暑い季節真っただ中のタイ王国において、先日、仕事をかねてウォンウェンヤイ界隈を徘徊しておりました。
日中だったためとにかく暑く、全身から汗が流れて止まらず
同行していた方から
「シャブ中のように汗が流れてますよ」
と言われる始末。
シャブ中の方が怒濤のように汗が流れ出るのかどうかは知りませんが、それほど暑い最中に歩き回っていました。
ラマ5世国王が愛したミークローブ
仕事を終えどこかでビールを飲もうということに。
しかしながら、私はウォンウェンヤイ界隈で知っている旨い店といえば以前ブログで紹介した『ソムサッククプーオップ』のみ。
アテもないまま思考しておりますと同行者の方から、とある店が提案されました。
「ミーグローブで有名なお店が国鉄タラートプルー駅近くにあるそうですよ」
彼女は数年前に発刊されたフリーペーパーを取り出し見せてくれました。
記事で紹介されたいたのは『ミークローブ チーン リー(Mee Krob Jeen Lee)』。
「ミークローブ」とは細麺(センミー)に砂糖やナンプラーで味付けをして揚げた料理で、ここのミークローブはタイの国王ラマ5世が好んで食べたことで知られる超有名店だとあります。
ラマ5世がどのような国王だったのかはWikipediaを参照してみましょう。
即位するとすぐに欧米に視察旅行をしてタイの立ち後れを実感し、チャクリー改革と呼ばれる数々の改革を行った。タイ三大王のうちの一人で今でも国民から人気が高く、肖像画が首飾りやポスターになったり、像が仏壇に置かれたりしている。1999年にはアメリカの『タイム』誌で、「今世紀もっとも影響力のあったアジアの20人」の1人にタイ人から唯一選ばれた。
ラマ5世の在位は1868年10月1日から1919年10月23日までだったので、今回紹介する『ミークローブ チーン リー』がかなりの老舗であることがお分かりいただけるでしょう。
ミークローブ チーン リーへの行き方
国鉄タラートプルー駅からだと徒歩5分ほど。
駅からSoi Thoet Thai 18という通りを北上した右手にあります。
外観および店内はちょっと古びたタイ料理店といった感じですが、店内に掲げられている写真が違う。
ラマ5世の写真が数点掲げられていて、他店とは一線を画した格の違いです。
実は私、ミークローブは初体験。
香ばしい色に揚げられたセンミーは、添えられて来るもやしやニラを混ぜていただくようです。
サクサクとした食感の細麺は、ほのかな甘みがあり、もやしやニラのシャキっとした食材と絶妙な合奏を奏でている。
ラマ5世が愛したという一皿は、150年という長き時を経ても『ミークローブ チーン リー』によって受け継がれ、私のような愚民でも食すことが出来るわけです。
ありがたい!
オースワン(牡蠣の卵炒め)も絶品
もう一皿はオースワン。
タイ中華料理店ならほぼ間違いなくオーダーするものです。
ミークローブとオースワン。
私たちは仕事終わりということもありLEOビールを開けていたわけですが、この2品によって空き瓶の増えるペースが早い早い!
食後、ビールを飲みながら喋っていると隣りの部屋から歌声が聞こえ始めてきました。
もしやカラオケルームでもあるのかと、店主に許可を得て見学させてもらうことに。
どうやらご近所の方々がお集りになられ、バイオリンの演奏をバックに合唱されている様子。
こういった交流の場に使われているのは、地元に密着した老舗店だからこそ出来るのかもしれません。
4代目となる現店主と3人の娘さんたち
いまの店主は創業者から数えて4代目にあたり、彼女の娘さんたちも共に『ミークローブ チーン リー』を営んでいます。
母と娘、そして姉妹同士の仲が良さそうで、ほっこりとした円満な雰囲気でした。
ラマ5世が愛したほど格式があり、150年もの歴史を刻んできた超老舗店。
激旨ステッカーがこの店の仲間入りを果たしたのは、ちょっとした奇跡ではないでしょうか!
【SHOP DATA】
「ミー クローブ チーン リー(หมี่กรอบจีนหลี )」
TEL:02-488-9170,02-466-9037
OPEN:10:00-21:30(第三月曜日休み)
ADDRESS:326-330 Lonely Taladplue Taladplue Thonburi, Bangkok 10600.
PRICE:ミーグローブ(中)200B、オースワン(小)120B