BTSサパーンタクシン駅を撤去するというニュースが流れたのが数年前。
公表当時は1 年以内に撤去を始めるといっていたものの、そんな様子は一切なく、延期したという一報も聞いたことがないのは、きっとこのまま、しれ〜っと運営を続けていくつもりなのではないでしょうか。
この駅が存続していることにより、今回取り上げる店へのアクセスもラクチンなわけです。
イサーン料理&アヒル肉料理が楽しめる希少な店
そう、今回紹介したいのはBTSサパーンタクシン駅から徒歩5分ほどの場所にあり、偶然前を通りかかったのが入店のきっかけでした。
私の心を惹き付けたのは店頭のガラスケースに入れられた大量のキノコ類です。
イサーン料理屋かと思えばすぐ隣ではアヒル肉が吊るされ、バミー(中華麺)があったりと、いままで出会ったことがない異業種ミックスな感じ。
アヒル肉乗せバミー&キノコのタイカレー
バミーとイサーン料理を同じテーブルで頂く機会なんて滅多にありません。
まず一品目に選んだのはアヒル肉乗せの汁なしバミー(バミーヘン)。
丼の底にはカオナーペット(アヒル肉乗せご飯)で使われる甘いタレがあり、麺を撹拌してバミー麺に味を絡める。
そして褐色に色づいた麺をずるずるっと勢いよくすするわけです。
イサーン料理と兼業しているだけに、たいして期待していなかったのですが、バミー専門店としても通用できるレベル!
無言、夢中でバミー麺をすする私の目の前に置かれたのは、もう一品オーダーしていたゲーンヘッド(キノコのタイカレー)です。
「カレー」という文言が冠せられているものの、インドカレーのようなスパイス大家族カレーではなく、生姜やニンニク、レモングラスなどを使ったタイカレー。
ほどよい辛みとコクにやられました!
具材はキノコ類がほとんどなので、あっさりとしていてさらりと進むのもいい。
キノコのメニューでもう一品、私の心にぐっと刺さっていたのがラープヘッド。
「キノコのラープ」です。
タイ料理を食べ歩いておきながら、この一品は初めて。
ほんのりスパイシーでカロリーほぼゼロ!!
カロリーがほとんどゼロだからといって調子に乗り、ガイヤーンまでオーダー。
ベーシックなイサーン料理ならほぼ揃っています。
一つの店に店名が2つある!?
それにしても、イサーン料理屋でありながらアヒル肉を扱っているのはどうしてなのか…。
「もともと創業した男性が華人で、奥さんがイサーン出身だったので両方やり始めたそうよ。だからうちには2つの店名があるの」
スタッフの女性店員に言われ改めて外観を見てみると、なんと看板が2つあった!
向かって右側がイサーン料理の店名『サラカムタセープ(สารคามตำแซ่บ)』
左側がアヒル肉の店名『ペットヤーンナイサンバンラック(เป็ดย่างนายสร้างบางรัก)』
です。
創業して6〜70年経つと言います。
イサーン料理とアヒル肉料理の2つを揃える希有な店。
BTSサパーンタクシン駅界隈には私が知らないだけでまだまだ旨い店があるようです。
サパーンタクシン駅がなくならないように……。
【SHOP DATA】
「ペットヤーンナイサンバンラック(เป็ดย่างนายสร้างบางรัก)&サラカムタセープ(สารคามตำแซ่บ)」
TEL:087-933-0402,092-962-6804
OPEN:10:00-22:00(無休)