喫煙が厳しくなりつつあるタイですが、ついに空港での喫煙も禁じられたようです。先日私のtwitterでもアップいたしました。
在タイ日本大使館からの一斉メールによると、2月3日よりタイ国内にある6箇所の空港では全面禁煙になったとのこと。
これに伴い、各空港の喫煙所は閉鎖され、空港ターミナルビルの屋外においても禁煙。
違反した場合には5,000バーツの罰金だとか。— 西尾 康晴@バンコク (@nishioyasuharu) 2019年2月5日
私のtwitterではタイ旅行に関することをちょくちょくツイートしているので、よければフォローしてやってください。
空港内およびターミナルビル屋外での全面禁煙とは、世界的に見てもかなり厳しいのではないでしょうか。バンコク中心部の路上喫煙は、数年前から罰金が科せられるようになり、アソーク周辺で喫煙者が罰金を支払っているのは何度か見かけたことがあります。
路上喫煙の罰金は2000バーツですが、空港内(?)空港付近(?)では5000バーツという倍以上の金額に跳ね上がっているのはなぜなのか…。
喫煙者への並々ならぬ圧力が垣間見えてきます。
私はといえば20年以上の喫煙歴がありましたが約2年前にすっぱり禁煙。それからは一切吸っておりませんので自分では卒煙と言うようにしています。
禁煙したのは健康のためとかそんな理由ではなく、喫煙者の肩身が狭すぎてストレスしかない、というのがほんとのところ。なのでタバコの煙自体、今でもそんなに嫌いではありません。(食事をしている最中に隣で吸われるのは勘弁してもらいたいですが)
たまに喫煙者の方を見ると「うまそうに吸ってるなぁ」なんて昔を思い出すかのように目を細めたりしています。私の個人的な感想ですが、中華料理を食べたあとの一服はかなりうまかったと記憶しています。
今回来店した中華系の食堂『ハーン タディンデーン』の店横でも、食後の一服をうまそうに吸っているおっちゃんがいて、「中華料理あとの一服はトップレベルでうまい」説を確信いたしました。
2年もタバコから離れているので、そんな説をぶち上げられる立場でもないんですが…。
目次
ガチョウの肉(ハーン/ห่าน)がある中華系食堂!
常日頃から「旨い店はなかろうか」と検索することがライフワークにもなっている私。先日あれこれ調べていたら「ガチョウの肉」が食べられるという店を見つけました。場所はラップラオ。店名である『ハーン タディンデーン』の「ハーン/ห่าน」はガチョウを意味するタイ語です。
タイ人はもともとガチョウを食べないうえ、店名に漢字も併記されているのでこの店が中華系であることは間違いないでしょうが、これまで来店したことのある中華系の店でガチョウ料理を見たことがない。
私が調べた限り、日本でガチョウの肉を扱っている店舗はほとんどないようです。もっと調べてみると、バンコクにも幾つかあるけれど数は少ないよう。
食したことのない食材があるなら、たとえ我が家から遠くとも「行かない」という選択肢は許されない。私が逡巡することなくラップラオへ向かったのは言うまでもありません。
目指す『ハーン タディンデーン』が立地しているのはラップラオ ソイ35/1の入り口。バンコク中心部からだとタクシーを利用するのがもっとも至便でしょう。ローカルバスを使っていく方法もあるでしょうが、私はまったく詳しくないので、ローカルバスのエキスパートである若生りんか氏に尋ねてみてください。
初めて出会ったガチョウの煮込み
『ハーン タディンデーン』にはガチョウ肉だけではなく、ローストダックをはじめ中華系の料理がそろっています。
私がオーダーしたのは合計4品です。
ハーンパロ(中皿)/ห่านพะโล้(จานกลาง) 390バーツ
ガチョウの肉を煮込んだ一皿。中皿のハーンパロです。皮の部分は非常にぷるぷるで、とろとろの食感。一方、肉にはしっかりとした弾力があります。
訊くと、ガチョウを飼育しているのはナコンパトム県にあるファームだそうです。
1日にさばかれるのは30〜40羽だとか。
持ち帰りや、デリバリーサービスでのオーダーもかなり多いといいます。
ペットヤーン ナングローブ(中皿)/เป็ดย่างหนังกรอบ(จานกลาง) 420バーツ
何を隠そう、私が『ハーン タディンデーン』でもっとも感動した料理がこちら。ローストダックです。皮の香ばしくてパリパリとした食感にまずはやられ、続いて皮にひそむ脂身の旨さが駆け抜ける。肉も旨みがしっかりとあり、タイで今まで食べたローストダックで1、2位といっていいでしょう。
ガチョウを食べて感動!ということになりたかったのですが、蓋を開けてみたらローストダックでした(笑)
ガランプリー パットナンプラー/กะหล่ำปลีผัดน้ำปลา 90バーツ
キャベツをナンプラーで炒めるシンプルな一品。こういうのがちゃんと美味しいのは、安定感があるなぁ。
ヤムキヨムチャイ/ยำเกี้ยมฉ่าย 45バーツ
中国版の漬物を使ったヤム(和え物)。ゴマを使ったり、いい塩梅の酸味といい旨い。脇役のような一品ですが、ローストダックに続く感動の料理です。
中国・汕頭から渡ってきた創業者
『ハーン タディンデーン』の現オーナーは四代目。創業したのは彼の曽祖父にあたる人物で、出身地は中国の汕頭。1921年、25歳のときにタイへ渡り故郷から持ち込んだレシピを使って、ガチョウの煮込み(ハーンパロ/ห่านพะโล้)を売り始めたのがきっかけだったといいます。
その後、ガチョウ煮込みの評判が広がり、チャオプラヤー川向こうにあるタディンデーンというエリアで店舗をオープン。現在はラップラオへ移転していますが、当時の地域名が残り『ハーン タディンデーン』という店名になっているようです。
私は今年の1月、汕頭に行ってきましたがガチョウ煮込みに出会うことはできず。本場で食べたかった。
タディンデーンでの出店後、評判の追い風を受け姉妹店の『チュアキムフアッド(ฉั่วคิมฮวด)』を出しています。この辺りがタディンデーンというエリアです。
客層が中高年の中華系タイ人
私が来店したのはちょうど昼時。客席のほとんどが埋まるほど賑わっていましたが、来店したいか客層のほとんどは30代後半以上、中高年の中華系タイ人でした。ハーンパロやペットヤーンが安い料理でもないため、若いタイ人たちが昼食として気軽に食べに行くような店では無いのでしょう。
今からおよそ100年前、創業者が汕頭より持ち込んだというハーンパロの秘伝レシピ。
三世代にも渡って継承され、ガチョウというタイでは一般的に食されていない食材を一流の料理に仕上げ、他を寄せ付けない存在感を示しています。
【SHOP DATA】
「ハーン タディンデーン(ห่านท่าดินแดง)」
TEL:02-938-3990
OPEN:08:00-21:00(無休)