【2018年1月19日更新】
本記事で紹介している『ニューヘンキー』は移転しました。移転先は以下記事をご覧ください。
私はジャルンクルン通りに住んでいることもあり、この通りに立地している評判の店はかなり制覇していると思っていました。
ジャルンクルン通りで紹介した店舗数はざっと15店舗。
これだけ取り上げたなら、ジャルンクルン通りで取材したくなる店はもう無いだろう。
なんていうのは、私の思い上がりでして、まだあったんです!
ジャルンクルン通りは旨い店が集積する通りだとは以前から申し上げておりましたが、奥の深さはバンコクトップレベルといっていいでしょう。
私が目指したのはジャルンクルン通り・ソイ43にあるタイ中華食堂『ニューヘンキー(นิวเฮงกี่)』です。
『ニューヘンキー』の立地場所
駅からすぐの場所にあるわけではないので、少々詳しくお伝えしておきます。
最寄り駅はBTSサパーンタクシン駅。
3番出口からジャルンクルン通りに出て、ここから北上します。
Googleマップ上では「徒歩10分」と表示されているので、お散歩気分で歩くことが出来る方なら徒歩でも構いませんが、炎天下のもと10分以上も歩けるかい!という方はタクシーかバス、もしくはバイクタクシーを利用しましょう。
バスでしたら1番、35番、75番が該当します。
これらのバス、またはバイクタクシーなどに乗って『中央郵便局(Grand postal building)』を目指します。
この建物が見えてきたら正解です。
この周辺で降り、道路向こう側に東に伸びるソイ43を50メートルほど行くと、左手に『ニューヘンキー』が見えてきます。
外観からすでに“味”が滲み出ているうえ、店内に入るとその“味”がさらに濃厚になり、私の心はぴょんぴょん弾む!
入口にもっとも近い席に座り、メニューを見せてもらいます。
まず掲載されているのはバミーの数々。
次々とページをめくるとご飯ものやら炒め物など、タイ中華料理の品々がたくさん載っていて、私の心は極めて逡巡!
ーー何がおすすめなんですか?
予備知識もなく来店したものだから、何を食べていいか分からず、そういった時は店員さんに聞くのが一番です。
「これはおすすめだよ」
30代ぐらいであろう男性スタッフが薦めてくれのは、「カオ・グン・プリックパオ」なる一品。
もう一品は酢豚です。
「あなた日本人?」
注文を終えた私に声をかけてくれたのは初老の女性でした。
入口に立ち、通りを眺めていた彼女は、明るい表情で私ににこやかな笑みを見せてくれます。
「あなた、タイ語が少し話せるのね。私たち家族は日本に行ったことがあるのよ」
こういった食堂のご家族でも日本への旅行を楽しめるようになったのは、2013年7月からタイ人の訪日観光ビザを免除したことが一番の理由でしょうが、今の日本はすべてが低価格化していることも大きいのでしょう。
日本では東京と京都に訪れたそうです。
穏やかな時間が流れる店内。
うっすらと差し込む陽に照らされ、通りを眺めながら料理を待っていると、私の心まで穏やかになってくる。
ぼんやりとしながら料理を待っていたのですが、10分立てど15分経てど料理が運ばれてこない…。
穏やかだった私の心は、空腹と待ち時間によってさざ波が立ち始め、幾度も奥の厨房を振り返ってしまう始末。
20分ほど経ってようやく料理が運ばれてきたときは、空腹によって穏やかさは半減。
しかも、運ばれてきた2品の料理を見て、さらに穏やかではいられません!
見ただけで旨そうなんですもの!!
カオ・グン・プリックパオ(ข้าวกุ้งพริกเผา)
エビの揚げものと空芯菜の炒め物ご飯。
エビの下にはプリックパオというチリペーストが隠れています。
B級グルメを地で行く食堂の一品といっていいでしょう。
プリックパオが絶妙な役割を果たしているんですよね。
ムー・トー・プリアオワーン(หมูทอดเปรี้ยวหวาน)
見た目の通り酢豚ですが、具材として一般的なパイナップルはなく、トマトやキュウリ、玉ねぎ、キャベツなどと炒められています。
私は「酢豚にパイナップルは不要派」なので、これは私好みの一皿。
メニューには他にも食べてみたい品々があったのですが、この2皿を食べるとさすがに食べられない…。
私が気になったメニューを掲載しておきましょう。
仏歴2500年に創業
味わい深い店舗の雰囲気から、創業してからかなり年月を感じさせられます。
聞くと仏歴2500年に開店したと言うので、今年が2559年だからおよそ60年!
現オーナーのお父さんが始めたお店だそうです。
「17歳のときからこの店で働いているよ」
ジアンさんは現在76歳だというから、創業当時から働いていたということになります。
59年間、お店を守り続け、いまは息子さんが主に店を取り仕切っているようです。
ご両親は華人。
ジアンさんが7歳のときにバンコクへ渡って来たと言います。
76歳にしてご夫婦ともども年齢を感じさせないぐらい元気なのは、『ニューヘンキ―』のメニューにその秘密が隠されているんじゃないだろうか…。
私が写真を撮り終えたあと、まかないを食べているジアンさんを覗くと、ふつうにバミーを食べておられました。
バミーが元気の秘訣か!?
店内にはたくさんの写真や、取材の記事、そして興味深いのが創業当時のメニューリストです。
60年前に出していた料理名と料金が記載されています。
当たり前ですが、いまとはまったく値段が違う!
たくさんある写真の中で、目に止まった写真が一点ありました。
とある一枚に私の知り合いが写っていたんです(笑)
【SHOP DATA】
「ニューヘンキー(นิวเฮงกี่)」
TEL:02-235-0078,089-491-5232
OPEN:11:00-21:00(日曜日休み)