[料理名]タイ中華

いぶし銀が光る中華系タイ食堂 チャン通りで75年【チェン チュワン チム】

2018-08-24

ごく普通のメニュー。でも何を食べても安くて美味しい、古き良き食堂。
『激旨!タイ食堂』をご覧の皆様の街にも、そんなお店がありますでしょうか?

初めまして。この記事を担当している僕は田原拓郎と申します。『激旨!タイ食堂』を運営しているバンコクの旅行会社「TRIPULL」で、現在インターンシップをさせて頂いています。
僕はタイに旅行で来た事がきっかけで、このサイトを知り、そしてタイ料理に魅了されてしまった当サイトの読者、いえ、大ファンの一人なのですが、ついにインターンシップの名の下、TRIPULLに押しかけ女房の如くやってきてしまいました。

そんな僕をTRIPULL代表の西尾さんが、インターンシップ初日のお昼に行きつけの食堂へ連れて行ってくれました!
まだ『激旨!タイ食堂』でも取り上げていない隠れた名店を、西尾さんに代わって僕が紹介します!!

観光客はもちろん、外国人の姿が無い超ローカルエリアに佇む老舗食堂『チェン チュワン チム』

チャン通りソイ18/8の入り口付近にあるこちらの食堂。
最寄り駅のBTS スラサック駅からだと徒歩20分以上かかってしまう場所にあります。
観光客はもちろん、外国人の姿もほとんどなく、かなりローカル度が高いこの場所にひっそりと『チェン チュワン チム』は佇んでいます。

僕自身、何度かバンコクに訪れていますが、この近辺に来たのは初めて。ローカルな住居や商店が立ち並び、遠くには近未来的な高層ビルが見える、とても下町らしさを感じる通りです。
西尾さん曰く、こちらの通りは美味しいローカル食堂が立ち並ぶ隠れたグルメ通りなのだとか。

メニューを手に取って気になったのが、表紙の上部に書いてある2486の数字。これはタイの仏暦で、1943年に創業されたということを意味しています。ローカルエリアで75年愛されている食堂、また店内にはこの店を取り上げたタイの新聞が多数!これは期待が膨らみます!

水色の看板に気付かなければ、通り過ぎてしまいます

この通りに外国人の姿は見当たりません

壁を見ると取材をお店を取り上げた新聞記事が

様々な年代の新聞から取材を受けています

派手さはないが、確実な美味しさ

タイ語オンリーのメニューを開くとそこには定番の中華系タイ料理がずらり。
カオパット(炒飯)、ラートナー(餡かけ麺)、スキー(春雨料理)、ガパオパット(バジル炒め)、パッカナームークローブ(葉野菜とカリカリ揚げ豚の炒め)などの定番料理には、派手さや目新しさこそ無いものの、安心感を覚えます。

カオパットプー(蟹炒飯)を注文するも、この日は売り切れとの事だったので、代わりにカオパットクン(海老炒飯)をオーダー。そのほかにもパッカナームークローブ、スキー、そしてこの店の代表料理であるというラートナーを注文しました。

タイ語だけですが写真が入った分かりやすいメニュー

始めに運ばれてきたのはカオパット。僕が思うに、タイ風炒飯、一般的なカオパットの特徴の1つとして中華料理のそれよりも野菜が多く、とても具沢山な点が挙げられると思います。それに加えてトマトなども度々用いられます。
しかし、ここのカオパットは具が控え目であるが故に野菜の水分で米がベシャベシャになる事もなく、海老と卵のシンプルかつ、見事なパラパラ炒飯に仕上がっていました!

続いて頂いたのはパッカナームークローブ。皮付きの豚バラ肉をカリカリに揚げた「ムークローブ」という食材と「カナー」という葉野菜をピリ辛に炒めたものです。
このムークローブが外はカリカリ、中はジューシーで本当に美味しい!!
思わず食レポのテンプレートのような食レポになってしまいました。

 

ご飯物を食べたので次は麺料理。スキーヘン(汁なしのスキー)を頂きます。具材は春雨と卵、イカと海老、空芯菜、白菜。
このスキーはナムチム(タレ)がとても美味しい。豆板醤のような味が強く、辛さだけでなく、コクと旨味が前面に押し出されたとても秀逸な味のナムチムです

そして最後にラートナー。麺は揚げ麺(ミーグローブ)をチョイスしました。一見すると何の変哲もない一皿ですが、完成度はとても高い。
豚肉は筋がなく柔らかく、カナー(葉野菜)はシャキッとした食感が残った絶妙な火加減。餡はオイスターソースの風味に中華だしがよく効きいた本格的な中華餡です。それが揚げ麺に絡み、味、食感共にバランスが非常に良く見事な一皿でした。

またこの食堂にはラートナーカオパットという餡かけ炒飯もあり、先ほどのカオパットと、このラートナーのマッチなのですから絶対に美味しいはずです。

シンプルイズベストなカオパットクン

ピリ辛の味付けでご飯が進むパッカナームークローブ

スキーはもちろん左上のナムチムが本当に美味しい

味、食感共にバランスが最高なラートナー

一品一品がハイレベルな定番タイ中華

広東出身の一族が受け継ぐタイ中華食堂

冒頭で述べたように、最寄り駅のBTS スラサック駅から徒歩だと20分以上かかる場所に『チェン チュワン チム』はあります。
サトーン地区を長く東西に伸びるチャン通りのソイ18/8の入り口と、ソイ20の入り口の間、18/8寄り。
タクシーなどで行く場合は運転手に「チャン(จันทน์) 18/8」を伝えると良いでしょう。

料理を全て堪能し、西尾さんがタイ語でお店にインタビューをし始めたその時、店員の男性が「1943年です」と日本語で創業年を教えてくれました。
その男性は店主の息子のチョンさんという方で、日本で10年ほど働いていた経験があるため、日本語を話すことができると言います。

店主は夕方から店に立つため昼間はご不在とのこと。この日はお昼時に伺っていたので、店主の息子のチョンさんにお店の歴史を伺いました。

チョンさんの祖父が中国広東省からタイに渡り『チェン チュワン チム』を始めたのは1943年。そして今はチョンさんのお父さんが2代目店主として、お店を営んでいます。
店主は現在75歳。ご高齢にも関わらず年中無休でお店に厨房に立ち続けているそうです。

チョンさん一族の出身地の広東省ですが、タイの華人は広東省、特に潮州にルーツを持つ人が多いんです。ありとあらゆる食材を使用する多様さが特徴的な広東料理。それが彼らと共にタイに渡り、長い年月の間にアレンジが加えられ、タイ中華と呼ばれているようになりました。
また、広東料理は日本の中華料理に最も影響を与えた中国料理とも言われています。タイ中華が日本人の口にとても合うのも納得です!

『チェン チュワン チム』の営業時間は朝10時から深夜2時。しかも年中無休。
「私の祖母は父を産んだ三日後には店に立っていました。」
これはチョンさんの言葉です。ローカルエリアでローカルの人々に75年間も愛され続けている食堂には、中国広東省からタイに渡った一族が脈々と受け継ぐ、情熱と確かな味がありました。

この標識の手前に『チェン チュワン チム』があります

手際良く中華鍋を振るう左側の男性がチョンさん

店内にはタイのメディアに取り上げられる店主の写真が

また、『チェン チュワン チム』はLINE MAN、Grab food、food pandaでのデリバリーサービスにも対応しています!

「私たちが作るのは広東タイ中華です。」と自店の料理を説明してくれたチョンさん

【SHOP DATE】
「チェン チュワン チム(เชนชวนชิม )」
TEL:02-212-4422、081-826-2876
OPEN 10:00-02:00(基本無休)
ADDRESS 372 ถนน จันทน์ ซอย23 Khwaeng Wat Don, Khet Sathon, Krung Thep Maha Nakhon 10120

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