Mooping』と書いた看板が見つけられないし、どのビルの屋上なのかが分からない。
Google Mapを睨みながら何度も往復してみたのですが、それでも見つけられず、とあるビルの下にいたタイ人に聞いてみることに。
「この店を探しているんですけど、どこにあるか知ってますか?」
「その店ならこのビルの5階だよ」
聞いた場所がまさかのどんぴしゃ。
『CAGETTE CANTEEN DELI』というフランス料理店が入っているビルで、エレベーターで4階まで行き、そこからは階段を使って5階まで上がっていくんだと教えてくれました。
来店までにこれだけハードルを上げているってことは、知る人ぞ知る店なんだろうか。
どきどきしながら5階まで上がると、屋上に広がっていたのは、龍をあしらったロゴなど中華風にデザインされたスペースです。
それほど広くはないものの、テーブル席のほかにカウンター席やソファー席まで用意されていて、それぞれに合わせくつろげるように設計されています。
屋台の人気メニューであるムーピンが洒落たルーフトップBarのメインメニューになるとは、思いもよらないことが起こるものです。
カウンター席に腰を下ろし、女性スタッフが手渡してくれたメニューに目を落とします。
ビールはASAHIやKIRINといった日本のものから、タイのクラフトビールCHALAWAN、MAHANAKHON、ラオスのBEER LAO、フランスの1664 BLANCと、各国のビールがずらり。
わたくしが選んだのはBEER LAO DARKです。
もう1枚のメニューに並ぶ料理名を見ると、ありました。
店名にもなっているFLYUING MOOPINGでございます。
3本のムーピンがセットになっていてお値段149バーツ。
屋台のヒーローだったムーピン君が、大出世いたしました。
鶏肉のサテ「HOUSE SATAY」
ムーピン3本だけでは寂しいので、もう1品、鶏肉のサテ「HOUSE SATAY」を注文。
こちらは229バーツですので、サテも大出世です。
ムーピンはまずグリルで炙り、そのあとバーナーで焦げ目を付けているので、肉は柔らかいのに香ばしさがある。
付けダレ「ナムチムジェウ」を少量垂らしていただけば、あっという間にイサーン地方へトリップです。
鶏肉のサテにはパンと、ピーナッツソース、酢の物も並び、セットメニューのような一皿に。
ピーナッツソースがことさら旨くて、サテを食べ終わったあとも、ソースだけでビールがぐいぐい進む。
BEER LAOの次は、フランスの1664 BLANC。
陽は沈み、夜の帷が降り始め、ルーフトップBarの本領発揮。
ボッチで来店したわたくしは、フランスのビールを飲みながら、ムーピンの大出世を独りで祝うのでした。
店名 | House of the Flying Mooping |
営業時間 | 18:00-01:00 |
定休日 | 月曜日 |
Google Map | https://goo.gl/maps/Re3Y8cZR7zwjEMLx8 |
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